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2020年9月

2020年9月26日(土)

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連携協定にオンライン出席の金井会長と挨拶する関口市長(18日、十日町クロステンで)

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来月10日に来訪する無印良品移動販売バス(資料より)

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良品計画・金井政明会長

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来月から常駐の二神努さん

世界の良品計画と連携協定

十日町市 大地の芸術祭、観光・産業の活性、来月10日移動バス

 国内477店、30ヵ国556店で店舗など商業施設を展開する株式会社良品計画と十日町市は18日、「地域社会の発展と地域活性化の推進をめざす」連携協定を締結した。国内では6自治体目だが、同社では初の総務省地域活性化プログラム「地域おこし企業人制度」による社員を十日町市に派遣常駐させ、連携分野の「大地の芸術祭」「観光・産業振興」「まちづくり・地域振興」に行政や民間と共に取り組む。市では大地の芸術祭拠点のキナーレ活性化を主軸に、良品計画が持つ国内外のネットワーク力で十日町市の地域産業や観光分野など地域活性化に取り組み、頼もしきパートナーと位置づけ、連携協定による「良品計画効果」に期待している。

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 連携協定締結は18日、大地の芸術祭拠点施設の越後妻有里山現代美術館・キナーレで行い、十日町市の関口芳史市長は「大地の芸術祭総合ディレクター、北川フラム氏と良品計画の金井会長との長年のご縁で実現」と、北川氏の橋渡しで今回の連携協定が実現したことを明らかにしている。関口市長は「日本で最も成功したプライベートブランド・無印良品として日本を含む31の国と地域で展開するグローバル企業の良品計画。小売業の枠を超え地域コミュニティ再生にも取り組み、地域密着の活動が注目される企業である」。同社は先月上越市に世界最大規模を出店し、同市と連携協定を締結。国内では千葉・鴨川市、山形・酒田市、豊島区、茨城・常総市と締結している。

 連携協定に東京本社からオンライン出席した金井政明会長は、長野・豊野町(現長野市)出身で飯山線をよく知り、30年余前に津南山伏山に無印良品津南キャンプ場をオープンし津南にも来ており、大地の芸術祭には毎回来訪している。金井会長は「十日町のシンボルになっている大地の芸術祭。世界の注目を集めている。魅力を再発見し、暮らしを営むこと、これは実はとても幸せなこと。それを可視化できるデザインにも取り組みたい。縄文からの歴史ある地域で、その地で100年後のまちの風景を皆さんと想像しながら、そのための一歩を踏み出していく。ここ妻有・十日町の皆さんに我々が巻き込まれながら、楽しく汗をかいていければ嬉しい」と連携の思いを話す。

 十日町市とは3分野で連携協定を結ぶ。『大地の芸術祭』「観光・産業振興」「まちづくり・地域振興」。関口市長は「大地の芸術祭の拠点、キナーレのあり様や中心市街地の活性化などに力添えいただきたい」と話し、来年の第8回大地の芸術祭では「良品計画の視点を入れた新しい芸術祭に成長できるのではと大いに期待している」などと芸術祭での『良品計画効果』も期待している。

 一方、同社は総務省・地域活性化プログラム「地域おこし企業人制度」を活用し、十日町市に人材を初派遣する。同社ソーシャルグッド事業部の二神努氏(36)が10月から家族3人で移住し、1年半の在任中、市行政や産業界と連携し、連携協定3分野に取り組む。

 具体的な連携事業は今後だが、上越市で実施の「無印良品・移動販売バス」が来月10日、市内3ヵ所(とおか市・博物館緑の広場・まつだい駅前)で移動販売する。同バスには人気の衣料品やレトルト食品など300品目を乗せ、来市する。今回のバス来訪は、上越市の無印良品店の来客アンケートに「十日町市にも来てほしい」とする意見があり、同社が要望に応え実現する。同社では「今後もリクエストがあれば、可能な限り出向きたい」としている。

生活文化の堆積、そこに価値がある

雪による幸せ価値観をデザイン 良品計画・金井会長語る

  …大地の芸術祭に24年余り取り組む十日町市の魅力と可能性についてどう見ているか。

 いろいろな日本の地域を見るなかで、我々がとても大事に思うことは、その地域で脈々と先人たちが一生懸命に生きてきた生活文化が地域に積みあがっている。その積みあがった所に我々も一生懸命に生きながら、また次の世代に渡していける生活文化の体積ということに、その土地の価値があると考えている。

 そう考えた時に、この60年の間に、その土地が持っていた生活文化の蓄積をゼロベースにして開発してしまったような地域を見ると、今となっては大変もったいないことをしたと思う。一生懸命に生き抜くということは、この地域は何もないとよく言うが、その何もないということに一つの大きな完成があると思うことと、何もない中で唯一あるものを活かして、今までなかったものを創り上げるということは、今を生きる我々の使命でもあって、そうした活動を考える時に、十日町は皆さんが誇りに思って、それを耕していくことを生きがいと思うことがあるのではないか。

  …豪雪地で知られる十日町市だが、雪のについての考えは。

 雪の中で過ごすことが都会の人々はとても楽しみだが、それはたまに行くと抱く感情。いつも雪に明け暮れ苦しんできた人から言うと、なにを言っているのだと思うことでもあるのだろう。ただ離れた見方をすると、雪のある景色は、実は大変穏やかな気持ちになったり、故郷を離れ思い出す風景がしんしんと雪が積もった神社だったり。そこに価値があると思うが、これも東京からの視点と思うだろう。ただ、そうした自然からの自然現象と、うまく折り合いをつけるそのものが、いろいろな地域で人が暮らすということを考えれば、雪も悪くないとなる。雪による幸せの価値観、暮らし方など、そんなデザインが生まれてもいいと思う。

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5年間の「地方創生・総合戦略」の総括を行った(23日、市役所で)

結婚・子育て支援を高評価

十日町市 『総合戦略』5年間の検証

 策定後5年が経過した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の目標達成度や経過を検証する「十日町市総合戦略等推進会議」は23日に市役所で開催。市が掲げる4つの基本目標のうち、もっとも高い評価を得たのが『結婚・出産・子育て支援』。人口減少対策の基本となる部分。男女の出会いや結婚を後押しする環境作りでは、5年間で成婚カップル63組(目標値55組)。ハピ婚サポートセンターの登録者も335人(同3百人)と目標値を上回り、結婚促進事業が効果を上げている点などを評価。一方で5年間の平均出生数は304人(同380人)、合計特殊出生率は1・65%(同1・80%)と達成できなかったが、国平均1・24%、県平均1・41%を上回っており『妊娠・出産・子育てまで切れ目なく支援できる体制づくりや支援制度充実によるもの』との成果をまとめている。委員からは「新型コロナでリモートワークが注目を集める。妊娠・子育て中でも特に事務職は在宅でも勤務できる。ITの力を借り育児中でも働ける仕組みを」と求める意見など出た。

 現委員は今月27日で2年間の任期満了となる。会長を務めた新潟大・長尾雅信准教授は人口減少・高齢社会が進む現状を「日本は先進国として世界で取り上げられているが、手を打つ自治体とそうでない所で差が出ている。十日町は着実に成果が出ており、次に結びつく取り組みをしている。またSDGs(国連採択の持続可能な開発目標)の達成に向け頑張って貰いたい」と語った。

 市総合戦略の基本目標は「安定した就業の場を増やす」「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「地域の魅力を更に磨き、選ばれるまちをめざす」「安心して暮らせる時代に合った地域を作る」を委員が検討。評価は三段階で行った。4項目はいずれも『目標値の達成に向けて着実に進んだ』、『おおむね進んだ』との評価。議事録は市ホームページで公開する。

 なお今年2月策定の「第2期市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の検証は、来年4月に委嘱する新委員が行う。

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関口市長から100歳の表彰状を受ける尾身キミさん(右)

100歳を祝う

敬老の日に市長らが表敬訪問 十日町市

 敬老の日の21日、十日町市では関口市長と県十日町地域振興局の桑原正広局長が百歳を迎えた5人の自宅を表敬訪問。祝詞や記念品を贈り、長寿を祝った。

 このうち尾身キミさん(丸山町)は、普段から炊事、洗濯を自分で行っていることもあり、元気に出迎えた。関口市長や庭野局長から祝い状などを受け取ると「ありがたいです」と感謝。家族らと共に記念写真に収まり、満蒙開拓団の一員として戦争時代の厳しい体験談を話しながら「最高の1日になりました」と喜んでいた。尾身さんは大正9年10月生まれ。子どもは4人、孫9人、曾孫は5人。現在、長男夫婦との3人家族で、夫は60年前に出稼ぎ先の仕事中に事故で亡くなり、女手ひとつで4人の子どもを育ててきた。76歳の時に「忘れられぬ終戦〜永遠の平和を願って〜」、さらに95歳の時に「戦後七十年、思い忘れず」と掲げた戦争当時の体験を冊子にまとめている。

