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シリーズ連載

明日へ

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里のほほえみ20230610sn.jpg

龍ヶ窪付近に先月オープンの「里のほほえみ」。滝澤オーナー(左)とスタッフ

二刀流、夢かないダイニング

龍ヶ窪 農業会社事務と、地元食材活用、全て名水で

 全国名水百選の津南町・龍ヶ窪の近くで地元住民が営んで来たそば屋をリニューアル、新たに飲食・喫茶店「ダイニング里のほほえみ」が先月末にオープン。農業が盛んな地元・上段地区で栽培するコメや野菜、豚肉など地のものを使った手作り料理にこだわる。龍ヶ窪の水を使った水出しコーヒーや紅茶、さらに南魚沼市の人気ジェラート店とのコラボ商品などはテイクアウトもできる。オーナーの滝澤厚子さん(64、中子)は「地元で飲食店を開くのは夢でした。女性一人でも、年配の方が大勢でも、誰でも気軽によれる場所にしたい。60歳を超えた挑戦です」と笑顔を見せる。

(詳細は2023年6月10日号をご覧ください)

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親子で新たな一歩を踏み出した髙野平吉さんと綾子さん

絹糸が生み出す「無限の綾」

撚糸・髙三商店 工場改修、体験工房・ギャラリー・観光ツアーも

 1953年・昭和28年創業の生糸商(きいとしょう)の髙三商店(十日町市稲荷町)。絹糸専門卸売と撚糸業を営む。工場ではずらりと並んだ木のボビンが「サー」と回転し、受注に合わせ糸を撚り、絹糸を作り出している。

(詳細は2023年6月3日号をご覧ください)

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芋川新田に開店したGARAGE COFFEE(14日)

​くつろぎタイム、田んぼの一軒家

GARAGE COFFEE 厳選豆・挽きたて、思いがつながり開店へ

 豆を挽くコーヒーミルの音、店内に漂うコーヒーの香り。「注文を受けてから一杯ずつ豆を挽きます。挽きたては風味が全然違うんですよ」。13日、中里地域の清津川右岸、芋川新田に新たな交流の場、『GARAGE COFFEE(ガレージコーヒー)』が店開き。経営する大島明さん(62)、麻弓さん(59)夫婦、「前からやりたいと思っていて、昨年10月、やるっ!と決めました」。マッサージ店も営む麻弓さん、そのすぐ近くに開店したガレージコーヒー。「マッサージに来て下さるお客さまにも、美味しい飲み物を提供したいと思っていたんです」。

 ポツンと一軒家ならぬ、田園風景のなかの1軒のコーヒー店、くつろぎの時間を提供してくれる。

 『ガレージコーヒー』=毎週土・日・月曜、午前10時〜午後5時営業。オリジナルブレンドコーヒー、クリームソーダ、手作りホットサンド、ワッフルなど提供する。

(詳細は2023年5月27日号をご覧ください)

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今月27、28日に第10回展を開く岩田夫妻(奴奈川姫の家で)

古民家「奴奈川姫の家」が繋ぐ縁

岩田重信さん・金由起さん夫妻 第10回 野の花展27、28日に

 「こんなに長く続けることになるとは思いませんでした」。松代・室野の古民家・奴奈川姫の家で、野草と古道具を組み合わせ生け花を見せる「古民家で野の花展」開催を続けている十日町市中条の岩田重信さん(73)と金由起さん(68)夫妻。今月27〜28日に第10回展を開く。昨秋の第9回は5百人を超える過去最高の人出があり「目標であった第10回展です。今回も多くの方が来るかも。来場してくれた人が喜んでくれると嬉しい」と準備を進めている。

 松之山温泉ファンの夫妻。「松之山温泉の近くに家が欲しいなと思い探したら松之山では見つからず、近くの室野のこの家があったんです」。築150年余、畑と共に生きた住民が住んでいた家を17年前に購入。少しずつリフォームを重ね、地域に残る奴奈川姫伝説にちなみ屋号を『奴奈川姫の家』と命名。だが2011年3月12日、長野県北部地震が発生。室野地内の民家も大きな被害を受けた。「うちも壁にひびが入ったけど、漆喰を塗る前だったのでまだ被害は少なかった。でも地域を見ると壊れた家が多くて。それで、何か皆さんが喜んでくれることができないか考えたんです」。

