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妻有まるごと博物館
まるごと

奥清津発電所
津南星空写真部・照井 麻美
津南町と十日町の間を流れる清津川。この川の上流にある「奥清津発電所」をご存じだろうか。
場所は湯沢町。冬場はスキー場へ向かうロープウェイ発着場所がある田代ステーションの少し先のトンネルを抜けた場所にある。
この発電所の大きな特徴は2つの池で水を循環させ発電をしているということだ。
揚水式水力発電所と言い、山の上にあるカッサ調整池から二居調整池に向かって最大落差470mを落ちる水の力でタービンを回し、発電している。
よく見かける大型ダムのある発電所は発電後、水を放水して終わってしまうが、ここでは一度落とした水を発電で余った電気を利用して下の池から上の池へポンプで引き上げ、翌日の発電に使えるようにているのだ。
このため、雨が少なくとも安定的に発電をおこなうことができる。
この発電所の運転開始はまだSDGsなどという言葉のない昭和53年(45年前)だが、作った電気を無駄にすることなくエネルギーを循環させる仕組みを考えた当時の技術者には頭が下がる。
ちなみにこの二居ダムの放水は雪解け水が増える春先に行うことが多いようだが、水量によって一年に一度あるかないかだそうなので、次はこの景色を見に訪れてみたいと思う。
(2023年7月22日号)