 なお、県内の百歳以上は2070人(男性245人、女性1825人、今月1日現在)、十日町市は72人(男性5人、女性67人)で高齢化率は39・3%(8月末)となっている。

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桑原町長らから百歳表敬訪問を受ける涌井ヨシエさん(21日)

100歳表敬訪問 津南町・涌井ヨシエさん、ひ孫4人

 「毎日が幸せです」。来年3月に百歳を迎える、涌井ヨシエさん(津南町相吉)はひ孫4人に囲まれながら暮らす日々を語り、笑顔をみせた。

 敬老の日21日。津南町の敬老式は新型コロナウイルスの影響により中止となったが、希望者への百歳表敬訪問は実施。涌井さん方に桑原町長、十日町地域振興局健康福祉部の若井浩司部長が訪れ、表彰状と記念品を手渡した。涌井さんは「戦争真っ最中に芦ヶ崎本村から嫁に来ました。お陰様で両親から丈夫な体を頂き、家族に囲まれて幸福に暮らしています」と感謝。桑原町長が「ひ孫さんが結婚するまでお元気でいて下さいね」と声をかけると、家族みんなから笑い声が起こった。

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10周年のクアハウス津南のスイミングスクール。参加者は増えている(昨年の記録会で)

クアハウス津南スイミングスクール 町大会引継ぐ、10月親善大会

 津南町唯一の水泳教室を行っているクアハウス津南のスイミングスクール(SS)は今年で10年目を迎えている。4年前からは運営者の名前を冠し「Tapスイミングスクール」として活動。現在は5歳〜70代までの幅広い世代が水泳に親しんでいる。同SSでは10月4日、「第1回津南町親善水泳大会」を開催。出場者を募っている。

 町内で唯一25㍍プール設備がある温泉施設のクアハウス津南。当初は30人余でスタートしたが、泳ぎを覚えたい子どもたち、生涯スポーツとして取り組む大人などの受け皿として徐々に参加者が増加。妻有地域を中心に、年間150人余が通う。10年前からヘッドコーチを務める佐藤厚さん(正面)は、小中学校で授業量確保や教員による指導の難しさなどで水泳の時間が削られる傾向を踏まえ「水に対して親しむ機会がいま少なくなり、海や川に行った時など水の事故が増える可能性がある。自分の身を守るため子どもの頃から泳ぎを経験し、そして大人になってからも生涯スポーツとして取り組む方が増えればと思い続けてます」。同SSで鍛えた地元中学生が県大会に出場、さらに高校で競技として水泳に取り組む選手が出るなど嬉しいことも。「選手として上をめざすのも大事なこと。みんなの目標にもなります。10年の積み重ねのおかげです」。

 10月4日に行う「第1回大会」。昨年度まで町小学校体育連盟主催で行っていた「町小学校親善水泳大会」が、少子化や教職員の業務負担軽減などを理由に第51回で終了。「このままでは水泳に取り組む者の目標がなくなってしまう」と、第51回までの町大会記録を継承。町水泳史に残る最速タイムに挑戦できる環境を整え、同SS主催の「津南町親善水泳大会」として開く。「みなさんのチャレンジ、待っています」。参加は小学5年〜一般で受付。クアハウス津南℡025‐765‐3711。

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50年余振りに再発掘した「第1号長方形大形家屋址」は大きな関心を集めた(13日)

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未調査域からは復元可能な火焔型土器が出土するなど新たな発見も

 50年余ぶりに貴重な家屋址が表に出た。国指定史跡・沖ノ原遺跡。初めて発掘された昭和47年(1972)から月日が経ち、当時と現在で周辺環境が変わるなかで4年前から範囲確認調査を継続。今年は「雪国にこれだけ大きな家屋址が出るとは」と学会に衝撃を与えた「第1号長方形大型家屋址」を掘り出し確認。13日に行った第7次現地説明会で公開。縄文時代中期末葉(約4500年前)の縦10㍍、横4㍍の大型な家屋址に、参加者は目を奪われた。

 6〜7本の大きな柱跡が残る同家屋址。作られた当時は現在とほぼ同じ気候で、3〜4㍍の積雪があった。町教育委員会・佐藤信之文化財専門員は「これだけ大きく、深く掘っている柱跡は珍しい。初めて見つかったのは昭和47年の調査。この家屋址からは全国を見ても貴重なクッキー状炭化物が出土している」などと解説。同時に焼け焦げ炭化した板材も出土しており、床部分には焼土が分布しており「火事が起きたのか、燃やした時に残ったのかは不明だが、焼失した家屋と考えられている。ただ炭化した板材が出ること自体が珍しい」と話す。

 農地開発が進めらた時期に見つかった沖ノ原遺跡。江坂輝弥氏(当時慶応義塾大教授)を調査団長として発掘。53軒もの住居跡が見つかり、約5千年前〜4500年前の環状集落と判明。その希少性は全国で評価。発掘調査後は埋め戻し保存。津南町は遺跡出土地を町有地化することで守り、昭和53年(1978)に国指定史跡に認定。国費に頼らず町有地化し、のちに国史跡となったのは全国で沖ノ原遺跡だけという。なおこの環状集落は、現在の町なじょもん縄文村のモデルにもなっている。

 4年前から行う再調査。主な目的は遺物のカラー写真保存や正確な位置情報把握などを現在の技術で記録を残すこと。未調査域の調査も一部行い、昭和40年代調査では未発見の住居跡や復元可能と思われる火焔型土器の破片が見つかるなど、新たな発見も相次いでいる。佐藤文化財専門員は「江坂先生の調査では大型家屋址はビニールシートで保存、大きな柱跡はのちの調査のためにと半分しか掘っていないなど、後世に貴重な遺跡を残す決断をしている。調査で守りながら学べる環境を作っていきたい」。来年も調査を継続する。

​≫国際ロータリーインターシティミーティング、津南町で 緊急事態時の運営探る

​≫上沼道計画説明会 28日クロステン、十日町商工会議所が主催

​≫北京冬季五輪に意欲 宮沢大志選手、後援会から14回目の激励金

​≫タクシー乗ってぷらっと観光を 十日町市観光協会が3コース

≫地そばまつり内容変更 スタンプラリーで 

≫平和憲法守れ とおかまち総がかり行動、45回目街頭でスピーチ

≫秋の寄せ植え、愛好者が集う 人サポが開催

≫試してみて 三箇地区、移住体験ツアー10月

≫解散の振興公社備品問題 村議会に調査求める声も

≫台風災害対応を高評価 栄村消防団、内閣総理大臣表彰に

≫新成人限定切手シート 津南町

≫入居率は88.7%に アップルとおかまち 開設5年、さらに質の向上を

≫授業や大会、ボッチャ一色 川西支援学校やネージュが

≫プロ並みの熱戦、十日町で初開催 全日本軟式野球県予選

<新米ママ子育て日記452>「成長しています

<長月の表情>「あざやか萩色・秋風になびく」(十日町)・「時短で運動会・町内3小学校」(津南)

<本って最高・高橋しげ子212回>図書室のキリギリス」(竹内 真作、双葉社)

<野の花 不登校・ひきこもり達へのエール32回 樋口 清司>共に学ぶ喜び

<マイふぁみりー>「オレの名前はリュック、空を見るのが好きだぜ」石沢 太さん

<とっておきの私の山行小堺 和久さん 「永遠の刈羽黒姫山」

<ドクター恵美子のこころとからだの学校⑨「昼寝のすすめ、でも要注意」「1時間以上は認知症発症が増加

<私の名作めぐり・庭野三省275>『アンネの日記』アンネ・フランク 深町眞理子・訳⑦

 ほか

2020年9月19日(土)

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稲刈り最盛期。「長雨が降らないことを願うばかり」(16日、十日町市小黒沢で)

