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2020年5月

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2020年5月30日(土)

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専用室で展示される国宝・火焔型土器(26日報道公開で)

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雪と信濃川の歴史がタッチパネルで見られる

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縄文、雪、きもの、信濃川

新十日町市博物館1日開館

​特別展示 国宝全57点展示、8月末まで

 県内唯一の国宝・縄文火焔型土器など国宝指定57点ほか国を代表する縄文期の資料や国重文指定約7千点を収蔵の地域の歴史文化の新拠点「十日町市博物館」が1日オープン。豪雪地にふさわしく雪をイメージする白の外観と雪の結晶をアレンジし、火焔型紋様を建物上部にデザインした特徴的な博物館。新型コロナウイルス感染拡大予防で1日のオープニングセレモニーは行わず、新博物館開館記念で8月30日まで閉館時間を1時間延長(午後6時まで)。開館記念特別展は国宝指定全57点すべてを展示する。入場は当面、感染拡大予防から新潟県内在住に限り、入館状況により人数制限を予定。同博物館では「ここを通じて十日町市への関心がさらに高まるはずです」としている。

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 旧博物館の道路向いに新築した新博物館の入館エントランスホールは、3㍍余の十日町市地形模型に地域の歴史文化など7テーマごとにドローン撮影の映像を映すプロジェクションマッピング「十日町空中散歩」が迎える。次の導入展示室は映像による十日町プロローグ。その先の常設展示3室をグラフィックス映像で紹介し、来館者の関心と興味を高める。

 新博物館は常設展示は3室あり、国宝展示室を含む『縄文時代と火焔型土器のクニ』は市内出土品や近隣の縄文文化との関係性などを資料と共に展示解説。国宝を含む土器展示は耐震で対応。開館記念特別展示は別室の企画展示室で国宝指定をすべて展示している。さらに縄文時代に来館者を縄文衣装を着てトリップするバーチャル体験ができるコーナーや原物大の火焔型土器のパズル土器もあり子どもたちの人気を呼びそうだ。

 『織物の歴史』は十日町を牽引する産業の歴史で、明治期からこれまでの「明石ちぢみ」など代表的なきものや資料を展示。特に一世を風靡した「マジョリカお召」「黒絵羽織」の当時の現物を展示。ここでもタッチパネル式できもの柄を選び、オリジナルきもの仕立てのコーナーもある。さらに中条地域の大正期の民家内部をそのまま移築した再現民家もあり、当時の生活ぶりがよく分かる展示になっている。

 『雪と信濃川』は、豪雪地の民具や積雪用具など重文指定資料など展示。信濃川の古文書には、川を船がのぼった歴史資料やタッチパネルによる川と人の暮らしの歴史などを資料や映像で見るコーナー「信濃川インデックステーブル」があり、ドローン撮影とIT技術を取り入れた立体映像展示が見られる。

 新博物館・十日町市博物館の佐野誠市館長は「この新博物館を通じて地域への関心がさらに高まるはず。ここは十日町市を知る拠点であり、ここから十日町の各地域に出向いて行きたくなるはず。その様々な要素の仕掛けを用意している」と、十日町市の歴史と文化の新たな拠点の誕生を強調している。開館時間は午前9時〜午後5時(8月30日まで午後6時)、入館料一般500円、中学生以下無料。毎週月曜休館。音声ガイド(日本語・英語)有料貸出。館内撮影可(三脚・ストロボ禁止、企画展示室除く)。十日町市博物館℡025-757-5531。

十日町市の地形にテーマごとに映像投影

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雪と白の結晶、火焔紋様をデザインした新博物館

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「明石ちぢみ」「マジョリカお召」など明治期のきもの

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大正期の民家内部を移築再現。当時の生活ぶりが分かる

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​直接消費3億円、50%プレミアムで

飲食店限定1億円以上、大型店や家電量販店除く

 新型コロナウイルス感染拡大予防で地域経済が停滞するなか、十日町市は過去最大の「50%プレミアム」商品券を来月発行する。それは『大好き地元店!元気出そう応援券』として、新コロナの影響を大きく受けている飲食店使用に限った商品券も発行し、6月25日配布の市報に購入券と使用店一覧が配布される。これから使用参加店を募集するが、今回は参加店から手数料は求めない。

 市によると、50%プレミアム商品券は、500円券15枚(7500円)を1冊5千円で販売。各世帯購入限度は2冊まで。この15枚の商品券のうち2500円分(5枚)は飲食店使用に限定。残る10枚5000円分は参加店すべてで使用できる商品券で、1冊に用途別の2種類ある。

 25日の定例会見で関口市長は「休業要請に応じた飲食店などの減収が大きく、市民の皆さんで応援したい」と50%プレミアム商品券発行の思いを話している。なお同商品券は総合スーパーやドラッグストア、家電量販店などでは使用できない制約を設ける。発行による消費規模は3億円を見込んでいる。

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「やっと思いっ切り走れます」と中高生の陸上選手たち(23日、十日町市陸上競技場)

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親子連れの徐々に増えている十日町情報館

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お客さんは増えつつあるが団体客がなく例年の5割程度だというクロス10おみやげ館

公共施設「解禁」、感染予防で

新型コロナ 温泉にも人の流れ、徐々に回復

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は25日、全国的に全面解除となったなか、妻有地域でも公共施設などが徐々に使用が解除となり、人の動きも増加し始めた。施設を訪れた人からは「利用できるようになってよかった」という声も出ている。

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 管内の中学・高校では部活動が休止状態で、夏季競技・大会はほとんどが中止となったなか、21日から十日町市陸上競技場など管内の体育施設はようやく使用『解禁』となり、同競技場では陸上選手たちが待ちかねたようにトラックを走り回り、自主練習で爽やかな汗を流した。

 再開初の週末となった23日には同競技場に午前中から50人余りの中高生らが集まった。正面玄関には「練習以外ではマスクを着用、密接を避けて」などと注意を呼びかける掲示板を設置。感染者が出たらすぐに連絡が取れるよう利用者ひとり一人から住所、氏名、競技種目などを記してもらっている。

 競技場には全国舞台で活躍している女子ハードルの俵山紗乙選手(十日町高2年)や十日町南中から日本文理に進学した男子400㍍の服部航太選手(1年)、さらに小学生の時に走り高跳びで活躍した山賀凪選手(松代中1年)らも顔を見せ、「やっと本格的な練習ができます。今季は仕方ありませんが来年の大会をめざします」と話し、汗を流していた。

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 十日町情報館では先月から書籍の貸出しと返却のみの営業、臨時休館という状況を続けてきたが、18日から閲覧席の一部開放を始めた。視聴覚ホールや集会室等の利用はまだできない。

 館内には親子連れなどが訪れて本を楽しそうに選んでおり「おうちで過ごそう」「おうちで食べよう」などの書籍コーナーが設けられて自宅でも楽しめる工夫がしてあった。同館の渡辺健一課長は「館内閲覧は1時間程度として密の状態を作らないようにしており、状況を見て通常の形に近づけたい。貸出し点数は10冊を20冊に増やしているので自粛のステイホームの一助にしてほしい」と話している。

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 温泉も営業を再開した。千手温泉・千年の湯では先月18日から休館していたが今月21日、営業を再開。玄関には自動検温器を置く一方、感染発生時の追跡調査と連絡のために氏名、住所、電話番号を記入してもらっている。休憩室の席数は半数にしてサウナ・仮眠室・喫煙所は利用不可としている。菅井幹雄支配人は「入館は県内住民限定で免許証等を見せてもらい確認している。当館の料理は地域内の飲食店が出前をしているので、その点でも営業ができてよかった。再開を待っていた人がたくさんいてありがたい。早く収束し安心して入浴できるようになれば」と語った。

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 クロス10のおみやげ館は11日から午前9時半から午後5時半までの時間短縮で営業を再開。県の緊急事態宣言解除となった14日以降、徐々にお客の数は増加してきたが、それでも団体客などがないことから「いまだ例年の5割程度の客数」となっているという。

 新緑を楽しむため23日の土曜日に長岡市から訪れたという夫婦は「車の流れは少ないですね。以前、このクロス10に来た時は賑やかだったですが、今日は静かで全然違います」と話していた。同館では「観光旅行が元に戻ってほしい。団体バスがゼロというのは厳しい」と話している。

「やっぱり温泉は​いいね」、待望の再開

限定営業、経営難、「公的支援をもっと」

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休館が終わり再開したクアハウス津南。「待ってたよ」と喜ぶ声があがった(21日)

地域実情に合う指針作り必要 クアハウス津南

 「やっとあいてくれた。ありがたいよ」。会員から笑顔がこぼれた。国緊急事態宣言解除を受け、約1ヵ月の休館となり今月21日から営業再開となった津南町の健康増進施設クアハウス津南。午後2時〜8時半までの営業時間短縮で日帰り利用を会員、一般利用は津南町・十日町市・栄村に限り営業を再開。一方で高齢者利用が多い水中運動教室、密閉空間になりやすいトレーニング室、三密の状況が予想されるサウナなどは休止中で、完全な営業再開は遠い。運営のTap(志田中理事長)では「再開するにしても人数制限など必要で、利用は今まで通りとはいかない。国の利用指針はあるが細かい指示はない。自分たちで基準を作ってやっていいのかもわからない」と戸惑いながら対応に当たっている現状を話している。