 今月行う第10回展。「完全に独自で始め、いま多くの人が来てくれることは本当にすごいことだと感じています。続けるうちにいつの間にか第10回を開くのが目標になっていました。やる方は不安ばっかりですが、来てくれた方が喜んでくれるのが一番の励みです」。古民家が生み出す縁は、さらに広がっている。

 ▼第10回古民家で野の花展=5月27、28日、奴奈川姫の家(十日町市室野4505)。特別企画に「森の匠のわら仕事と竹とんぼ作りの実演会」。湯沢町のわら細工達人・小林守雄さんと竹とんぼなど作る高井国和さんが実演。入場無料。問合せは岩田さん℡090‐5255‐9699。

(詳細は2023年5月20日号をご覧ください)

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県「サイクリストに優しい宿」認定「かみや」の佐藤さん夫婦

妻有の自然、爽快に自転車で

民宿かみや、県「サイクリストにやさしい宿」

 雪国・妻有の地に初夏の陽気さえ感じられる季節を迎え、信濃川や新緑の山々を眺めながら走る絶好のサイクリングシーズン到来だ。そんなサイクリストの『後方支援』を担っているのが妻有地域で唯一、県『サイクリストに優しい宿』の認定を受けているビジネス民宿・かみや(十日町市南鐙坂)。

 かみやは創業49年。小学校からクロカンスキーに取り組み、国体・成年部門で優勝したこともある消防士・佐藤昭則さん(53)宅で、民宿を切り盛りしているのは妻・由美子さん(54)。クロカンスキー選手として活躍している子どもたちと共にロードバイクに取り組んできた昭則さんの姿を見てきた由美子さんが「夫の趣味を生かした経営ができる」とラジオで知った認定制度に申請、自転車の車庫内設置や修理工具の貸し出しなど認定条件の設備を整え、昨年11月末に認定を受けた。『自転車愛好者が安心して滞在できる宿泊施設』と県からお墨付きをもらった格好だ。

 「県サイクリストに優しい宿」認定施設は現在、県内17ヵ所。利用者はチェックイン前後の手荷物一時預かり、自転車を含む宅配便の受け取りや発送のサービスを受けられる。民宿「かみや」は十日町管内では唯一の認定施設で、自転車20台余りを収容できる車庫も設置している。かみや℡025‐757‐6896。情報サイト「かみや」で検索。

(詳細は2023年5月13日号をご覧ください)

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堅く締まった「赤身」が多いスギが取れる雪国スギに世界が注目。左が江村文里社長(十日町市中手で)

「雪国杉」、世界が関心 北米輸出開始、「赤身」人気

十日町・ROUTE 豪雪が育てる良質杉、住宅外壁材需要高まる

 「雪国のスギは極めて貴重。豪雪に耐えてきた強いエリートツリーが残っている。この地域ならではの自然資源だ」。雪国産スギの世界出荷への道を進めている株式会社ROUTE(ルート、十日町市姿)。林業に力を入れ10年余、いまアメリカやカナダなど北米で建物の外壁に使用するスギ材の需要が高まるのを受け、同社は県内6社が認可を受ける輸出材供給業者の一つとなり、5月の大型連休明けの本格輸出に向け準備を進めている。5月輸出予定のスギは県内6社で3000立方メートル、うち500立方メートルを同社が用意する。事業を進める江村文里社長(よしのり、46)と熊倉広大取締役(33)は「雪国のスギは使い時を迎えているなか、世界で需要が高まっている。木材輸出を図ることでこの地域の若い職人の育成や山林整備にも繋がる」と意欲を話している。

(詳細は2023年5月6日号をご覧ください)

スギ林の伐採も専用機械を購入し行い、森林整備を進めながら総量確保に取り組んでいる

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作品展を開いた岩田さん(7日、アトリエにかいで)

1針1針、糸と布に想い込め

「ゆうききよみ」、思い出を、自然を、刺繍の世界に・岩田清美さん

 「糸と布が好きなんです。さわっているだけで落ち着きます」。刺繍作家の岩田清美さん(作家名ゆうききよみ、41)。 

 自宅2階の『アトリエにかい』で初の刺繍作品展を今月上旬開いた。

 アトリエでは交流ある作家の個展は開いたが、自分の刺繍作品展は初めて。「自分の作品だけの展示ってどうなんだろうと思っていたんです。でも誰かが来てくれたらいいかと、思いつきで決めました」。7日までの9日間で多くが訪れ、期間中に誰も来ない日はなかった。「思っていた以上に見に来てくれる方がいました。最終日を過ぎても、まだ見たいと連絡もあり、開催日を2日延ばしました」。