米減収3億円余、新コロナ直撃

コメ需要激変 十日町・津南町エリア、「今後のコメ事情は不透明」

 稲刈りシーズン真っ盛り。7月の長雨、8月の連日の猛暑で生育に影響が出て、8月下旬から「倒伏」が目立ち始め、この収穫時期になり、「みんな転んでいる」状態だ。だが、最新鋭コンバインは、そのベタ状態の稲を刈り取っていく。十日町・川西ではいまが最盛期。今週末には津南町の平場でも始まり、その後、山間地へと収穫が進む。だが、コメ作りにも新型コロナウイルスが大きく影響している。3月からの「営業自粛」で飲食店休業、当然コメ消費が減退し、その傾向がいまも続くなか、今期のコメ在庫事情は適正在庫といわれる180万㌧を超え、200万㌧を突破する見込みという。これはそのまま「米価」に影響する。このためJA系列では「仮払い金」を引下げる措置に出ている。JA十日町は前年1000円減、JA津南町は900円減。これを前年並みの集荷量で換算すると両JAで2億5千万円を超え、地域全体では3億円余の減額となる。これはそのままコメ生産者の減収だ。ただ両JAとも、今後の需給状況や収量、販売推移などを見て「追加払い」を行うため、実質的な減収幅は縮小するものと見られる。

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 JA十日町の今期の出荷予約数量は魚沼コシヒカリが14万863俵(60㌔)。同十日町の仮渡金はJA十日町扱いで1万6500円、前年比1000円減額だ。予約数量で単純換算すると約1億4千万円の減額となり、市全体の出荷量約25万俵と見た場合、2億5千万円近い減収となり、この数字はそのまま生産者の前年比の減収額だ。JA津南町の予約数量は7万4811俵(60㌔)で、同津南の仮渡金は1万6600円、前年比900円減額。町全体では9万5千俵前後に出荷量と見られ、同様に単純換算すると8550万円余の減収となる。このままでは両市町で約3億円の生産者減額になる見込み。

 ただ、JA系は今後の収穫収量やコメ販売需要状況により、生産者への追加払いを行うため、この生産者減額がそのままとなるわけではない。

 JA十日町に出荷するコメ生産者で土市・水沢地区で5㌶余りを作付ける50代生産者は、「今年は収量が多い。1反9俵ほどで品質もまずまずだが仮渡千円減額は痛い。新コロナで消費減や販売不振などマイナス要因はがあるが、生産者意欲のためにも昨年米程度の価格になってほしい」と話し、下条地区の70代の生産者は「少雪で水不足が心配だったが特に影響はなかった。ただ長梅雨によりほとんど倒伏し、コンバインが詰り刈取りが大変だ」と話す。JA十日町を7日からコメ検査を始め、14日現在で魚沼コシヒカリの1等比率は75%以上で、同十日町営農生活部では「現時点では品質は平年並みでやや小粒だが品質は良好。倒伏が多く、早め早めの収穫を」としている。

 大規模に稲作に取り組み、全収量の3割程度、約5百俵をJA津南町に出荷する津南町の60代の生産者は、「昨年から価格が下がる傾向を見せ、コロナ禍の消費減退でそれが急速に早まったようだが減額が厳しい。今後のコメ相場の見通しも厳しいだろうが、コメ価格をリードする魚沼米は市場を引っ張る銘柄であり、そこは頑張らなければならないし、流通にも感がってほしい」としている。JA津南町は17日からコメ検査を始めている。津南町は今後の需給状況や収量推移などを見極め支援策などを検討する方針だ。

 今期のコメ事情は、新コロナでこれまでの状況が一変している。JAが生産者からの買い上げ価格を減額しているが、売り先に対して同額を減額しているわけではない。むしろ減額の半額程度で販売交渉している。それは「コメの需給状況の先行きはまったく不透明」(JA関係者)の言葉通り今後、コメ市場は価格相場だけでなく、消費動向まで不透明なため、JAなど集荷業者は難しく、厳しいコメ需給状況の中での判断を迫られている。

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HACCP認証のJA十日町精米センター

国際認証HACCPを取得

JA十日町 魚沼エリア3カ所目、精米センター

 「より安全で安心な米を消費者に」—。JA十日町の米屋五郎兵衛精米センター(川西上野)が先月17日、妻有地域初の「精米HACCP(ハサップ)認定工場」の認証を得た。

 ハサップは食品の製造工程における「危害要因分析重要管理点」の略。精米ハサップは、製造工程で異物混入などの危険性と防止措置を予測・分析し、継続的な監視等で安全確保する管理手法で、精米工場衛生管理の国際基準で日本精米工業会が認定している。

 同センター内は「清潔区」「準清潔区」など4区画に分け、精米施設に入るには衛生用の着衣と帽子等を着け、手洗いと消毒をし、エアシャワーを浴びるなど衛生面を徹底。投入された玄米は精米して石を抜き、第1のCCP(重要管理点)では色彩選別機で茶色など色が付いた米を弾き飛ばし、第2のCCPでは金属検知器で金属的な異物を除去する。

 小海尚志センター長は「ハサップ導入前から行っている安全管理体制は同じだが、記録簿のチェック項目を増やし安全性を徹底した。同センター区画の往来の衛生管理は慣れるまで時間がかかるが、職員の意識を高め『これが当たり前』になるようにしていく」と話す。JA南魚沼と魚沼市・諸長がすでに取得している。

 同JAの志賀義雄常務は「当センターの機械的部分は最新鋭の機器を入れているが、人的部分の動きを管理するのが精米ハサップ。異物混入は一つでも減らす。ハサップという肩書は消費者に対して説得力が強い。商品にハサップ認定シールを貼るなどして、より安全安心な十日町産コシヒカリをアピールし販売に結び付ける」と強調した。

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堤防の頭を残し水没した津南町下足滝地区(2019年10月13日午前9時半頃)

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新堤防は田の半分ほどが消失(赤線までかかる)。住民は困惑を広げている(15日、同地で)

「ここに暮らす意味がない」

津南町下足滝、堤防3メートルかさ上げで

5世帯、水田半減、「集落移転も考える」

 昨年10月13日の台風19号による信濃川大増水で堤防損傷や越流により集落や田が水没した津南町下足滝地域は、堤防の災害復旧と並行して堤防のかさ上げ計画を河川管理する新潟県が進め、今月8日夜、地元足滝公民館で説明会を開いた。堤防かさ上げ計画はすでに地元説明を行い、この日は詳細測量の説明と用地関係について説明したが、現在の堤防より3㍍高くなり、それに伴い水田は半分ほど消失するため、地元民からは「このなくなる田で将来採れるコメも補償してくれるならいいが、田んぼが半分なくなっては、ここに暮らす意味がない」など、厳しい声が聞かれた。

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 台風19号水害で被害を受けた津南町エリアは上流域の千曲川流域と共に「信濃川水系緊急治水プロジェクト」に該当し、津南町は足滝から下流の割野まで約8・4㌔が整備区間。足滝は740㍍。同地は信濃川と集落の間に堤防(写真)があり、昨年の大増水では堤防の上部だけが残し一面水没した状態となり、民家も床上浸水。田はすべて水没。さらに堤防が増水で損傷し、復旧工事は来月完了に見込だ。

 県は昨年の水害から集落を守るために堤防のかさ上げを計画。集落説明では現在より3㍍余かさ上げすることで増水に対応できるとしている。さらに国道117号から集落に通じる「上郷橋」の架け替えも計画しているが、災害復旧と堤防かさ上げを優先している。

 説明によると新堤防は3㍍かさ上げし、現堤防から集落側に37㍍入る。このため田と県道、集落センターがエリアに入り、川側の水田は半分ほど消失、集落センターは移転、県道は山側にルート変更など、足滝の景観は一変する。県(十日町地域振興局治水課・用地課)の説明では「令和3年度には取り掛かり、令和6年には完成させたい」として、早々に詳細測量に入り、降雪前には取り掛かりたい方針だ。

 現堤防は川側に配水口が3ヵ所あり、これを下流側1ヵ所にし、逆流防止を備え、集落上流側の県道もかさ上げし、新堤防と同じ高さになるように山側ルートを新たなに開削する。これにより従来の増水時の県道から越流が防げるとしている。

 説明に対し住民から消失水田への補償などの要望が出た。「田が半分なくなる。そこで将来収穫できるであろうコメに相当する補償も受けられるのか」。県は「補償は用地に対するものだけ」と答えたため、住民からは「それではここで暮らしていく意味がない。半分の田ではコメの収量も半減。機械も使いづらくなる」など、堤防の必要性には理解を示しながらも、生活上の問題の大きさを訴えた。