 クアハウスの休館は、4月16日の国緊急事態宣言の全国発令を受け4月21日から続いた。国の動向を注視するなか、スポーツ庁が出した感染拡大予防ガイドラインを参考にした対応を検討。マスク着用での来館、手指消毒の徹底、受付に飛沫防止シート設置、館内のこまめな換気など行う。6月からはスイミングスクールを再開。子どもスクールはプールゾーンを1時間余スクール専用とし一般利用者の接触を減らし、大人スクールは一般利用営業時間前の午後1時から行うなど、利用者の接触機会を減らす工夫を考えている。

 一方、町寝たきりゼロ運動の一環として取り組んでいる水中運動は3月から休止が続き、再開見通しは立っていない。利用者は60〜90代の160人余と高齢者が中心。移動のバスも密集を避けられず、簡単には始められないのが実情。Tapでは参加者に自宅でできる簡単な運動紹介や間違い探しといった脳トレーニング問題を同封したものを休止中に月1回ほど配布。それでも『水中運動がなくなり身体を動かす機会がなくなった』や『家から出ず人との会話がない』など、再開を待ち望む声が出ている。

 江村大輔事務局長(36)は「健康増進施設として再開できる努力は続けるが、国の利用指針を待っているだけだと遅くなる。だが自分たちだけで指針を決めていいのかと言われると難しい。町や医療関係者、地元業者などで、地域の実情にあった温泉などの指針を考える仕組みが必要ではないか」と指摘する。21日の再開後の1日平均利用者は百人余と、新型コロナ前の半分以下。3〜5月の売上も前年に比べ5割以上減った。「指定管理期間5年の最終年が今年。収支だけで見ると本当に厳しい。次年度はどうするかを真剣に考えないといけない」と苦しい現状を話した。

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「ありがとう」の花束

津南町ユリ切花組合 町立津南病院にユリ贈る

 医療関係者に感謝を込めて—。津南町ユリ切花組合(中澤政明組合長、16軒)は27日、出荷が始まっている津南産ユリを含む花束を町立津南病院に寄贈。今回のユリはコンパニオンとホワイトスピア。出荷は11月まで続くが、随時津南病院に季節のユリを贈る予定だ。同組合では「新型コロナウイルスで大変なご時世。医療関係者も患者さんも花を見て気持ちが和んでくれれば」としている。

 年間130万本のユリを全国に出荷、高い評価を得ている津南産ユリ。昨年の売上高は約3億8千万円。津南病院へのユリ寄贈は初めて。「住民のために働いてくれている医療関係者を応援できないか」と検討。副組合長でユリ農家の河田太郎さん(39、大井平)と、津南病院の半戸千晶整形外科医長が保育園から中学までの同級生と言う縁もあり実現。27日は河田副組合長が半戸医長に花束を手渡した。河田副組合長は「お医者さんの笑顔が患者さんの笑顔に繋がると思う。頑張って」。半戸医長は「突然の申し出でしたが、花は気持ちが明るくなるもの。場所を考えながら飾りたい」。鼻は1階ロビーに展示している。

 さらに同組合では昨年に続き町役場ロビーでの季節のユリ展示、さらに福祉施設や学校関係にもユリを贈る計画を進めいる。「新型コロナで嗜好品の花も出荷は低調。だが花は人の気持ちを安らげてくれるもの。眺めることで少しでも明るい気持ちになってほしい」と願っている。

町ユリ切花組合の河田副組合長が同級生の津南病院・半戸医長に花束を手渡した(27日)

2020年5月23日(土)

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​子育て支援、ひとり親給付金も

十日町市新型コロナ対策、2億9735万円専決

​休業協力金 計40万円に、市民宿泊1万円助成も

 十日町市は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける市民生活・事業所支援の第2弾を18日発表。子育て世帯の生活支援で国の児童手当給付加算(1万円)とは別に市単で児童1人5千円給付し、経済的影響を強く受けるひとり親世帯支援で第1子4万円、2子2万円、3子以降1万円給付し、子ども3人世帯は7万円給付で支援する。さらに単身世帯で今年2月〜6月間で収入が前年同月比30%減以上(減収後月額15万円以下)で5万円給付するなど、総額2億9735万円を今月18日に専決処分し、市民生活を支援する。

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 18日の市議会全協で関口芳史市長は「県内ではPCR検査を3710人が受け、約2%の82人が感染している。市内では幸い感染者は発生していない。引き続き万全の態勢で感染予防に取り組む」と話し、地域経済支援や市民生活支援策を説明した。第2弾では子育て世帯、単身世帯への支援を打ち出したほか、国が進める「新しい生活」の感染予防策に取り組む事業所や住宅などリフォーム支援する。事業所は飛沫防止カウンター設置や自動ドア整備など補助率3分の2、上限100万円助成。一般住宅では工事費20万円以上で20%補助、上限10万円支援する。「50%プレミアム商品券」は市内消費総額3億円となり、各世帯1万円(購入額、消費額1万5千円)を予定する。

 休業要請で休業実施(今月7日〜14日)した事業者に県協力金対象に10万円を上乗せし、県対象外の旅館ホテル事業者には20万円を上乗せ支給し、大型連休からの休業者に県と市支援を含め40万円給付を受けることになる。さらに市民限定で市内宿泊施設利用者に宿泊料の30%、上限1万円を補助し、市内宿泊業を利用支援する。

 中止や延期で繊維業界への影響に対し、今後予定の販売会経費やきものバンク使用の着物購入費や観光宣伝などの費用を補助(2千万円)する。市出身の県外在住学生対象に「学生応援ふるさと便」(市カタログギフト、十日町産品1万円相当)を送付支援する事業(1千万円)にも取り組む。

 子育て支援の「児童手当受給世帯」対象の生活支援特別給付金1人5千円(予算5485万円)の支給対象は約5100人を予定。「ひとり親家庭支援特別給付金」(予算1765万円)は第1子4万円(約372人)、第2子2万円(約124人)、第3子以降1万円(約29人)となっている。

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減収、独自に30万円・50万円給付

津南町新型コロナ対策、9050万円専決

50%プレミアム商品券、リフォーム支援も

 感染拡大で地域経済に大きな影響が出ており、津南町は20日、支援策の2回目の町長専決処分を行い、地域経済支援では十日町市と同様にプレミアム50%の商品券を発行するなど緊急支援策を行う。規模は一般会計で9050万円。これで国の臨時交付金限度額を使い切り、さらに国交付金も予定されるため、3回目の支援策も期待される。

 津南町は19日、議会全協で新たな支援策を説明。桑原悠町長は「先が見通せないなか複数のシナリオが必要」と国臨時交付金の追加が予想され、更なる支援策も視野に入れる。過去最大のプレミアム率となる「50%プレミアム商品券」は、各世帯購入限度1万円(消費額15000円)を発行。総消費額5250万円を見込む。来月発行予定だが、利用店の手数料や発行方法など商工会と協議して決める。

 国の持続化給付金(前年度同月比50%以上減収)の基準に至らない町内事業者対象に、町独自の事業継続給付金を支給する。対象は3月〜5月間で前年同月比で売上が20%以上〜50%未満の事業者で、限度額で個人30万円、法人50万円給付する。さらに新コロナ感染予防の「新しい生活」に対応する改修を行う飲食店や宿泊施設を対象にリフォーム助成金を支給。宿泊施設は宿泊定員1人2万円が基準。飲食店は上限30万円。宿泊施設では町内最大のニュー・グリーンピア津南は宿泊定員600人で総額1200万円になる計算だ。

 休業要請で営業ストップしていた宿泊施設対象に、町内宿泊施設の宿泊料5000円を利用者助成し、3千円の土産券を進呈し利用者入込みを支援する。利用期間は6、7月の2ヵ月。同事業は新潟県事業と連動する。融資関係では緊急短期借入金で4ヵ月間の利子を補給する。今後、さらに国の臨時交付金が期待され、第3弾の支援策の検討にも入っている。

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要望書を提出する西方会頭(中央)、高橋副会頭(15日、市長応接室で)

緊急要望、地域経済支援を

十日町商工会議所・西方会頭

 十日町商工会議所(西方勝一郎会頭)は15日、関口市長に『新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策』5項目の要望書を提出した。この中で「つなぎ融資の創設」や下水道料金の軽減、地場産業の販路開拓支援、さらに観光業支援などを盛り込む。西方会頭は「8部会があげた要望を集約した要望事項で、迅速な対応をお願いしたい」と手渡した。

 市長への緊急要望は西方会長、高橋副会頭が要望書を手渡した。要望5項目は「事業所の感染予防対策支援」で予防用品の供給・機器導入支援。「持続化給付金支給までのつなぎ融資制度創設」は国申請後の支給遅れへの融資対応。「下水道料金の軽減」は事業所経営の落込み、特に製造業の下水基本料金の引下げを要望。「市発注工事・物販・役務の工期・納期の配慮」は資材入荷の遅れなど価格含め見直し対応を要望。「地域経済活性化対策」は感染予防で落込み地域経済の縮小対応で、プレミアム商品券発行・リフォーム補助、飲食業利用促進、観光クーポン発行で観光業支援などをあげている。 