 展示会には岩田さんが市民活動グループから依頼を受け開く刺繍教室の生徒も訪れた。今月からは生徒からの要望で月2回の独自教室をスタート。「さすが着物の町と感じます。針仕事に興味が多い人が沢山いらっしゃいますね」。

(詳細は2023年4月15日号をご覧ください)

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似顔絵描きに本格的に取り組み活動を始めた涌井さん

​「ふんわりと」、似顔絵師めざす

「描いて」、想いに応え、気持ち込め・津南町 涌井里子さん

 「本格的に似顔絵描きをめざしてみようかと思っています」。幼稚園時代からずっと趣味で続けて来た絵にいま向き合っている。津南町に住む涌井里子さん(42、相吉)。3月から『似顔絵オーダー』の受付を開始。町内の菓子店や健康増進施設でポスターを貼ると、卒園・卒業や入学、誕生日、記念日のプレゼント、名刺に入れる似顔絵など少しずつ注文が入るようになっている。「似顔絵を頼む方は、いろんな想いを持って注文します。その想いに応えられるよう、心を込めて描いています」と笑顔をみせる。

 自己流で小学生から鉛筆デッサンやイラストを描き続けて来た涌井さん。4年前にSNSで似顔絵を公開すると、近隣住民から『描いてほしい』と言われることがあった。

その後も趣味で続けるが、転機は今年2月、我が子が卒園・小学校卒業を迎えるなか、思い出の一枚を担任の先生にプレゼントしようと、それぞれの同級生と担任を描いた似顔絵を描いた。「とても大変でしたが、すごく楽しい作業で。その絵を保護者の友人も気に入ってくれたんです。それで、昔から好きだった似顔絵に本気で取り組もうかなと」。思い立ったらすぐ動き、町内各所に自身が描いたイラスト付ポスターを貼るのを願いに行った。

(詳細は2023年4月8日号をご覧ください)

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東京大卒業の中島優香さん

​「越後妻有はもっと元気になれます」

卒業論文が最優秀「クローネ賞」選出・中島優香さん

 「地域課題に熱意をもって取り組む若者や大人にインタビューし、越後妻有地域はもっと元気になれる、と私自身も勇気を貰いました」。津南町出身で東京大学文学部に進学、今年3月に卒業した中島優香さん(22、県立津南中等教育学校卒)。卒業論文『「新しい」文化を地域住民はいかに受容しているのか—。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」を事例としたインタビュー調査から』で、同大文学部社会学研究室における最優秀論文に贈られる『クローネ賞』を受賞。芸術祭の成り立ちから、高校生や関係者、宿泊や飲食店業者など住民19人にインタビュー。芸術祭が回を重ねるごとに地域活性化や住民意識にどんな影響や変化をもたらしているかを考察している。

 4年間の大学生活を終え、今月から新たな道を踏み出す中島さん。独自技術でリサイクルを進め、エコな社会をめざすベンチャー企業に入社。「環境、社会、地球といったようなものと人との関係を考えながら社会に貢献したい。人と地球、お互いにとって住みやすい環境作りに取り組んでいきます」とさらに一歩、夢に向かって進む。

(詳細は2023年4月1日号をご覧ください)

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津南町大割野でネイルサロンLiwを始めた久保田夏生さん

​『人生はすばらしい』、会話はずむ

「今やらなきゃ」、ネイルサロン開業・久保田夏生さん

 「今やらなきゃ始まらないというのが頭にあって、突っ走りました」。 津南町大割野のビル一室に、ネイルサロン『Liw(リウ)』を昨年10月末にオープンした久保田夏生さん(25)は笑顔をみせた。開店から2ヵ月が過ぎ、地域の若者はじめ、おばあちゃんらが来訪し、ジェルネイルが固まる2時間余、会話を楽しみながら仕事をしている。「今はジェンダーレスの時代。男性がネイルしたっていいんです。いま、都会の営業マンの爪はピカピカ。人が見る部分だからで、爪ケアしている人も多い。まだこっちでは浸透していませんが、男性にも利用して貰いたいです」と話している。