 さらに住民からは「その堤防建設費を集落移転費用に回せないのか。高い堤防ができれば景観が一変する。このままこの地域を洪水時の遊水地にしてはどうか」など、堤防計画の発表時から出る意見だが、堤防で水田が半減する住民の中には、「本気で考えよう」とする声も出始めている。ただ県は、「そうした移転補償は国の制度にはないので、堤防建設への理解をお願いしたい」としている。地元津南町は、住民の声に対し「気持ちは分かるが、県が言う通り補償制度がない以上、堤防計画を進めることが水害から集落を守ることになる」としている。

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右側のモニター映像が全教室に流れた理孟都座

リモートで文化祭

十日町高校、新型コロナ対策で

 生徒と保護者、市民も楽しみにしている十日町高校文化祭の「南陵祭」だが、今年はコロナ感染予防で中止になった。しかし、同校では通信回線で結ぶ「リモート」に着目して「理孟都座(りもーとざ)南陵『技』の饗宴」を開催。同校同窓会が寄贈した電子黒板を活用して出演者が演じる二つの体育館と全18教室を結び、映像による画期的な文化祭を行った。

 演劇では教室の中は笑いと拍手が起き大ウケ。中止になった運動会で応援歌を知らない1年生のため「リモート応援練習」も実践した。総指揮を執った2年生の髙橋明莉生徒会長は「新生徒会になって初めての仕事が誰もしたことがないリモート。私も出演しましたが無観客のため反応が分からず緊張しました。全生徒にとって本当に良かった」と話していた。

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日比谷花壇上越店がアレンジした津南ユリ。しなの荘で27日まで飾る

日比谷花壇がしなの荘装飾

 新型コロナウイルス禍のなか、津南町の旅館女将と町ユリ切花組合(中澤政明組合長、15軒)が連携して初開催の「雪美人プロジェクト」その締め括りとなるユリアート展示が16〜27日から田中温泉しなの荘で開催中。津南産ユリ・カサブランカ130本と10種類余の植物を組み合わせたオリジナル装飾を設置。玄関、エントランス、大浴場前、二階踊り場の4ヵ所に飾った。今週末には開花し、見頃を迎える見込みだ。

 アレンジを担当したのは花き小売りなど手がける、創業70年で全国180店舗を展開する日比谷花壇の上越店。JA津南町が仲介し、今回の和風旅館でのフラワーアレンジメントが実現。冠婚葬祭での花装飾など手がける同店のスタッフ5人で行い、テーマ『荘厳華麗』をイメージし飾り付けた。福澤一郎リーダー(55)は津南産ユリ・雪美人を「この業界では津南産はクオリティが高くお歳暮やお中元など、大切な方に贈る贈答品として知られる。こうして産地朝採りのユリを使う機会は我々にとってもめったにない機会。みんな張り切りました」とにっこり。同館エントランスにはソファーを囲むようにアーチ形に設置。ライトアップもなされ、陽が落ちるとまた別の表情を見せる仕組み。鑑賞無料。会期中午前11時〜午後8時まで。

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発明工夫展十日町市長賞・庭野空さんの

「飲食店で食べたり飲んだりする時に使うフェイスシールド」

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発明工夫展津南町長賞・津端蓮さんの「ぬれないカサ」

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新型コロナ対策で市長賞

発明工夫模型展 フェイスシールドや濡れない傘も

 夏休みの力作を一堂に展示する第48回十日町市中魚沼郡児童生徒発明工夫模型展・第36回生物標本展が12日から3日間、千手中央コミュニティセンターで開かれた。出品数は発明工夫が196点、模型は256点など生物標本と合わせ629点を展示。想像力豊かな作品の数々に、訪れた人たちは「力作ばかり」と感動していた。

 発明工夫で十日町市長賞を受賞した庭野空さん(川治小5)の「飲食店で食べたり飲んだりする時に使うフェイスシールド」は、世界的な問題になっている新型コロナウイルス対策に着目。「世界の役に立てれば」と、フェイスシールドを付けたまま食事ができるように自由に曲がるコードを利用し、利き手側にはコードを空けて容易に食事ができるように考案した。また津南町長賞を受賞した津端蓮(津南小4)さんの「ぬれないカサ」は、雨の日に傘をさしてもランドセルやリュックがぬれてしまった体験から考案。カッパを傘に取り付け、傘カバーとしても使えるように工夫したアイデア作品。

 発明工夫の部を審査した吉井雅栄委員長(吉井国際特許事務所・弁理士)は「皆さんの才能に感動しました。コロナ対策発明も多々あり、また日々の困っていることを解決した発明もあり、日本の未来は明るいと感じた」と総評した。

 入賞は次の通り。

 『発明工夫』▼十日町市長賞「飲食店で食べたり飲んだりする時に使うフェイスシールド」庭野空(川治小5)▼津南町長賞「ぬれないカサ」津端蓮(津南小4)▼十日町市議会議長賞「まほうのメガネケース」三輪心春(西小1)▼十日町商工会議所会頭賞「種植えやすーい」齋藤煌(川西中2)▼十日町織物工業理事長賞「車でラクラクおきがえカーテン」小山愛心(津南小2)▼十日町農協経営管理委員会会長賞「これ立ってるんです。」小野塚奈々(津南小6)▼北越急行賞「スッキリハンド」三輪心花(西小5)▼地元新聞社賞「予定どけい」竹石紗夕(下条小4)▼十日町発明協会会長賞「お風呂もへっちゃら傷ガード」村山紗和(下条小6)▼十日町市理科教育センター所長賞「楽々! つめかえ箱」村山颯真(松之山小6)■学校賞=下条小、水沢中

 『模型』▼十日町市長賞「ダンボール製・火焔型土器」高橋姫蘭(千手小6)▼津南町長賞「感動の苗場山」金澤大輝(津南小6)▼十日町市議会議長賞「日本遺産『十日町ストーリー』」石澤正義(水沢小4)▼十日町商工会議所会頭賞「木の広場とヘリコプター」小海楽空(吉田小6)▼十日町織物工業理事長賞「トノサマバッタの模型」山田広夢(貝野小4)▼十日町農協経営管理委員会会長賞「2年生の時、みんなと行ったせっき市」村山風華(中条小3)▼北越急行賞「だっぴする家」若井謙成(松代小5)▼地元新聞社賞「芯ライオン」石沢暖(千手小4)▼十日町発明協会会長賞「ビーズの木」水落まお(鐙島小3)▼十日町市理科教育センター所長賞「秋の縄文」小川史桜(貝野小6)■学校賞=千手小

 『植物標本』▼優秀賞▽下学年「植物標本」夏井里奈(西小2)▽上学年「十日町市松之山の植物〜田んぼため池周辺の植物〜」小林茜里(松之山小4)▼その他標本の部▼優秀賞▽上学年「中津川の岩石の標本」石田岳大(芦ヶ崎小5)■学校賞=西小

 『観察記録』▼優秀賞▽下学年「すてきはっけん!つまりの里山しょくぶつマップ」小山ひかり(中条小2)「アゲハチョウのようちゅうのけんきゅう」池田音彩(松代小1)▽上学年「ツバメの観察日記」小堺晴希(十日町小4)「カプセルのはね返り方」加藤海夏(同6)「十日町市松之山の在来・外来タンポポの分布」小林茜里(松之山小4)▽中学「グラスハーブの研究」丸山彩奈(川西中3)

模型展十日町市長賞・高橋姫蘭さんの「ダンボール製・火焔型土器」

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模型展津南町長賞・金澤大輝さんの「感動の苗場山」

​≫10月31日二尺玉一発、厄除けに 津南の若者たち、賛同呼びかけ

​≫交通安全表彰 十日町地区、14個人団体

​≫山岳遭難者の救助を 無線の共有化、県警ヘリも

​≫「脱皮する家」、驚異の力作 大地の芸術祭、松代小5年生

≫下条蟹沢観音堂は江戸時代後期 上教大教授らが鑑定 

≫文具女子博に滝沢印刷「雪彩」 ご当地インクをPR

≫相談続々、成年後見制度を NOP十いろ、放課後等デイサービス開設も

≫一斉に稲刈り、FC越後妻有と 松代小5年生

≫危険いっぱいネットに注意 街頭でアピール

≫通学支援を示唆、津南中等校存続で 桑原町長、来月具体策を、中学過程対象に

≫教育新委員に板場麻実氏が 来月1日就任

≫たこやき太郎、引継ぎ再オープン 栄村の月岡さんが

≫県境地で決戦 ゲートボール・第2回村老人クラブ連会長杯

≫敬老の日 最高齢・鈴木キヨさん108歳 十日町市100歳以上は72人

≫第12回魚沼地域親善陸上大会・小学生 結果

≫津南町9月議会一般質問概要

<新米ママ子育て日記450>「娘『男はね…』

<長月の表情>「秋が来た・ソバの花咲く」(十日町)・「8段のはぜかけ・消えつつある風景」(津南)