 なお市では50%プレミアム商品券、感染予防対応のリフォーム改修支援、水道基本料金軽減策などを打ち出している。

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任期開始15日早朝、職員から花束を贈られ庁舎に入る宮川幹雄村長(村役場で)

「村民のために我々は在る」

栄村 宮川幹雄村長、15日就任

​注目の副村長人事、6月議会提案か

 「昨年は台風、今年はウイルス。令和は厳しいスタートだったが、難関を希望への節目として、私がめざしている生き生きとした素敵な栄村を、皆さんと一緒に作りたい。情熱を持ち、一緒にやっていこう」と、15日に第7代栄村長に就任した宮川幹雄村長(66、野田沢)は就任式で参集の職員ら80人余に協力を求めた。

 村長としては初登庁となる15日。午前8時半頃、村長車に乗り役場前に着いた宮川村長。職員や支持者ら80人余が玄関前に並ぶなか、職員から花束を受け取った。花束を持ちながら、これからの村政を思うかのような厳しい表情で職員の拍手を受けながら、村長室へと入った。注目を集める共に村政の舵を取る副村長人事に関しては「相棒がいないと孤独。村内の方を登用したい」と、早ければ6月15日開会予定の村議会で提案する意向を示している。

 就任式はかたくりホールで実施。今年度予算資料を見たことを伝え「私の方針と違うものが多々ある。村長の思いと、各課の目標にズレがあってはいけない。役場の組織改編も考えており、できるだけ皆さんの話を聞き考えていきたい」と、実施事業の調整と課題の整備、課の再編成を進める意向を示し「新しい体制で、次の新年度を迎えたい」と力を込めた。課の再編成を9月頃までに整え、次年度予算編成に当たる考えだ。

 高齢化率は50%を越え人口減少が進む栄村。新型コロナで経済も落ち込む。「課題はたくさんある。とにかく一体感を持って進めるのが大事。いま何が必要か見極めるのが大切。その決定プロセスを大事にし、自信を持って議会に提案していく」と、施策を作る過程も重視する姿勢を示す。加えて「村民のために我々は在る。それは決して忘れないでほしい」と強調する。

 一方で、終息が見えない新型コロナウイルス感染症。村長として対策本部長にこの日就任。「国緊急事態宣言は14日に解除となったが、栄村は都会と過密状況が違う。『三密』を避けるのも大事だが、栄村だからできる施策もあると思っている。社協、福祉関係などと連携を取り対応していくのが大事と思う」とする。

 また先月末に桑原津南町長と会ったことを話し「コロナについて互いに信頼感を持って対応に当たることを再確認した津南町とは生活圏が一緒。ゴミ処理など大きな繋がりがある。今まで以上に連携を作っていきたい」とする。他にも村東部地区に向かう県道は、新潟県側を通るしかないが「旧宝山荘付近の道路改良工事は、村長が変わろうが住民のために一緒になり改良に向け頑張らないといけないもの。国道405号の改良要請も引き続きやっていく」。合わせて「十日町市、津南町、飯山市など、広域の皆さんと一緒に頑張っていけるよう、これからいろいろ話を進めて行きたい」と語った。

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分散登校だが授業を再開した十日町高(21日)

感染リスク減らし授業再開

県立高校 1日から通常、夏休み短縮に

 新型コロナウイルス感染防止策で臨時休校が続く県立高校だが、緊急事態宣言から新潟県が除外されたことから、県教育庁では15日、「21日から一部休校に移行し、分散登校日に授業等を実施し、6月1日から県立学校を再開する。可能な限り感染リスクを低減させて教育活動を行う」と発表した。市内全日制高校4校(分校を含む)では授業再開と不足する授業時間を補うため、それぞれが対応している。

 十日町高校(生徒709人)では21日から29日の間、クラスを半数ずつ午前・午後に分けての分散登校を実施し、来月1日から通常授業。瀬下学教頭は「ようやく教育活動が再開できて正直ほっとしている。登校日の生徒は特段変わった様子は見られず、登校できて嬉しそうな表情だった。これから決定するが、今のところ不足する授業時間への対応は、夏休みを短縮し、体育祭等の校内行事を中止して授業を優先する方向で考えている。部活動について県は当面は行わないとしている。再開は県の判断を待って検討する」。

 同校の松之山分校(生徒74人)は、21日と22日は午前中授業で来週25日から通常授業を行う。松原直樹教頭は「休校中は心配もあり、生徒には週1回電話をして状況を確認した。登校日には元気な顔を見せてくれ良かっ㉛たが、一部ストレスがたまった生徒がいるのでスクールカウンセラーと対応する。遅れた授業は県の指示を受けながら夏休みを短縮する方向で検討して補いたい。校内ではマスク着用、手の洗浄、机の間隔を開け、室内換気等をして感染対策を行う」。

 十日町総合高校(生徒479人)は22日から29日の間、学年別で1日おきの分散登校にして来月1日から通常授業を再開。同校は地元事業所への若い人材輩出に取り組んでいるが、真島徳衛教頭は「授業再開でほっとしているが、いかに遅れを挽回して教育を補充していくかが大事。毎年実施のキャリア教育における地元事業所でのインターンシップ(就業体験)は中止の方向だが、今後どのように教育効果を高めていくかを考え、しっかりと取り組みたい。当校は地域に根差した就職活動を行っているが、コロナの影響による地元の経済状況と求人について注視していきたい」。

 松代高校(生徒140人)は県からの指示を受け11日から分散登校を実施している。池上宗継教頭は「10日までの休校だったが、休校中に特に大きな問題もウイルス感染の報告なくありがたく思っており、生徒が久しぶりに登校できて良かった。県の通知を待ちながらだが、夏休みに入ってから授業を行うか現在検討している。体育祭を含め校内行事は1学期中は行わない」としている。

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昨年度卒業生70人中、国公立大合格者が過去最高の合格率60%だった津南中等校

国公立大合格率60%、県下トップ3に

県立津南中等校 「人間力」高める探求学習と相乗効果が

 国公立大の合格率、過去最高の60%—。県立津南中等教育学校(小林英明校長)の2019年(令和元年)度の卒業生70人(9期生)のうち、国公立大の合格者は42人。合格率60%となり、過去最高値となったことがわかった。この合格率は県内高校では新潟南高(67・13%)、長岡高(63・52%)に次ぎ3位の結果。県内の公立7中等校ではトップ。豪雪地の中高一貫校と一見ハンデがあるように見えるが、高い合格率となっている。同校では地道な基礎学力向上と生徒の人間力を高める探究学習の相乗効果とみており「今回の合格率の高さは今後に繋がるもの。今の在校生にとっても刺激になる」と期待する。

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 『夢の実現』を校是に掲げ開校14年の津南中等校。毎日の授業と理解度アップのための朝テストにより理解を積み重ね基礎学力をつけるのが同校の基本取り組み。加えて県下でも先駆的にオンライン学習環境を整え学力向上を図る。これまで東京大3人、京都大1人の計4人が超難関こくりつ大学に現役合格。国公立大合格率の最高値は2016年度(6期生)の50%(=表参照)だったが、9期生はこれを大きく上回った。9期生の国公立大合格者42人のうち、推薦入試合格者は12人。旧帝大系では北海道大3人と大阪大1人の計4人が合格。この9期生の学年主任を4年間務め、進路指導を担当した小山尚之教諭(41)は「基礎学力だけでなく、教科外の探求学習で人間力を高める取り組みが相乗効果を生み出した」とみる。

 9期生は後期(高校)課程時、生徒が自主的に学ぶ意識向上をと、教科外学習として自分たちで課題をみつけ調べ発表する探求型学習プログラム・クエストエデュケーションを導入。他にも理数トップセミナーやスピーチコンテスト挑戦、地域ボランティア活動参加などを推奨。小山教諭は「生徒自身が考え、動くことで人間的な幅が広がる。人間力を身に付けることのに繋がるのが探究学習。それを生徒自身が楽しんでやってくれたのが大きい」。さらに4学年(高校1年)時から約1年間、日刊紙1面のコラムを書き写す学習を実施。「社会のことを知らない高校生は全国でも多い。今の子たちは自分の興味ある記事しか読まない。ネットもそう。だが新聞は興味のない分野も知れる。読むことが気付きに繋がり、それが教養に繋がる。入試の国語や英語の長文問題では社会性ある題材から出ることが多く、社会の動きを知っているのは大事」。この新聞コラムを利用した学習は、今年から3〜5学年が取り組んでいる。

 これらの教科外学習を経て、9期生から取り組みが始まったのが『津南 妻有学』。少子高齢化や人口減少が進む地元の現状を知り、その解決策を生徒自身が考える探究学習のひとつ。課題解決策を最終的に町長らにプレゼンテーションする妻有学は、生徒たちの地元理解を深める契機ともなっている。小山教諭は「9期生は基礎学力だけでなく、これらの学習を通し人間的に逞しくなったと思う。基礎学力に加え教養を身に付けることは、社会に出てからも大切な人間力に繋がる。今回の高い国公立大合格率は、生徒一人ひとりの総合力が上がった成果とも思っている」と話す。

 9期生の県内トップクラスの国公立大学合格率の実績は、5年連続で入学者数が定員割れとなり厳しい状況が続いている同校にとって大きな追い風となっている。

2020年5月16日(土)