 今はジェルネイルが中心だが、男女問わず爪が薄い人へのネイルケア、さらに出張ネイルケアなども考える。「美容師免許の資格所有者しかできない、まつ毛パーマもやりたい。人生で苦労して取った資格がやっと活かせます。今すぐではなく、ちゃんと勉強し技術と自信を身に付けてから始めます」。新型コロナ禍だから生まれた、人生の転機。「将来的には故郷のトータルビューティ拠点をめざします」。やりたいことを生業にする。その歩みはまだ始まったばかりだ。

(詳細は2023年1月28日号をご覧ください)

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トレイルランニング大会開催を目指す新坂さん(手前、新坂氏提供)

古道でトレイルラン、魅力引き出す

地域おこし協力隊・新坂志保里さん

 「よい驚きばかりです」。東京都出身の新坂志保里さん(35)。関係人口拡大のミッション型地域おこし協力隊として十日町へやって来て1年余り、2回目の冬を迎えた。

 「昨年の今頃は1週間ずっと家の屋根から落ちた雪の片付けも経験しました。今年は少ないですね、ちょっと拍子抜けかも。でもまだわかりませんね。スノーボードやバックカントリースキーも楽しんでいるので雪はまったく気になりません」。雪国での生活を楽しみながら、十日町市民となって2年目の今年、今は全く利用されていない古道を活用したトレイルランニング大会を6月に開く準備を進めている。

 昨年10月から地域住民やランニング仲間で週末に倒木や雑草で荒れたコースの整備を開始。発着点を農舞台に太平—会沢—蓬平—千年など10の集落を通るコースを完成させた。「コース内には不法投棄の農耕車や電子機器などの大型の粗大ゴミが多くあり、春になったら撤去を始めます」。撤去作業などの費用の援助を現在クラウドファンディング『にいがた、いっぽ』で行っている。「すでに目標金額には達成しました。ありがたいです。でも募金額が増えた分で、より多くの不法時投棄のゴミを撤去したいと思います」。28日まで寄付を募っている。

(詳細は2023年1月21日号をご覧ください)

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元気いっぱいのAмi(Яu)²のメンバー

(手前左から清水さん、綿貫さん。後方左から藤田さん、曽根さん。市内で)

​弾ける17歳、「今」を音楽に

バンド活動、「最高だね」

 「音楽が大好きで中学時代からバンドが組みたかった」、そんな4人が高校生になり出会い、バンド活動を始めた。バンド名はAMi(Яu)²

(アミルル)、高校2年生のガールズバンド。メンバーで音を合わせるのはもちろん楽しい、人前での演奏も刺激的だ。でも「メンバーで一緒にいる時間が今は何よりも楽しい」。

 初舞台は昨年の『きものまつり』。「緊張したけど、楽しかったです」。

 バンド名は「どこかの国のことばでかわいいという意味と友情という意味。そこから決めました」。1年生の3月に活動を開始、昨年の十日町高校の文化祭ではフィンガーファイブの「学園天国」やaikoの「花火」など5曲を演奏。「男子たちが冗談で『サインください!』とかなって楽しかったです。それに校内に顔が広がったかな」。

(詳細は2023年1月14日号をご覧ください)

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武者修行で試合に臨む磯部選手(2021年、4部リーグで)

夢追い武者修業、プロリーグ挑戦

19歳で単身ドイツへ、サッカー・磯部力さん

 サッカーで自分に挑戦したい—。英語は不得意、しかもドイツ語はチンプンカンプンだった妻有出身の青年が、19歳の時に単身ドイツに渡り、アルバイトで生計を立てながらサッカーに打ち込んでいる。今年で4年目。現在は5部リーグの「フォルトナ・ケルン2」でプレーする。「食えなくなったらお終い。それまでは挑戦し続けたいが、今年は正念場だ」。人生の岐路に立つ新たな年を迎えている。

 ドイツで武者修行しているのは中学時代、十日町・アルティスタで活躍した磯部力(りき、23、津南町割野出身)。「自分の力を試してみたい」とサッカーの特待生で入学した千葉・中央学院大を1年で中退し、ドイツに渡った。ドイツは、サポートしてくれた関係者の勧めとビザが取得しやすかったからだ。家族の反対はあったが、固い決心を伝えたところ、父から「大学生だと思って1年間だけは仕送りする。ただし1年間だけだ」と協力を得た。

 ドイツ・ケルンの地に立ったのは2018年。『新居』はシェアハウスだった。買い物はじめ生活すべては身振り手振り。「大家さんの協力があったし、シェアハウスにはもう一人、日本の青年がいてホント、助かった」。

(詳細は2023年1月7日号をご覧ください)

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