<本って最高・高橋しげ子212回>「囚われのアマル」(さ・え・ら書房

<マイふぁみりー12>「アマガエルのばじるくん」山田 優作さん

<とっておきの私の山行桑原 志穂さん 「山好き仲間、最高」

<私の名作めぐり・庭野三省275>『アンネの日記』アンネ・フランク 深町眞理子・訳⑥

 ほか

2020年9月12日(土)

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PCR検査機器を設置する町立津南病院。当面は緊急対応用として活用

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新コロナ対策を語る桑原町長(9日、会見で)

「不安払拭」、PCR検査​機を独自設置

​町立津南病院

当面は緊急対応、国の検査充実に備え補正予算化

 新型コロナウイルスの感染拡大が広がるなか、国はPCR検査を「医療機関、かかりつけ医」で受けられる検査体制の充実方針を打ち出し、今冬前にも実施方針のなか、地域住民の感染への不安感を払拭し、緊急的には「自前検査」ができる体制を津南町が整える。10日開会の町議会9月定例会に桑原悠町長は「PCR検査機器購入」を含む、町立津南病院で対応する「発熱外来等医療提供体制」の充実で1615万円を、町立病院会計補正予算に提案している。桑原町長は「国や県、保健所の方針に沿いつつ、緊急的な場合に備えると共に、国が進める検査体制に即応できるように準備を進める。町立病院を持つ自治体だからこそできること」としている。魚沼エリアでは魚沼基幹病院や十日町病院でPCR検査機器の整備が進むが、市町村での整備は県内でも稀で、人口9300人規模の自治体では全国的にも先駆けと見られる。ただ設置時期は未定だが、住民の新コロナ感染不安に対して、町が率先しての取り組みに大きな関心が集まっている。

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 津南町が補正予算で設置をめざすPCR検査機器(全自動遺伝子解析装置・高感度検査機器)は、町立津南病院内の「感染症対策委員会」で林裕作院長はじめ医師、医療スタッフらの協議で設置を決め、補正予算化した。導入するPCR検査機器は献体(唾液)採取し機器で検査し、約1時間後に結果判明する。今年夏に一般化した最新機器という。計画では3台購入(約100万円)し、同時に医療スタッフの感染予防の安全キャビネット、防護服などを揃える。

 さらに今年春の感染拡大時に町立津南病院玄関脇に設置の「発熱外来」をさらに充実し、受付用コンテナハウス借上げ、待機場所整備なども盛り込み、病院内のトイレ・手洗所の改修、清掃業務委託など予算補正し対応している。

 自治体独自のPCR検査機器設置に取り組む桑原悠町長は取材に答え、「国や県、保健所の指導と方針には沿いつつも、緊急的な場合に備えPCR検査機器の整備に取り組む」とする。ただ、「一般的な検査は国や県の方針を待つ状態だが、緊急的に必要な場合、医師の判断で検査ができる事によって、住民の不安感を払拭できる。そのための検査体制の充実でもある」と話す。国は今後、保健所を通さずに地元の医療機関やかかりつけ医によるPCR検査の実施方針を示しており、今冬前か年度内は具体化するものと見られる。今回の津南町のPCR検査機器の配備は、国の方針を視野に入れた先駆け的な医療体制の充実として関心を集めている。

 今回の津南町の補正予算では国が都道府県に交付の「新型コロナウイルス緊急支援包括交付金」を県経由で受け、医療関係者1人20万円給付を予算化している。町立津南病院関係で171人が該当し、総額3420万円を計上している。

 さらに町内集落への新コロナ対策支援も行う。集落単位(79集落)の申請に基づき、感染予防に関係する施設修繕や備品設置などを財源支援する。集落公民館での避難所開設など想定し、必要資材(段ボールベッド、間仕切りパーテーション、消毒液、体温計、テントなど)、さらに施設改修(トイレ洋式化、空調設備改修など)を交付金支援する。交付額は均等割1集落10万円、世帯数割(1世帯5千円、世帯数を交付)、全体で2540万円を予算化する。一方、町全体では新コロナ感染予防の飛沫防止パーテーション・消毒液・非接触体温計、さらに避難所用簡易ベッド・間仕切り・スポットクーラー・テントなど約1943万円で整備する方針だ。

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ジワリと人気の火焔型土器ペンスタンド(左が笹山遺跡出土、右が堂平遺跡出土)

レアな縄文グッズ、人気じわり

木製ペンスタンド、山崎喜久一郎さん工房

組み立て式のクラフト感、国宝・重文参考に

 〇…ここでしか買えない縄文グッズ—。組み立てペンスタンド「縄文火焔型土器」がこのほど販売開始。十日町市博物館では国宝出土の笹山遺跡の火焔型土器を題材にしたもの、津南町なじょもんでは国重要文化財指定を受ける堂平遺跡の火焔型土器を描いた木製ペンスタンドをそれぞれ販売中。高さ10㌢余で、19パーツ自分で組み立てるため知育にも役立つ、新たな縄文グッズ。ジワリと人気が出ている。

 〇…製作は休憩スピーカーや木工品製造販売の「Kikko Craftキッコクラフト」(山崎喜久一郎代表、十日町市荒屋)。これまで勾玉キーホルダーなど作り両館で販売。学芸員との会話のなかで「作って学べる知育的なものは作れないか」との相談を受け構想。2ヵ月余試行錯誤を重ねて完成。山崎代表(62)は「7世代ぐらい改良を重ねできた。作りやすさ、ペンの取りやすさなども意識した。それぞれの施設でしか買えない手作り品なので、手に取ってみて下さい」。

 〇…特徴ある火焔型土器の紋様、4つの隆起した鶏頭冠などは出土したオリジナル土器の重要な要素を抜き出しデザイン化。「じっくり造形を見て約5千年前の縄文人が何を思い火焔型土器を作ったのか考えながらデザインした。同じ信濃川沿いに暮らす自分が、5千年過ぎて今また同じ紋様を使い作品を作るというのは不思議さを感じたよ」。ペンスタンドは各800円(税込)で販売中だ。

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参加各店が創意工夫した「おら丼」

「おら丼」で食発信

十日町青年会議所 コロナ対策、20店舗で

 会員の資質向上と社会貢献を目的に活動する十日町青年会議所(福嶋照彦理事長・会員28人、JC)では、新型コロナ対策支援の第3弾として『おら店のおら丼〜地域の食発信事業〜』を実施すると3日発表した。

 JCはコロナで経営が厳しい飲食店を応援しようと妻有地域の食材を一品以上使ったおら丼の販売を提案し、市内20店舗が提供を始めた。福嶋理事長は「おら丼がコロナ禍で大変な飲食店への支援になるのではと検討を進めた。まずは地域の皆さんから食べてもらい、コロナが収束したら、妻有の食を目的とした来訪につなげたい」と話していた。

 担当の重野敦志社会開発委員長は「おら丼をスマホで撮影してSNSに投稿し、食後はテーブルに置いてあるQRコードを読み込んでアンケートに答えていただき、それを改善につなげたい。食べた人自身からおら丼を発信してもらうのが一つの狙い。コロナ後は地産『来』消になれば」と言う。参加店にはノボリとポスターが掲示してあり、JCでは今後も取扱店を増やしていく予定。詳細はホームページ「おら丼」で検索。

 大黒沢のブルームーンはつなんポークと自家製野菜、地元米を使ったおら丼。宮澤昌文シェフは「業態が違う各店が一つの方向に進むのは難しいのでJCの提案はありがたく、発売以来大好評。妻有には美味しい食材が多い。県内外に広めて来年の大地の芸術祭を迎えたい」と期待していた。

 なお、JCではコロナ対策として十日町市中魚沼郡医師会へ自動検温のサーマルカメラを、十日町と津南の全保育施設へ感染予防のニトリル手袋を寄贈している。詳細はホームページ「おら丼」で検索。