部活動中止、厳しい学校生活

新型コロナ 小中学校で授業再開

​オンライン学習の津南中等、分散登校

 新型コロナ感染症拡大防止のため、管内の小中学校と特別支援学校のすべてで3月2〜24日まで臨時休校となったのに続き、政府が緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大したことから県の要請を受け先月25日から再度休校。ようやく十日町市では今月7日から、津南町では11日から学校が再開。県立津南中等教育学校では11日から分散登校がスタートした。県の緊急事態宣言は14日に解除されたが、「新しい生活様式」など感染防止策は継続されたまま。生徒たちは授業中もマスク着用で部活動は中止、さらに密閉・密集・密接の『三密』を避ける厳しい学校生活を送っている。

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全員がマスクをつけて授業を受ける生徒たち(十日町南中で)

体温チェック、給食も分かれて

十日町南中学校

 管内の中学校で最も生徒数が多い十日町南中(宮澤均校長、生徒264人)では、市教委からの通達を受け、朝晩の体温測定や健康チェックなど生徒の健康状態の把握に努めている。体温記録表は毎日提出し、37度以上の発熱や風邪の症状がある場合は学校に連絡し、休養するよう指導している。

 生徒は、登校すると先ず手洗いを行い、さらに給食前や体育の授業後なども丁寧な手洗いを実施。また教室内ではできるだけ席の間隔をあけ、常に換気を行うようにしている。ただ2年生は98人と多く、3クラスに分かれても33人余りとなって、思うような間隔がとれないのが実情だ。また給食では、これまで全生徒がランチルームで食べていたが、密集を避けるためランチルームは2年生のみとし、1年生と3年生は各教室で配膳給食を行っている。不足している授業時間は夏休みに補う予定だ。

 宮澤校長は「新型コロナ問題で例年にない新学期のスタート。感染予防・感染拡大防止の観点から、各家庭でも生徒の健康管理をお願いしています」と話し、男子生徒のひとりは「早く通常に戻り、マスクを外して思いっ切り部活動をしたいです」と話していた。

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5月末まで休校のなか、臨時登校で約3週間ぶりに授業を受けた(12日、津南中等校で)

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登校時もマスク着用。元気に登校する児童(7日、下条小で)

分散登校スタート、久しぶりに授業

県立津南中等教育学校

 県立津南中等教育学校(小林英明校長、330人)では4月からの新学期で生徒が登校できたのは入学式を含めわずか7日間だが、オンライン学習導入に以前から取り組んでいる強みを活かし、紙媒体の課題に加え、オンライン学習ソフト『スタディアプリ』を使った家庭学習を全学年で実施。またホームルームはテレビ会議アプリ『Zoom』を利用し、生徒の学習状況や体調など、オンラインで顔を合わせて把握している。一方で今月11日から分散登校がスタート。久しぶりに校舎に生徒が訪れ教職員から直接指導を受け、仲間と共に学ぶ姿が見られた。

 新学期で登校ができたのは4月6〜10日、13、14日の7日間。特に、今期新入生は入学式とオリエンテーションがうち4日間を占め、通常授業は3日間しかできていない。分散登校が始まり、基本は各学年週1回の登校だが、学習機会確保が必要な1学年(中学1年)と、受験を控える6学年(高校3年)は週2回の臨時登校を設定し、学習指導を行っている。国県の動向を注視しながら、可能な限り各学年の臨時登校日を増やす意向だ。

 分散登校が始まった今週。生徒たちは久々に仲間や教職員とマスク姿で顔を合わせ、学びの時間を共にした。臨時登校の授業は5限まで、一コマの時間も43分の短縮授業。一人ひとりの机の間は通常より広く空け、窓を開ける換気の徹底、さらに帰宅時バスの集中混雑を防ぐため、学年ごとに乗車する公共バスの時間を分けるなどで感染対策を取っている。学校に約3週間ぶりに訪れた2学年・上原天馬くんは「今までは当たり前でしたが、学校に来るとわからないことはすぐに先生に直接聞けるのはありがたい。周りの友だちの意見も聞いて自分の考えと比較できるから、やはり学校に来る方がよく学べます」と笑顔を見せた。

感染より我慢、授業にも工夫

​下条小学校

 下条小学校では授業再開後、児童は通常通り集団登校。6年生の村山紗和さんは「今まで授業が少なかったので勉強を頑張ります。休みが長く続き友だちとも会えずにさみしかったけど、感染するより我慢した方が良いと思っていました。学校で友だちと会えて嬉しい」と笑顔を見せた。

 学級担任の山岸智恵子教諭は「児童は休校、春休み、連休と外出を自粛していましたが、休み中の過ごし方表を見ると保護者が家の周りで遊んでやるなど、児童がストレスをためないよう工夫していた。今後どういう状況になるか分からないので、少し早めに授業を進める」と対応していた。

 戸田孝之校長は「児童が心配で授業再開後は注意深く見ているが体も心も元気なようだ。ただ感染不安が蓄積した児童もいるかもしれないので今後も注視する。小学校については不足する授業時間対応で夏休みを短縮するなどの措置は市でも考えていない。春の運動会は延期か中止だが、準備と実施に手間がかかる行事なので、それが無い分、授業に充てられる」とし「音楽では自由に歌が歌えない、体育では児童が密接する運動は行えないなど、それぞれの授業に工夫が必要」と語った。

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感染対策で対面式ではなく、正面を向いたまま給食を食べる子どもたち(11日、津南小で)

友だちと学ぶ、やっぱり楽しい

​津南中学校

 津南町の小中学校は大型連休明けの11日から、登校を再開。通常授業が再開した。今後の感染症拡大によっては再度の臨時休業もあるなか、「このまま収束に向かってほしい」と関係者は話す。

 津南小学校(江口正洋校長、227人)では11日午前7時40分過ぎから続々と集団登校する子どもたちが来校。みんながマスク姿。偶然、この日は津南町が定める「あいさつの日」。児童総務委員会の5・6年生13人と、津南中学生徒会メンバー11人が連携し、登校する子どもたちに「おはようございます」と元気に声かけ。朝のあいさつで学校再開を喜んだ。総務委員会の6年生・瀧澤咲夢さんは「久しぶりのあいさつ運動ですが、いつも通り頑張ろうと思ってやりました。学校は友だちとかも苦し、楽しい時間を過ごせるところ。これからもいつも通り学校に来れるといいな」と学校の仲間たちに声をかけていた。

 町教育委員会・桑原正教育長は「各学校の年間授業計画は余裕を持ち組んでおり、現状では圧倒的に授業時間が足りないと言うことにはなっていない」とする。今後も感染拡大による休校の可能性はあるが「授業数確保は校長会など通し各学校の実状を把握し、必要がある場合は土曜授業、夏休みの短縮なども検討する必要がある。状況を見ながら教委で判断する。ただ授業数を確保することより、子どもたちへの教育内容をきっちり押さえられるかの方が重要」と話している。

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「50%プレミアム」、商品券発行

総額3億円 来月発売、使用限定の数種類

 十日町市は新型コロナウイルス感染拡大による自粛規制で落ち込む地域経済に直接的なテコ入れとなる『プレミアム商品券』、それも過去最大の「50%プレミアム」の商品券を来月発行することを13日発表した。発行総額(消費額)3億円を予定し、新コロナで減収ダメージが大きい飲食業や大型スーパーを除く地元中小商業店など、使用先を限定する数種類の商品券となる予定で、1世帯1万円(1万5千円利用)を上限に来月には販売する方針だ。

 今月1日に総額54億円の大型補正予算を専決した十日町市。その第2弾の経済対策のひとつがプレミアム商品券。50%のプレミアムは過去最大。関口市長は「減収で苦しんでいる事業所に集中して使用できる商品券にする」と使用先を限定する数種類の商品券になる予定だ。さらに、掲載対策では国が示す「新しい生活様式」に沿う事業所や店舗、住宅リフォームを支援する。国が示す『3密』対策の改修などを対象にする方針。さらに、子育て世代や単身者など新コロナ関係で減収した世帯を対象に新たな給付金で支援する方針。リフォーム支援、子育て支援の対象世帯、給付額などは今月25日に発表する方針だ。

緊急補正9.7億円、新コロナ支援で

10万円給付9.3億円、郵送は20日給付 津南町

 新型コロナウイルス感染拡大で住民生活、地域経済への影響が増しているなか、津南町は8日、一般会計9億7632万9千円の補正予算を専決処分し、10万円給付や児童手当加算金、雇用調整助成金申請補助など支援に乗り出している。13日の定例会見で桑原悠町長は「持続化給付金(50%減収以上)に該当しない減収の事業者の救済支援も、スピード感を持って対応していく」と、早ければ6月定例議会での補正対応を示唆。さらに、町単独事業となる財源確保にも言及し、「議長とも相談しているが、特別職の報酬減額を検討している」と、同様に6月定例議会への提案も示唆している。

 津南町の「国の10万円給付金」は、7日からオンライン申請受付を開始し、14日に給付を開始。申請書郵送は13日に行い、20日から給付開始する。基準日4月27日で対象者は9350人、総額9億3500万円になる。児童手当加算金1人1万円は750人、750万円。放課後児童対応の学童保育の感染拡大予防で10万7千円(消毒液、検温器)。商工信用保証料補助では10事業者、1千万円を予定している。