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JR宮中魚道にサケ捕獲調査取水ダム用のトラップを設置(10日朝)

サケ、戻ってこいよ

JR宮中魚道 11日から調査開始、11月10日まで

 サケ、いっぱい戻って来いよ—。JR東日本はサケ捕獲調査のため10日、JR宮中ダム魚道に捕獲調査用トラップ(ウライ)と自動計測装置を魚道上流側に設置した。大水でもトラップが土砂に埋まったり、押し流されたりなどの被害を受けないよう一昨年からトラップの設置場所を変更し、上流側に設置している。

 宮中取水ダム試験放流検証委員会は3年前に終了したが、サケの遡上調査を含む同ダム下流の水環境のモニタリングは継続。さらにサケが西大滝ダムを遡上する数が極端に少ないことから、西大滝ダム下流水環境調査検討会を設置し調査を進めている。

 今回設置したトラップは、幅2•6㍍、奥行2•4㍍、高さ6•4㍍の大型魚道用2基と小型魚道用1基の合わせて3基。例年同様今月11日から11月10日まで遡上調査を行う。捕獲による遡上確認数は、全国的に豊漁だった平成27年は宮中ダムで1514匹、西大滝ダムでも12匹を確認したが、最近は毎年のように大水の影響があり、昨年10日以上中断し宮中ダムで430匹、西大滝ダムは6匹だった。サケの稚魚を放流している中魚漁協の村山徹組合長は「今春は52万匹を放流している。1500匹ほどは戻ってきてほしい」と期待している。

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イノシシ撃退に点滅式イルミネーションと大音量音楽を流す実証実験を行っている(9日)

ロックとフラッシュで防獣

津南町辰之口 斬新なイノシシ対策

 山間ナイトクラブで鳥獣撃退—。近年、妻有地域でもイノシシなど獣害が多発。収穫前の水田が荒らされるなど被害が相次ぐ。対策は電気柵の設置が一般的だが、津南町三箇地区の水田で特色ある鳥獣撃退策が取られ話題だ。谷間で人がいない約1㌶の水田に、点滅式のLEDイルミネーションとフラッシャーランプ(ストロボ)を設置。さらにスピーカーでノリの良い大音量のロックサウンドを響かせている。電気もない暗闇のなか光るイルミと音楽。不思議なディスコ空間を生み出している。

 この水田は小野塚正直さん(72、辰ノ口)が耕作。8月のお盆過ぎにイノシシが出没し始めたのを確認。夜行性のため夜の見回りを重ねるが対処できず、親戚の電気工・コバデン(十日町市)に相談。同社の小林正夫代表が考案したオリジナル鳥獣対策を試してみた。小野塚さんは「8月下旬に設置したが、それ以降イノシシは出ていない。光と音が賑やかで、見た人はみんな驚くけど、撃退効果はあると思う」と安堵。小林代表は「人里離れた圃場なので騒音の心配もなく実証実験ができた。電気柵と違い危険性も安価な設置費用で済む。困っている方がいれば相談してほしい」と話している。

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真夏の天候となったなか、綱引きに全力を出す生徒たち(5日、水沢中体育祭で)

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真夏の太陽のもとで体育祭を楽しむ中学生たち(十日町中で)

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「闘志」をスローガンに開いた南中の体育祭

躍動、コロナ吹き飛ばす

十日町・津南 中学校で体育祭

 〇…ギンギンと照らす太陽の陽を浴びながら、生徒たちが躍動した—。新型コロナ禍で様々な活動の自粛を余儀なくされているなか、中学校の体育祭が5日、市内各校で開かれ、生徒たちの歓声がグラウンドに響いた。

 〇…水沢中(山本俊介校長、生徒122人)では、『Flower〜たくさんの笑顔を咲かせよう』をスローガンに開催。新型コロナの影響で地域交流種目は中止されたが、全校リレーや綱引き、たたみで運びリレーなど9種目を行った。「コロナで体育祭が開けないかもと心配したけど、開く事ができてよかった」と生徒たち。スローガン通りの笑顔が広がっていた。

 〇…「新型コロナ禍でも体育祭ができてうれしい」。台風の影響で真夏の天候となった5日、十日町市の多くの中学校で体育祭を開催。生徒たちは夏の日を浴びながらリレーや交流種目にさわやかな汗を流した。

 〇…各校とも感染症対策として地域交流種目などは中止。それでも人気のリレー種目では全校や学年、選抜など工夫して行い、歓声のなか力走していた。なお、一般参加者は生徒の家族に限られ、グラウンド入口で『検閲』、除菌剤による感染症対策も行った。下条中体育祭実行委員長の上村芽衣那さんは「コロナで体育祭がやれないかもしれないと思っていたので実施できて本当によかった。生徒は相手の軍にも声援を送っており、嬉しく楽しかったです」と笑顔を見せた。

 〇…スローガン『限界突破〜止まるんじゃねえぞ! 津南中』にふさわしい熱戦を展開した。創立51年目の津南中学(関谷郷志校長、144人)の体育祭は5日に開催。今年はゴリラがモチーフの赤・豪炎猿(ごうえん)軍(清水明彦団長)とクジライメージの青・蒼鯨海(そうかい)軍(村山晏団長)に別れ決戦。それぞれの軍は生徒デザインのお揃いTシャツを着て統一感。晴天の中で光る汗を流した。新型コロナウイルスの影響で行事に来賓など呼ぶことはこれまで控えていたが、体育祭は野外開催と言うこともあり通常通り招待。保護者と共にグラウンド入場時に検温など実施し対応。体育祭は両団長が「コロナ禍で様々な制約があるなか、体育祭の準備をして来ました。今年はコロナを吹き飛ばす、全力のパフォーマンスをしていきます」と大声で宣誓。密接する状況を減らすため大玉送りや騎馬戦などは行わず、借り人競争やサッカーのドリブルなど組み合わせた「4つの壁を乗り越えろ!」(3学年種目)など、新たな種目を導入。いつもと違う体育祭を全力で楽しんだ。

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工夫を凝らした競技で盛り上がった下条中体育祭

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新型コロナを吹き飛ばすかのように盛り上がった津南中学体育祭(5日)

​≫文化芸術スポーツ活動復活を支援・十日町市 新型コロナ対応、上限30万円補助

​≫指定避難所も感染予防 私立保育園に予防支援・十日町市 補正3190万円で

​≫発達障がい児童、作業療法体験も たかき医院、今月24日

​≫50年ぶりの泥上げ 中条地区、高龍神社・弁天池で

≫本物に囲まれ土器づくり 縄文カレッジで体験

≫巫女の舞、仁和加も 川西・千手の祭礼で

≫地元応援募金で41万円を寄贈 明治安田生命が

≫子ども入院費無料化 津南町、10月1日から

≫大地の芸術祭で「学び」 津南中等校、先輩もサポーター参加

≫「さらに魅力を伝えたい」 森宮交通、独自にドライバー研修

≫空き屋155軒、年々増加 栄村 バンク登録で活用策探る

≫火焔のルーツを探る、千曲川・信濃川の縄文文化の変遷 なじょもん企画展

縄文シンポ、火焔前夜は10月24日津南で

≫森山、俵山、山岸が大会新・県選抜高校陸上

≫十日町市9月議会一般質問概要

≫栄村9月議会一般質問概要

<新米ママ子育て日記450>「それぞれの字です

<本って最高・高橋しげ子211回>「ことばハンター 国語辞典はこうつくる」(ポプラ社

<マイふぁみりー12>「僕は保護犬」高橋 佐知子さん

<とっておきの私の山行桑原 志穂さん

<眉子のちょっと気になる>「アベノマスク、マスク美人、五輪マスク?」

<ドクター栄美子のこころとからだの学校8「疲労物質蓄積は慢性的な体不調に」「『幸福のホルモン』セロトニン」

<私の名作めぐり・庭野三省275>『アンネの日記』アンネ・フランク 深町眞理子・訳⑤

 ほか

2020年9月5日(土)

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UPZ圏8市町議員、周辺議員ら51人で研究会結成。来年5月の安全協定実現をめざす(30日、見附市中央公民館で)

原発30キロ圏も事前了解権を

柏崎刈羽原発

十日町市議6人参加、UPZ圏市議の参加促す

 柏崎刈羽原発の再稼働など申請許可事項の「事前了解権」を原発から30㌔圏(UPZ)まで拡大する新たな安全協定締結をめざす圏域8市町の議員による「研究会」設立総会を30日、見附市中央公民館ホールで開き、呼びかけ代表の関三郎見附市議(自民見附支部幹事長)は「安全協定締結のハードルは高いと思うが、地域の人たちの同意を得ながら取り組み、各市長や町長と交渉し、実現をめざす」と決意を語っている。同研究会は来年5月末を目標に協定締結への取り組みを進める。来月11日には第1回の研究協議会を開く計画だ。

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 設立総会時点はUPZ圏内の8市町から43人の議員が参加。小千谷市4人、十日町市6人(太田裕子、小野嶋哲雄、樋口利明、小林均、滝沢繁、鈴木和雄)、燕市4人、長岡市6人、見附市8人、上越市7人、柏崎市7人、出雲崎町1人。このほかオブザーバー参加議員は三条市1人、新発田市2人、南魚沼市1人、新潟市2人、津南町1人(小木曽茂子)、上越市元市議の8人が参加し、総参加数は51人となっており、今後も随時参加を募る方針だ。

 柏崎刈羽原発の安全協定は所在地の刈羽村・柏崎市・新潟県の3自治体と東京電力が締結しているが、UPZ30㌔圏自治体は再稼働事前同意の了解権はない。このため結成した研究会は今後、8市町住民へのアンケートや市長町長との懇談会や要請活動を行う方針で、来年5月末を目途に活動を進める。

 会長に就いた見附市・関三郎市議は、地元自民見附支部幹事長であり、「自民や非自民など関係なく、政党を超えて住民第一を考え、原発と向き合う活動を行い、新たな安全協定締結の実現をめざす」とする。副会長に就いた十日町市・太田裕子市議は「十日町市でUPZに入る地域の住民代表である市議からは、この研究会に参加し、問題意識を共有してほしい。原発に対する地域住民の意識はとても高いはず。地元の皆さんがぜひ地元市議に声をかけて頂きたい」と参加を呼びかける。

なお、研究会設立総会には東京新聞など国内マスコミ15社ほどが取材に入り、高い関心を示していた。

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講演する村上達也・元東海村長(30日、見附市で)

「3.11で周辺地も主体者に」

村上元東海村長

東海原発20キロ圏6市町村で安全協定締結を語る

 東海第二原発(日本原電)の再稼働など「事前了解権」を盛り込んだ安全協定を原発所在自治体・東海村の呼びかけで周辺20㌔圏の5市を含む新たな安全協定締結を実現した元東海村長・村上達也氏。先月30日、柏崎刈羽原発の30㌔圏(UPZ)の8市町の議員で立ち上げて「研究会」で講演した村上氏は「原発行政にくさびを打ち込むことをしないと、安全性はとても担保できない」と、東海村長の体験から厳しい口調で訴えた。

 講演で村上氏は、3・11東日本大震災後、その年の10月の水戸出張の時、「車窓からの家並みと福島の無人となった風景が重なり寒気がした。この時、安全協定の範囲拡大を決意した」。「当然ながら、東海村が受けていた電源交付金の独り占め放棄も決意した」。2011年11月に6市村首調懇話会を立ち上げ、翌2012年2月「原子力施設所在地首調会議」を発足し、村上氏が2013年村長退任後も後任が継承し、2018年3月、6市村と日本原電で「安全協定」締結し、原・日本原電社長の「一つの自治体町でも反対があれば再稼働しない」を確約させている。

 講演での村上氏の言葉を紹介する。

 「新たな安全協定の実現でカギを握っているのは、柏崎市と刈羽村であると私は思っている」

 「避難計画策定を30㌔圏UPZに義務づけを拡大したことは、これまでの原発事故を取り巻く環境を変えたことであり、当然、安全協定の中身も締結するエリアも見直していくべきだろう」

 「これまでの安全協定は3・11フクシマ事故前のことであり、このレベルの原発事故が国内で発生した重大性をしっかり考えるべきであり、直接関係する住民は、もはや黙っているわけにはいかないということ」

 「これまでの原発行政にくさびを打ち込むことをしないと、安全性はとても担保できない」

 「新潟県のいまの安全協定は茨城の前の安全協定より誠に貧弱だ。いまの安全協定は周辺自治体が入る余地がないものだ。そこを考えるべきだ」

 「東海原発の30㌔圏周辺自治体との安全協定締結の実現は、立地自治体・東海村の村長が呼びかけているのに、他自治体が応えないのは、その住民が認めないという雰囲気があったので、実現には苦労はなかった」

 「避難計画というものは自治体のトップが責任を負うこと、その自覚が薄い。新コロナで新たな環境になったわけで、新コロナに対応した避難計画が求められているおり、まだどこも新コロナに対応した避難計画はできていない」

 「地方分権意識、自立意識と原発避難計画の存在はリンクしている。住民の命を守るのは、自分たちの自治体意識そのものであり、国や県の仕事などと言っているのは、何を言っているんだということだ。自治意識の欠如も甚だしい」

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参院選で来市した安倍首相。3千人に囲まれた(2016年7月5日、クロステン前で)

後任選びに賛否、安倍辞職で

選挙近づく、オール野党に関心

 7年8ヵ月の憲政史上最長の政権担当した安倍晋三首相は、健康上の理由で任期途中での辞職が決まり、今月14日には後任が決まる。二度目の任期途中の辞職、それも健康上という同じ理由での途中辞職となり、未解決事案を抱えながらの途中辞職を、妻有の関係者はどう見ているのか。政党関係者に聞いた。

 十日町市の自民党支部長は尾身県議であり、その政党活動グループの十日町市議会・自民党市議の会の遠田延雄代表は話す。「病院に行き始めた時、そろそろかなぁと感じた。次期総裁選びは結局、党員投票を行わないで選出することになったが、本来は党員投票を行い、しっかりと選ぶべきことだろう。それが自民党員以外の一般の人たちへの理解を深めることに通じると思う。次期総裁は任期1年であり、選ばれた方で衆院総選挙を戦うことになる。今後誰が選ばれるか分からないが、世論の声や動きが影響するかもしれない。今後の動きを注視していくが、暮らす人たちのことを第一に考えてほしい」。

 一方、これまで知事選・参院選・衆院選で野党共闘で実績をあげ、『十日町方式』と県内でモデル共闘になっている「オール十日町・津南 平和と共生」の富井のぶ子事務局長は厳しく見ている。 「一度ならず二度も健康理由での辞職はあってはならないこと。7年8ヵ月の自民安倍政権は、自分たちの事だけを考えた政権ともいえ、それが市町村レベルまで蔓延してしまった政権でもある。地元市町の自民議員の日ごろの言動を見れば一目瞭然だ。市民のため、町民のための動きが見えない。安倍さんは辞めるなら、これまでの問題をしっかり説明し、責任があるならあると明確にして辞めるべきだ。うやむやのままの辞職は許されない。次期候補とされる3人は帯に短し襷に長しだ。苦労人の菅さんが、これまでの政権のあり方をどう見直し、その反省の上で取り組めるかを見たいが、当面は安倍路線の継承になるだろう。その意味でも次の衆院選は梅谷一本で臨み、議席を奪回する」と厳しい。

 一方、安倍政権の側近、高鳥修一副大臣に近い自民津南支部・上村芳男津南支部長は話す。「安倍総理の辞職は残念だ。健康上の理由なら仕方ない。国民のことをいろいろと考えてくれた人であった。そのすぐ側で支えてきた菅さんに次は担ってほしい。いろいろ言われているが人柄は良いと感じる。これまであまり前面に出なかった農業政策に積極的に取り組んでほしい。高齢化する地域農業の将来は厳しい。政策的な支援策を打ち出してほしい」と期待する。

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星峠の棚田でリモコン式草刈機を操縦、実証試験に取り組む石塚さん

棚田農業の労力削減を

スマート農業 星峠と三ケ村で実証実験

 農業者の高齢化が進んでいるなか、棚田など中山間地農業における作業の軽減をめざす農林水産省の「スマート農業実証プロジェクト」が十日町市の星峠・まつだい棚田バンクとふれあいファーム三ケ村の2か所で行われている。AI(人工知能)やIoT(通信接続機能)などの先端技術を活用、棚田などで労力を削減できる農業をめざす。

 同プロジェクトには、全国144地区から応募があり、うち52地区が採択。十日町市では「棚田地域の多様な条件不利圃場におけるスマート農業技術を活用した持続可能な営農技術体系の実証」がテーマ。鹿島建設環境本部を代表機関に県や市、生産者は「ふれあいファーム三ケ村」と「まつだい棚田バンク」で取り組む。対象面積は合わせて19・6㌶で今年と来年の2年間、実証試験を行っていく。