 県の休業協力金の対象外の事業者が町の休業要請に応じた場合、1事業者10万円給付(60事業者、600万円予定)。国の雇用調整助成金申請で社会保険労務士委託の場合、上限10万円補助、自ら申請5万円補助。町職員の超過勤務手当、マスク・防護服・消毒液など400万円。修学旅行キャンセル料補助で39万円、国保傷病手当金支給90万円をそれぞれ専決処分した。

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書面議決が中心で、出席者はわずか7人で行った津南町農協の総代会(先月25日)

御陣荘アスベストで特別損失5294万円

JA津南町 第54回総代会

 新型コロナウイルス感染拡大のなか、第54回JA津南町の通常総代会は先月25日に開催。総代408人のうち、書面議決は304人、本人出席は7人のみの状況で実施。いつもは人で溢れる会場のJA津南町本店ホールも、この日は閑散とした状況だった。理事改選も行われ、この日の理事会で宮澤義孝組合長(66、卯之木)と石橋雅博専務(65、割野)の再選を決定。共に2期目となる。

 2019年度の事業総利益は7億9268万円(前年8億665万円)。一方で、減損損失ではファミリーマート上郷店や車両・農機センターなどの赤字に伴う1987万円に加え、町から資産譲渡を受けた御陣荘のアスベスト処理費用(2680万円)がかかるなど、特別損失は計5294万円。「元々の所有者である津南町にアスベスト処理費用の補助を求めたが、受け入れて貰えなかった」(石橋専務)と報告がなされた。なお経常利益は9288万円(前年6560万円)だった。

 信用・共済事業の利益を、営農部などの赤字部分を補填する経営を続けているなか、マイナス金利政策の中で今後は減収見込みで、より経営は厳しくなる見通し。なお今期の部門別決算では金融部の当期利益は1億162万円の黒字。だが一方、営農部は4924万円、ファミマ上郷店2163万円、車両・農機センター2071万円と計4832万円の赤字決算となっている。

 一方で、今年2月に発足したJA津南町出資985万円(出資比率99・1%)の新会社「津南アグリ」との畑作物取引などで、赤字となっている営農部門の強化を図る。宮澤組合長は「津南アグリとの畑作物取引、資材利用、農機購入など行うことで、相乗効果が生まれるようにし、これからの畑作農業のモデルとなれば」と話す。なお今期の営農部の取扱い目標はコメ13億7414万円、アスパラ・ニンジン・スィートコーン・キャベツなど畑作物10億2603万円、畜産7億3833万円の計32億3931万円を見込んでいる。

 改選後の役員体制は次の通り(任期3年)。

 ▼代表理事組合長=宮澤嘉孝▼専務理事=石橋雅博▼理事【留任】福原喜世司(外丸)涌井益男(穴山)滝沢寛雄(谷内)富澤敬一(船山)内山茂夫(芦ヶ崎)江村良孝(小島)【新任】中島喜久男(大井平)滝沢徹(赤沢)桑原弘幸(反里口)大関和子(上加用)▼監事=中島豊(押付)板場勇司(美幸町)保坂士郎(卯之木)

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出荷が始まっている津南産アスパラ(11日、卯之木で)

ニョキっと旬

津南アスパラ出荷期

 〇…柔らかさと味の濃さが人気の津南アスパラ。出荷期を迎え、農家は連日収穫に忙しい。大地から青空に向かってニョキっと上に伸びるアスパラ。「これを待っていた」と今年も好評だ。

 〇…雪下にんじん、スィートコーンと並び、津南野菜を代表するアスパラ。昨年度の町農林水産統計によると、栽培面積46㌶、栽培戸数は111戸で、販売金額は約1億4534万円。主力野菜として、津南ブランドの一翼を担う。なお来月6日までつなベジ会の「津南アスパラフェア」も実施中だ。新型コロナウイルスの自粛影響で今期はSNSでの積極発信はしないが、「都市部の自粛は続いていますが、贈り物に津南アスパラをどうぞ」と勧めている。

2020年5月9日(土)

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長岡国道事務所が今年1月公表のルートをグーグルマップで​本社作成

十日町インター周辺土地利用、交流拠点に

​地元と行政で検討協議会、西インター運動も始動

 高速道路インフラから取り残された妻有エリア。関越高速と北陸自動車道を結び、物流と共に災害時の緊急道路として、さらに3次医療の拠点・魚沼基幹病院への救急搬送道として重要視される地域高規格道・上越魚沼快速道路(六日町ー上越市60㌔)の未整備区間「十日町道路」の絞り込んだルートは今年1月15日、国交省長岡国道事務所が公表し、今年は道路の中心線を決め、具体的にどこを通るかが決まる。同時に地元十日町市は、市内小黒沢地域に設置予定の「十日町インター」(仮称)の周辺土地利用について地元と検討協議会を今年立ち上げる方針。だが、予定地は水田地域で今年から圃場整備(区画整理)を計画しており、水田基盤整備事業とインター土地利用の検討が平行し、その調整に手間取る一方で、新型コロナウイルスの影響で会合が思うように開けず、行政や地元は対応に苦慮している。ただ長岡国道事務所は「今年は道路の中心線を決める」と明確な方針を示しており、国直轄事業となった「十日町道路」は、本ルート決定により、事業スピードが上がるものと期待が集まる。

 

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 「十日町道路」は2017年11月に供用開始した八箇峠道路・八箇インターから国道117号を超え、信濃川を渡河し国道253号・十日町市北鐙坂に接続する事業延長10・8㌔。長岡国道事務所が1月公表のルートは、従来の幅500㍍のルート帯を絞り込んだルートで、今年は道路の中心線を決める、つまり詳細な正式ルートが決まることになる。

 1月のルート公表で明らかになったのは「国道117号」との接続点にハーフインターの設置。六日町方面だけ出入口を設ける。その先、信濃川寄りにフル規格の十日町インター(仮称)を設置。地元組織の「水沢地区インター推進協議会」では「当初構想から国道117号とのインター接続はあったが、フル規格では周辺の土地を含め、飯山線もあるため事業が大規模になるためハーフインターにすることで、その先のフル規格インター設置により、インター周辺の土地利用の可能性が期待できる」(川田一幸会長)とする。

 そのインター周辺土地利用は、市が研究協議会的な組織を地元と共に立ち上げ、取り組みをスタートさせる方針だが、新型コロナの影響で進まないのが実情。ただ、利用構想は、「十日町病院改築予定地」の時の利用構想を全面的に見直し、5分野の利用方針を示し、これをベースに今後検討に入る方針だ。

 それは、「休憩機能=駐車場・バス停・シャトルバス発着所など交通ターミナル整備」、「観光振興機能=情報発信基地・農業・アウトドア・スポーツ体験など」、「レクリエーション機能=イベント広場・災害時の防災拠点機能」、「環境保全機能=自然エネルギー活用の地域エネルギーシステムの整備」、「産業振興機能=既存工業団地への企業誘致拡大・地場産品販売」などで、想定する5事業分野で土地利用研究に取り組む方針だ。

 一方で、十日町インター設置の予定地は、現在水田地域で、十日町道路ルート前から水田の区画整理、圃場整備事業(100㌶規模)に取り組むことになっており、今年から事業化がスタートする方針。だが、十日町道路ルートの具体化で、インター建設用地が確定することで、水田区画整理の事業に取り組めるとする一方、「インターの設置が具体化しないと、水田をどう区画整理しようかも協議できない」と、同時進行の難しさを指摘する声がある。

 十日町道路の地元推進組織、水沢地区インター推進協議会・川田会長は「どちらが先というより、同時進行の事業だが、圃場整備は今年から始まると聞く。十日町道路の詳細ルートも今年決まる。まだ市から具体的な方針がない。この新型コロナが、こういう所にも影響している」と話す。ただ、長岡国道事務所が今年決める詳細ルートにより、十日町道路事業は、いよいよ本格的に動き出すことになる。なお、市街地と十日町インターを結ぶ「市道・高山水沢線」はすでにルート決定し、事業に本格的に着手しており、インター接続と共に国道117号の「バイパス機能」もあり、早急な整備に期待が集まる。

 一方、信濃川の対岸、吉田地区でインター設置要望の運動が始まっている。地元の吉田地域自治振興会が主体で取り組み、振興会内に『十日町道路西インター建設委員会』を立ち上げ、関係集落からの要望事項を取りまとめ、具体的な要望事項をまとめ、十日町地域振興局、市当局、県議、国会議員などへのインター設置の要望運動に取り組む方針だ。

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インタビューに答える宮川幹雄氏(5日、野田沢で)

営農システム支援で生活基盤作り

第7栄村長に宮川幹雄氏就任 15日初登庁

 栄村長選で現職に大差をつけ初当選した宮川幹雄氏(66)は来週15日就任する。当日は朝8時半、役場玄関で職員の出迎えと花束を受け、同9時から庁舎内の文化会館かたくりホールで職員に初の挨拶を行う。なお、宮川村長の初議会は6月15日開会予定の6月定例会で、初の施政方針表明を行う予定だ。

 なお、現職の森川浩市村長は14日が在職最終日となり、同日午前10時から議会全協で新型コロナウイルス対応の国の給付金関係や村支援策など総額1億9293万円の村長専決処分(1日専決)など報告する。午後5時、村長室前で職員に最後の挨拶をし花束を受け、職員に見送られ4年間通った役場庁舎を後にする予定だ。