 実証試験の概要は1日、星峠の棚田で行い、自宅などに居ながらパソコンで田んぼに水を引くことができる自動給水装置や水温・水位監視システムなど実際に操作しながら紹介。またリモコン式草刈機の実演では、田んぼの畦に生えた草を指先で操作するだけで機会が次々に刈って行った。

 このほか作業者見守りシステムやドローンによるほ場高低差把握・農薬散布などもある。ただ課題は各システムの価格。水管理関係のシステムは1式100万円ほどで他に通信費なども加わる。またリモコン式草刈機は1台約130万円と高額だ。生産効率の悪い棚田米生産者にとって簡単に手を出せるような価格ではない。

 実証試験に取り組む越後妻有里山協働機構の石塚康太さんは「最新技術の機器は、農作業に取り組む女性や高齢者のサポートになると実感。大いに助かります。課題は価格だけ」と話し、市農林課の高橋洋一係長は「システムの普及で価格は下がってくるだろう。今年の実証試験を元に、さらに来年は課題点の改善に向け取り組みたい」と話している。

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より良い保育をすすめる町民の会と桑原悠町長、根津副町長、桑原教育長の町三役と意見を交わした懇談会(27日、町文化センターで)

「保育園猛暑」、エアコン間に合わず

町民の会懇談会 9月補正予算化、設置は秋以降に

 少子化や待機児童対策、さらに保育環境の整備で町立保育園の再編統合を進める津南町。3月議会で町中央部の「ひまわり保育園」増築予算を可決し、実施設計に入っているが、「保育園の大規模化は新コロナ感染対応や津南らしい保育とは相いれない事業。大規模化は見直すべき」と住民グループが署名活動し、これまでに3千5百人に迫る署名が集まり、すでに桑原町長に提出している。先月27日には同グループと町三役との懇談会を開き、住民グループは改めて大規模化の見直しを求めたが、町側は「すでに議会議決されている。保育環境の整備を進める」と計画通りに進める方針を示した。住民グループは来週10日開会の町議会9月定例会に住民請願を提出する方針だ。

 住民グループ「より良い保育を進める町民の会」(大島知美代表)はこの日までの署名234人分を桑原町長に手渡し、署名総数は3391人になっている。懇談会では「この猛暑のなか、保育園は大変な状態にある。9月議会でエアコン設置の予算をあげるようだが、この猛暑に間に合うのか。あまりにも対応が遅すぎる。現場を見ているのか」など、連日30度超えの猛暑対策など保育園環境の悪化を指摘。町からは桑原町長、根津副町長、桑原教育長が出席し、「9月定例会にエアコン設置予算を提案するが、実際の設置は早くて10月か11月頃になる」として、全保育園の室内ホールなどに設置する方針だ。

 さらに住民グループは「これだけの署名が集まり、住民の声が出ているなか、一端立ち止まって、しっかりと津南町の保育のあり方を再度検討する時間が必要ではないのか」と計画を凍結し、再考の必要性を迫った。桑原町長は、保育園の増築を求める声などを紹介し、「町議会で可決したことを進めるのは行政の責任である。議員の皆さんは町民の代表でもある」と計画通り進める方針を繰り返した。

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新型コロナ感染拡大で関心を集めるオンライン学習体験も行ったオープンスクール(29日)

前年1.5倍の270人、進学率に関心

県立津南中等教育学校 

オープンスクールでオンライン学習体験など

 県立中等教育学校の今後のあり方が県行政の課題に上り、津南中等教育学校と佐渡中等校が「閉校」の候補となり、地元の反発で県方針は撤回されたが、依然として今後の見通しは不透明。このなか先月29日、津南中等校はオープンスクールを開き、前年の1・5倍、小学生と保護者含め270人が訪れ、大きな関心を示した。事前に学校が小学校に出向き説明会を開く一方、同校PTAも参加を呼び掛けるなど学校ぐるみの活動が奏功した形で、同校では「このまま年末の志願に結びつくといいのだが」と期待している。

 オープンスクールは毎年夏休み末に実施し、今期は新コロナ対策を取りつつ、同校の学習内容や授業参観、理科や音楽などの体験授業、さらに部活動見学も実施。小林英明校長は「県教委の募集停止の方針はとてもショックを受けたが、学校あげて津南中等校の良さをアピールし、その成果がこの参加数につながったのでは」と見ている。さらに東大現役2人合格、高効率大進学率50%以上、新潟県内高校で国公立進学全県3位など確実な実績を上げていることなど津南中等校の情報が広まった要素もある。

 津南町外からの通学が課題の同校。地元津南町の対応が注目されていたが、具体策は間に合わなかったが桑原町長がメッセージを寄せ、『遠方からの通学への支援を検討しており、学校支援組織の立ち上げも検討しており、皆さんが学びを深めるお手伝いをします』と当日参加者に届けた。具体化を進めており、今後町としてどう支援するか関心が集まる。

 町外からの参加者の親子は「津南中等の大学進学率の高さと実績には関心がありますが、通学を考えるとちょっと考えてしまします。他の親たちも通学が課題を話しています」などと話し、やはり通学の課題を上げているが、津南中等の進学実績などへの関心の高さを示している。

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新型コロナ感染拡大で関心を集めるオンライン学習体験も行ったオープンスクール(29日)

「楽しさ」アピール

津南中等生徒会が紹介

 『夢の実現』を校是に中学高校課程を6年かけ学ぶ県立津南中等教育学校(小林英明校長、330人)。昨年の1・5倍余の児童・保護者270人余が参加した先月29日のオープンスクール。この日は全学年の授業参観、県内でいち早く整備したオンライン学習体験、さらに遊びを通し教科に関心を持って貰う体験授業など行った。参加した十日町市の川治小学校生は「実際にどんな授業をしているか見たくて来ました。みんな集中して授業を受けているのが印象的です」。津南町の上郷小学校生は「姉が中等に通っていて楽しそうに話をしてくれて興味がわき来ました。部活もいろいろあるので面白そう」。参加者は津南中等校の雰囲気の一端を味わった。

 参加者数が多く一番最初に行ったオリエンテーションは校内4会場をオンラインで繋ぐなど、ICT活用に積極的な同校らしい姿があった。生徒会による学校説明では、3学年時の京都・大阪の修学旅行や4年時のニュージーランド海外研修、体育祭など学校行事を中心に母校の魅力を紹介。時折りクイズを混ぜるなどし工夫。生徒会長の5学年・石澤真優さんは「勉強ばっかりのイメージがありますが、そうじゃないというのを伝えたくて。自分たちがこれまで経験した楽しい学校生活を感じて貰えたら。中等だからと言って身構えず入学してほしいです」と願いを話した。なお生徒作成の学校紹介ビデオは同校ホームページで公開中だ。

≫県立中等校のあり方検討、来年2月に方針 来週10日に第1回検討会、委員10人で 

​≫いつもと違う夏・写真レポ

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≫「川の楽しさを伝えたい」地元ラフティングガイド・風巻さん

≫親子で賑わう場、旧中津保育園 協力隊・照井さん事務所に

≫県内限定100人余が競う・津南ローラー大会

≫松代勢が健闘・中越地区陸上記録会

≫逃げ場失う水害、早めの避難を 髙橋洋一さん・9年前に晒川氾濫、肩まで泥水が

≫世代を繋ぐバトンリレー 津南町・笹沢会、2歳から71歳40人余でハーフマラソン

≫<新米ママ子育て日記449>「咲き続ける朝顔」​

≫<長月の表情>「もうすぐ新米、稲刈りシーズン到来」(津南町)

≫<本って最高・高橋しげ子210回>「マッチ箱日記」(BL出版、ポール・フライシュマン・文、バグラム・イバトゥーリン・絵、島式子・島玲子・訳)

​≫<野の花>不登校・引きこもり達へのエール(30)「NPO『あんしん』は素晴らしい」

≫<マイふぁみりー11>「「あそぶ?」「さかな」「くさ」」駒形 のりこ

≫<とっておきの私の山行>田中 博好 「難所、頑張れコールに涙も」

≫<小宮山雅志の思い出雑記帳22>「孤独のグルメ・哀愁焼肉」

≫<私の名作めぐり・庭野三省275>『アンネの日記』アンネ・フランク 深町眞理子・訳③

 ほか

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