 

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 村長選で現職に得票率18・08%の大差をつけ初当選した宮川幹雄氏(66)は来週15日、第7代の栄村長に就任する。妻有新聞社は5日、就任前インタビューを行い、今後4年間の村政方針を聞いた。宮川氏は「将来を見据え、選択と集中により、魂を込めてやるべきことはやる。役場と村職員は村民のためにある、そういう雰囲気を役場内と共に村全体に創り出していく」と、村政姿勢の一端を話している。

  ——選挙公約で関心を集めて一つに営農システム支援室があるが、

    どんな職務と活動に取り組むのか。

 「栄村の基幹産業は農業。その農業は生活と深く関わる。来年10周年を迎える北部地震だが、あの震災後、復興事業で集落営農集団に大型農業機械が導入されている。この更新が必ず来る。相当な費用が求められる。一方で集落内には独り暮らし世帯やお年寄りだけの世帯が多い。こうした集落のあり方を、営農を主体に生活支援するシステムづくりを、行政として支援していく」

 「第5期となる中山間地域直接支払制度では集落戦略を作る必要があり、この中で営農活動と共に住民生活を支援する事業化に取り組む。例えば集落内で仕事の関係で通院できない家族を他の住民が手助けしたり、農業の人手が欲しい時には作業協力し合うなど、集落内で相互に支え合う。将来を見据え集落法人同士の一体化や、法人化の拡大なども考えられ、それを行政が手助けし、橋渡し、支援する。法人の拡大で次代を担う人材の育成も行い、若者の定住にもつながるはず。まずはモデル的な地域で取り組み、検証しながら全村で取り組みを広げたい。これは住民生活の基盤づくりにもつながる」

 

  ——栄村産業の一つに観光事業があるが、どう取り組むのか。

 「まず考えたいのは、栄村の観光とは何なのか、ということ。少なくとも不特定多数を対象にした観光ではないはず。栄村の文化や歴史、さらに自然に魅力を感じる人とのつながりを大切にし、その広がりで栄村を訪れる人を大切に迎えているのが栄村の観光ではないのか。ある意味、特化している観光ともいえる。これに体験や学習分野を加え、食や伝統行事や風土も加わり、その魅力がさらに増す。そのためにはここに暮らす人たちの意識も大切。この自然、この伝統と歴史に誇り持つ、それは社会教育に通じる。公民館活動の大切さでもある。観光協会との関係や観光事業のあり方など、栄村観光とはなにか、ここから考える必要を感じている」

 

  ——教育行政の長い経験から、子どもたちを育てる体制づくりとして

    保育園・小学校・中学校の連携の必要をあげているが。

 「保育園段階で教育的な要素を求める保護者に応えるためにも、小学校との連携は大切。保育園・小学校・中学校全体で100人を切っているなか、小規模だからできることがある。教育の場に世代を超えた交流教育の場があってもいい。義務教育学校・小中一貫校を考えたい。この教育の場に村内外からの人材による講座があってもいい。栄村全体で子どもたちを育てる、そんなムード、雰囲気を村内につくる」

 

  ——透明性ある役場組織、風通しの良い組織にも言及しているが。

 「村職員は村民との関わりの中で育っていく。村の人たちと話すことが第一。その中で職員は、誰のために、何をすべきかを感じ取るはず。デスクワークも大切だが、できる限り顔と顔を合わせ話をすることで、必ずや感じ取るものがあるはず。それが村民のための行政につながる。それにより、村内に役場は自分たちのために頑張ってくれているという雰囲気が生まれる。行政の仕事とは何か、すべては村民のためという意識づくりにつながる。村民との対話は一番の職員教育の場になる」

 

  ——選挙公約の中に保健師のなんでも相談室があるが、これはどういう

    イメージで取り組むのか。

 「私が20代の頃、福祉分野を担当した時、県のケースワーカーと2人1組で村内のいわゆる生活弱者の皆さんを毎月1回家庭訪問した。ケースワーカーは『ばあちゃん、足はどうだい、じいちゃん、元気かい』などと気軽に声を掛け、世間話までして各家を訪ね歩いた。ケースワーカーの声掛けで家の人の表情が変わり元気になるのが分かった。こういう取り組みは、一人暮らし世帯やお年寄りだけの世帯が増えている今こそ必要な取り組みではないか。村に保健師が4人いる。保健師が定期的に家を訪問し、なんでも相談を受けることで、漠然とした生活への不安感が薄らぎ、必ずや栄村に暮らす安心感につながるはず。公民館に集まって下さいでは、限られた人だけになってしまう。出向く福祉が必要だ」

 

  ——財政面の見直しにも言及しており、収入に見合った支出、これを村財政の

    基本姿勢にあげている。

 「当然といえば、当然のこと。収入がないのに、支出が増えればどうなるか、誰でも分かること。だがそれでは緊縮、緊縮だけになってしまう。行政経費の全般的な見直しがその基本だろう。いま本当にこの予算は必要なのか、この事業はどうなのか、そうした視点を常に持つこと。それは行政事業の『選択と集中』でもある。やるべきことは、魂を込めてやる、その気概で取り組む。将来をしっかり見据えた選択と集中である」

 

  ——村長就任早々、待ったなしの新型コロナウイルス対策になる。

 「一人10万円の特別定額給付金や事業の減収を救済する持続化給付金は事務レベルですでに取り組んでいると思うが、国や県が対応できない分野を、村としてどう対応するか早急に考えていく」

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信濃川橋通行止め、住民生活を直撃

復旧めど立たず、路線通学バスは迂回

 信濃川の左岸、津南町押付など外丸地域の主要な生活道である国道405号・信濃川橋は右岸側(大割野側)の橋接岸の道路面陥没により今月1日から全面通行止になっている。管理する十日町地域振興局では「原因調査中で、修復方法など検討し早急に復旧させたい」(維持管理課)とするが、復旧のめどは立っていない。

 国道405号・信濃川橋は昭和37年建設で左岸の下平・外丸地域や飯山線津南駅と町中央部を結ぶ需要な生活道路。路面陥没は県の河川パトロールで見つかり、路面に長さ幅2㍍、深さ3㍍ほど橋の接岸部分が陥没。このため1日午後6時45分から信濃川橋を全面通行止。安全が確認された脇の歩道橋は3日午後1時から通行を再開している。

 県によると、路面陥没の原因調査の地質ボーリング2本を行い、橋台部分の損傷などを含め調査に入っている。調査結果をもとに今後の復旧工程などを決める方針だ。

 なお、信濃川橋の通行止で左岸・川西地域の路線バスは津南駅で折り返し、辰之口・豊船橋を渡り国道117号を経由し津南病院へルート変更している。高校生通学の津南駅は右岸側から多数が利用するため、末日からの高校再開の影響が心配され、川西地域からの救急搬送、さらに地元に商店がなく、生活面で不便を強いられている。

大割野側の接岸部分の道路が3メートル陥没した信濃川橋(4日)

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車両通行止の信濃川橋。橋の先100メートル余が津南駅。住民の不便が続く(4日)

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委任状を受けた佐藤さん(左)と久保田さん

地域活性化の核に

ミッション型に久保田さん、佐藤さん

 地域活性化を支援し地域の変化を促し、産業振興・観光交流などの事業に取り組む十日町市「ミッション型地域おこし協力隊」の委嘱状交付式が1日、市役所で行われた。新隊員として糸魚川市出身で前まつのやま学園長の久保田智恵美さん(61)と、新潟市出身で都内から移住の佐藤あゆさん(30)が着任した。

 これまでの隊員は集落に住み担当地区で活動しているが、ミッション型(任務型)は市役所の担当課、協力隊員、その雇用主が地域づくりミッションを共有。実現のため三者が連携し、取り組みを進める。地域活性化事業に取り組む事業主が隊員を雇用する形となり、必要な経費や人件費などは、市が委託料として雇用主に支払う。市は30年度からミッション型の設置要綱を策定して昨年度からクロステンで隊員一人が活動している。

 久保田さんは観光物産と農産物を扱う「湯米心まつのやま」に所属し、担当所管課は松之山支所地域振興課。松之山公民館を拠点にして関係人口拡大や山村留学実施計画推進を行う。「留学先進地、先進校を研究して計画を立て、松之山の特色を活かして『雪里留学』にしようと思う。困った子やニーズのある子だけではなく、若い保護者はスキーなど付加価値があれば、ここを教育の場にしたいと思うだろう。まつのやま学園の教育課程が良いという人に来てもらえるようにしたい」と語る。

 佐藤さんは土市の観光会社「Home away from Home Niigata」に所属、市観光交流課が担当所管課。大地の芸術祭地元サポーター支援、関係人口拡大業務全般とマーケティング調査研究を行う。大学では観光学部に在籍し、観光関係の会社に勤務してきた。「芸術祭がきっかけで十日町の魅力を知りました。地域資源と人のスキルを高め、いかに旅行商品として変換していくかを考えます。芸術祭だけではなく、年間を通じて十日町でアートを楽しめるきちんとした仕組みを作っていきたい」と意気込みを見せた。

 関口市長は「市として解決したい課題と、それぞれが属する会社は同じ方向を向いている。教育と観光分野で二人が持つ能力を発揮して、良い成果が出ることを願っています」と期待していた。

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みごとに満開に咲いた記念樹の八重桜(7日朝)

信者の思い、八重桜が満開

庭野日敬師​生誕100年記念樹

 「思いが花になって咲きました」—。世界的な宗教家で立正佼成会を創立した庭野日敬氏の生誕100年を祝い、平成17年に東京・足立教会など各地の教会が菅沼道場に近い市道わきに植樹した八重桜70本余りが連休中に満開となった。十日町教会の木下悦男教会長は「新型コロナの終息を願う開祖・教会員みな様の思いが形となって表れたよう」と平和を希求し続けた日敬氏の思いと重ね合わせている。

 この八重桜は、「開祖生誕100年記念」として植樹。毎年5月の連休に花見を開き、交流してきた。10月には盛大に生誕地まつりが開かれるが、昨年は台風の影響で中止、今年も新型コロナにより開催が心配されている。そんななかできれいに咲いた八重桜。「この花のように盛大に生誕地まつりができるように」、そんな声が広がっている。

2020年5月2日(土)

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病院再編に上がる県立松代病院。存続の意義が高まる(30日)

病院再編統合、根本見直しを 新型コロナで

 新型コロナウイルス感染拡大により首都圏、とりわけ東京都が医療崩壊の現実に直面するなか、国が昨年9月に示し、新潟県も昨年11月に提示した病院再編方針が、今回の感染症で見直しを迫られる事態になっている。新コロナの感染拡大で首都圏の患者受け入れ医療機関は、すでにオーバーフロー状態と共に、医療従事者は過酷な医療活動を強いられ、医師・医療機関が充実しているとされる首都圏で、医療体制のあり方を根本から見直す事態に陥っている。一方で、地域医療資源が不足する中山間域にある県立病院など自治体病院、開業医院などの重要性が高まり、国や県が示した病院再編・統合とは逆行する「地域医療における医療機関の重要性」が高まっている。

 

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 十日町市中魚沼郡医師会は先月8日、新型コロナウイルス感染拡大を懸念し、緊急記者会見を開き、「妻有地域で新コロナ感染が蔓延した場合、医療崩壊し、救える命が救えなくなる」と危機感をアピールした。医師会は毎週数回会合を開き、刻々と変わる事態に対応するため、妻有エリアで感染者が発生した場合、感染が蔓延した場合など最悪想定での医療対応などを検討している。

 一方で地元行政も感染拡大予防の徹底を防災無線や広報、インターネット活用などあらゆる手段で呼びかけ、「不要不急の外出を控える」「農業シーズンだが帰省や帰郷を控える」など、妻有エリアでの新コロナ発症を防ぐため懸命の取り組みを続けている。

 感染症予防と共に発症者が出た場合、地域医療機関の存在が極めて重要になる。国や県が再編・統合に上げた県立松代病院は欠くことができない存在だ。医師会では具体的な公表はしていないが、万一の場合、新コロナ感染者が発生した時の医療機関同士の対応を検討している。その中で、二つの県立病院、町立津南病院、さらに妻有地域の開業医院との連携なども検討、協議している。2次医療の拠点の県立十日町病院、それをサポートする松代病院、津南病院、さらに開業医院。限られた医師数、看護師数など医療従事者の臨戦対応が求められる。

 医療関係者は話す。「今度の新コロナは、この国のあり方、国全体の医療体制のあり方が問われている。再編統合の課題、問題点が大きく浮上している。昨年国や県が示した医療機関の再編が進んでいたら、この新コロナはさらに深刻な状態になっていただろう。これを契機に地域医療の重要性をしっかり発信し、国や県は地域医療の重要性をい再認識すべきだ」と話している。

地域医療の重要性、国県方針再考を

 新型コロナウイルス感染拡大で地域医療の重要性が高まるなか、地元行政、医療機関はどう考えるか。県立病院、地元市町長に聞いた。

地域医療確保、求められる松代病院

松代病院・鈴木和夫院長

 県立松代病院は、2025年に向けた国の「地域医療構想」では、「再検証要請対象医療機関」とされた。また、県病院局の県立病院経営委員会からは、「再編統合」や「設置・運営主体の見直し」などが提案されており、本年9月までに、これらに対して一定の方向性を示すことになっている。

 しかし4月末現在、世界中で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、国内では緊急事態宣言が出され、イタリアやアメリカのような感染爆発が日本国内でいつ起こっても不思議ではない状況だ。

 当院も、関係機関と共に、地域の医療確保のため、いま求められている松代病院としての役割を果たすよう準備を進めている。当地域で感染が拡大した場合、想定した以上の甚大な被害が生じるかもしれない。

 今は、「地域医療構想」「再編統合」よりも、予測の困難な「新型コロナウイルス感染症対策」に目を向けるべき状況だ。

都市と田舎のあり方、根本から考え直す

十日町病院・吉嶺文俊院長

 新型コロナウイルス感染症を契機に医療システム、社会生活の見直し、さらに国の社会制度の見直しが迫られている。これは国のあり方を見直すことで、新コロナ前の医療再編の論議を超えるものである。先ずは新コロナを乗り切ること、これが最優先だ。

 一方で、都市集中のこれまでの大病院主体の医療だけでは、今回のような感染症医療に対応できないことが明らかになっている。大都市集中の医療体制のあり方の見直しに迫られているのも事実だ。ここ妻有のような高齢化で過疎化が進む地域で、新コロナを乗り切れれば、ゼロに抑え込めれば、相当なるインパクトとして強いメッセージの発信になる。医師も医療機器も脆弱で過疎化が進み困ったと言われた地域で、新コロナを抑え込めれば、これまでの都市と田舎という単純な比較論では語れない価値が生まれるはず。そこには、すでに考え方として始まっている生き方の価値観の変化が大きく作用するだろう。哲学的な考え方で都市と田舎のあり方を根本から考え直す契機になるだろう。

 新コロナ感染症で都市医療の弱い所が露呈している。東京の大失敗が明らかになったが、今度の新コロナは根本部分から国のあり方を考え直す契機になる。地域医療の拠点の一つ県立松代病院をどうするかの論議の前に、この国のあり方、医療のあり方を考える契機として新コロナ感染症を捉える必要がある。いまの最優先は新コロナを抑え込むことである。

医療再編統合、撤回含め見直しを

十日町市・関口芳史市長

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染した患者の診療と通常の医療の両立が困難を極め、医療資源が充実した首都圏でさえも医療崩壊の危機が迫っていると連日報道されている。

 当市でも一人の感染者も出さぬよう全力を挙げているが、医療資源が脆弱である当地域においては、ひとたびこうした感染症が蔓延した場合、本来救える命も救えない状況に陥る恐れがある。

 世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症により、あらためて地域医療の重要性が認識されている。国や県が示す医療再編・統合等の考え方は、当市の高い高齢化率や山間豪雪地という地域の実情を踏まえていないだけでなく、財政事情を理由に人の命を守る地域医療体制を揺らがせるものです。今回の災害級の有事では、全国的にも医療の確保が求められているが、逆行するかのような医療再編・統合等は撤回も含め見直すべきものと考える。

不採算医療の重要性、役割分担の明確化

津南町・桑原悠町長

 当初、国は2020年秋までに医療圏ごとに再編統合の結論を出してほしいとしている。しかし、今は医療機関が新型コロナウイルス感染症対策の最前線にあり、その予定で進めるのは難しい。この感染症拡大を通して、救える命を落とさないように医療を集約し機能をさらに高める必要にある。不採算でも必要な医療を行っていく所など、病院の役割分担をより明確化しないといけないと感じている。

 妻有地域の3つの公立病院は、今回のような危機対応の時には連携の取りやすさがある。十日町地域消防の力も大きい。面的な連携を深め、役割分担を加速していくべきだと考える。また、公立病院としては不採算医療や政策としての医療を皆さんの税金で行なっている。私は、他の福祉分野や教育の地域格差が拡大しないようもっと予算配分しなければとの思いがあり、不採算や政策医療の中身の精査・検討はいずれにしても必要だと考えている。

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生活支援、大規模補正54億円 新型コロナ対策

雇用助成1万円に、水道料半額、学生3万円給付

 新型コロナウイルス感染による国の特別交付金に伴い十日町市は第一弾として総額54億5420万2千円を専決処分する。専決は国の予算可決時点としている。関心が高い国民一人当たり10万円給付金は今月7日に全戸に申請書を送付し、申請期間は8日〜8月7日まで、給付開始は今月12日から。オンライン申請は1日から行っている。交付基準日は4月27日現在の住民基本台帳の記載者となっている。関口市長は「これは第一弾であり、今後も第2弾、第3弾の市民を守る支援策に取り組む」とする。 

 専決処分での市民支援は、水道料金を6月検針分から基本料金を6ヵ月間、半分に減額(予算額8500万円)。市水道給水区域外も助成する。

 地域経済界の支援は、雇用維持継続支援で国規定の雇用調整助成金の限度額8330円に、市単独で上乗せし1人1日1万円の助成額とする。さらに雇用調整助成金の交付申請の委託料助成(上限10万円)、休業支援で県助成に10万円上乗せ(総助成20万円)、県助成対象外の宿泊事業者に市単独で20万円給付。信用保証協会の保証料(420万円)、経営相談支援(100万円)、飲食店情報発信支援(総額100万円)など支援する。

 さらに入込が激減する温泉施設には温泉使用料減免で松之山温泉事業会計を3ヵ月分減免(285万円)。ごみ処理料金は7月からの料金改定分を来年3月末まで減額。

 一方、教育分野では市奨学金貸与者で自宅外遊学者に生活支援金1人3万円(総額246万円、82人分)給付。修学旅行キャンセル料支援で173万円補助。学校給食の食材損失支援で704万円を食材納入者に支援。児童手当給付世帯に児童1人1万円を給付。医療現場支援では国保診療所に医療防護服300着などを支援する。

 なお、国民1人10万円給付金は十日町市では総額51億8423万2千円になる見込みだ。

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休業で​駐車場も閑散としているクロステン(30日)

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「閑静の街」、人も車も

新型コロナで休業相次ぐ

 ◎…非常事態宣言の街は、静かで車も少ない。大型連休には早朝から渋滞気味になる国道117号の交通量も少ない。自粛、自粛と、新型コロナウイルス感染拡大の予防に取り組む人たち。「先が見えない不安感が日ごとに増しているが、みんなが一緒なんだと思うと、自分だけじゃないと気持ちを入れ替えている」と話す住民。6日までの全国に出ている緊急事態宣言の1ヵ月延長が決まり、各自治体では7日からの学校再開を延長する動きも見られる。大型連休の時期は農作業が本格的に動き出す時期でもあるが、各自治体では「農業の手伝いでの帰省やふるさとに帰る帰郷は控えてください」と、感染拡大予防への協力を連日呼び掛けている。

 ◎…ここは道の駅・クロステン。例年の大型連休は第2駐車場まで満杯の車が数えるほど。十日町地域の特産販売の拠点の休業で来訪者はない。「大型連休でこの光景は初めて」と地元民。同様に国道117号沿いの県境の道の駅「信州さかえ」。大型連休は毎年駐車場をあふれる車が来訪する観光拠点のひとつ。連休スタートの29日昼時、広い駐車場には1、2台の車だけ。津南町観光物産館も休業で同様な光景。大型連休には見られない『閑静の街』の姿を見せている。

例年大型連休は車があふれる信越栄だが、この通り(29日昼時)

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発熱外来、新型​コロナ予防 県立十日町病院

野外テントで検温など

 県立十日町病院は新型コロナウイルスの感染予防で病院玄関入口を北玄関口だけに限定し、病院に入る前の検温と手洗い、マスク装着を義務付け、面会を原則禁止にした。

 新しい外来棟正面玄関は閉鎖し、病院改築中に使用の「北玄関」を病院玄関として一本化し、検温・手洗い・マスク装着を必須とした。検温で37度以上の来院者は専門職員の指示に従い、仮設テントの発熱外来で受診する。入院面会は原則禁止とした。十日町病院℡025-757-5566。

北口玄関で検温後、発熱者は仮設テントへ。正面玄関は閉鎖。

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花束を受け少し笑顔の宮川氏。終始厳しい表情だった(26日午後10時前、野田沢で)

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落選を受け、参集者に深々と頭を下げる森川村長(26日午後9時42分、志久見公民館)

244票の大差、宮川幹雄氏が初当選

栄村長選挙26日投開票、投票率は85.71%

 任期満了(5月14日)に伴う栄村長選は26日に投開票され、新人で元教育長の宮川幹雄氏(66、野田沢)が、現職で2期目をめざした森川浩市村長(60、雪坪)を244票差で破り、初当選を決めた。獲得投票数は宮川氏797票、森川村長553票。投票率は85.71%で、前回選(2016年)を1.11ポイント下回った。

 当日有権者数は1589人(男759人、女830人)。投票総数は1362票(うち期日前投票335票)。有効投票数は1350票、無効票は12票。投票率85.71%(男90・91%、女80.96%)。

 

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女性支持に手応え、「良心の勝利だ」 宮川幹雄氏

 宮川選対は候補の地元、野田沢公民館で午後8時半から開票待ち。選対幹部などマスク姿の20人余の限られた関係者が開票結果の一報を待った。午後9時半、「得票は分らないが勝った」と開票会場の選対関係者から当確の一報が入ると、大きな拍手と共に「やったぞ」の大歓声がわき起こった。同40分には村広報無線が開票確定結果を流し、「宮川幹雄797票」が流れると、さらに大きな歓声と拍手が。その後、会場に宮川氏は夫婦で姿を現すと、ひときわ大きな歓声と拍手で迎え、宮川氏は「ありがとう、皆さんのおかげです」と深々と頭を下げた。

 当選を知った支持者が続々と詰めかけ30人ほどに増えた野田沢公民館。選対本部長の宮川吉郎後援会長は「新型コロナでどういう選挙をすればいいのか難しい選挙だった。宮川候補は2回3回と全村を回った。現職2期目は強いと言われる選挙での当選、ほんとに嬉しい」と感謝、さらに取材に答え「選挙戦の後半、女性の反応が良かった。終盤は女性の支持の手ごたえを感じた。副村長には村民から信頼される人を置いてほしい」と新村長への要望を話した。

 さらに村議で森川村政と対峙してきた保坂良徳幹事長は「厳しい選挙戦だった。森川政権を倒し、皆で仲良く、未来に向かって語り合える栄村を作りたいと昨年から始まった今度の村長選。宮川氏がどんな栄村を創るかは皆さんの力にかかっている。今度の勝利で一歩、明るい栄村づくりに近づくことができた」と参集者に呼び掛けた。さらに取材に対し「今度の結果は村民の良心の勝利である。これまでの森川村政を村民がどう受け止めていたのか、村民はそれをよく見て判断したのが今回の結果。まさに村民の良識の勝利」とする。

 大歓声に迎えられた宮川幹雄氏に笑顔はなかった。「いまは緊張感でいっぱいだ。新型コロナウイルス対応を考えると、どう取り組むべきか、これは大変なことだと、さらに緊張感が高まっている」と新村長に迫られる責務を述べた。さらに「皆さんの支持でこの結果を得る事ができた。今の栄村を変える、その約束を果たしていく。まずは和を持って、忍耐を大事にして、最後は自分で決断していく。仲の良い、気持ちの良い、心配のない、未来につながる栄村を作っていきたい」と抱負を語り、ようやく少し笑顔が見えた。

宮川幹雄氏 当選の抱負

 村民の皆さんは4年間の森川村政をよく見ており、「おかしい」という思いがこの選挙結果に表れている。選挙に勝ったというより、森川村政4年間のやり方は、これまでの村政とは違っていた。それが随所に見えた。村民はこれにノーと言う判断をした。(森川村政の)継続には疑問という結果である。

 県北部地震から来年で10年になる。財政が厳しいなか、膨れ上がった村財政を限られた収入に見合った支出を考えなければならない。国や県にお願いするのは当然だが、なによりも大事なのは村民とのパイプ。そのためにも村職員を信頼し結束力を高めることが必要。

先ず3つの取り組みをしたい。「財政を適正規模にする」「シンプルで風通しの良い役場組織にする」「地域営農システムを作る」。役場の雰囲気を変えるためにも、職員の職務意識をあげるため職員対話を重視したい。

 栄村の産業は農業である。農業者を直接支援するシステムを作る。それは集落を支援するシステムでもある。集団(集落)営農が地域の活力になり、生活の安定になるよう支援するシステムを考える。営農集団の法人化により農業だけではなく、総合的な支援システムによる支え合い体制を作る。それが地域の支援と支え合いになり、地域一体の生活基盤づくりに通じる。

 副村長は早く置きたい。ただ人選は慎重に考えていく。目安箱は撤去する。村民の声はいろいろな形で聞く事ができる。

実績アピール浸透せず破れる 森川浩市村長

 「この4年間の実績が村民に認められなかった結果。私の不徳の致す所。これも村民の選択。私の方もしっかりと自分自身を見直したい」。落選を受け午後9時40分過ぎに志久見・雪坪公民館に現れた森川浩市村長は、参集の支持者40人余に深々と頭を下げた。

 コロナウイルスの影響で集会が開けず、前例のないチラシで政策を訴える形で進んだ今回の村長選。獲得票は553票、三つ巴選だった4年前と比べても、160票余減らした。現職の森川村長は新型コロナ対応のため役場に詰めることが多く、マイクを持ち直接村民に語る機会は少なかった。「集落の皆さんに直接話ができなかったのは切なかった」と残念がる。

 『日本一安心できる村』を掲げた1期4年間の実績を強調し『行政は継続』を前面に出した今回の選挙。特に国県との繋がりによる事業推進をアピールしたが浸透しなかった。「国県との繋がりは村には必要。財政は補助金が少なくなり、これから厳しくなると思う。自分の場合、村単事業を減らし補助金を活用し、貯金を増やして来た。今後、国県は保守系しか見ないのでかなり厳しい状況となる」と持論を語った。

 支持者からは『まだ若い。4年間、次また挑戦しましょう』と激が飛ぶ一幕も。森川价政後援会長は「大変残念だが、森川浩市をとうとう落としてしまった。皆さんと共に栄村を良くする気持ちで頑張りたいと思う」。一方、森川村長は「4年後はいろいろ考えたい。自分はもう60歳。これからはもっと若い、40、50代が出て来る時代。大卒で友人が全国にいるようなレベルの方がこの村に帰ってくればと思う」と語った。

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