
2020年10月
2020年10月31日(土)

今季2匹目のサケを確認する宮本理事。「本当に愛おしいね」とすぐに上流の魚道に放流した(右、16日朝、西大滝ダム魚道で)
サケの「食文化」再興を
採捕時間限定で上流遡上を
◎…連日、西大滝ダム魚道にもサケが帰って来ている。地元高水漁協が遡上確認を行い、今期の初遡上は今月15日。以降連日遡上を確認し、28日までに25匹が遡上。25日には一日の最高5匹を確認している。下流の宮中取水ダム魚道は28日までに918匹で大きな開きが生じているが、中魚漁協では「宮中ダムから上流には清津川、中津川、志久見川があり、それぞれ遡上しているようだ」と見ている。同漁協は県知事認可で採卵・稚魚育成のための採捕許可を受け、宮中ダム魚道で採捕している。今月20日時点で339匹(メス128匹、オス211匹、20日時点遡上数689匹)を採捕し採卵事業に取り組んでいる。
◎…西大滝ダム魚道で10年間、遡上調査の確認作業にあたる高水漁協・宮本惣次理事(82・飯山市)は初遡上の翌16日、オス75㌢、4㌔の元気なサケを見て話す。「よくぞ帰って来てくれた。本当に愛おしい。今年は長野県で放流の稚魚がそろそろ帰って来る年だけに期待している。元気に跳ねるサケを見ると本当に嬉しい。来月10日まで何匹見られるか、期待している」と感慨深く話している。
◎…一方でサケの「食文化」の復活をめざす動きもある。中魚漁協・村山組合長は、古来から妻有地域の信濃川流域ではサケの「食文化」があったことに着目。新たなサケの食文化の構築に取り組んでいる。「かつてのサケの食文化を復活させたい。ここ妻有地方ではサケを食する文化があり、サケが獲れなくなり廃れてしまった。だが、河川環境が良くなり、今年も千匹に迫るサケが上がってきている。採捕による採卵、稚魚放流の循環が必要だが、遡上してくるサケの活用も考えたい」と話す。さらに「今期、試行的に取り組んでいることがある。サケの遡上による地域住民の関心を高め、さらにかつてのサケの食文化を復活させ、それをさらに河川環境の改善と保護につなげていきたい。その循環が地域の河川への関心をさらに高めることにつながるはず」と話しており、冬季を活用し、試作品づくりに取り組む計画だ。

関口市長や桑原町長ら魚沼5首長と花角知事が意見交換(22日、ベルナティオで)
高校再編、県教委に知事進言を
魚沼エリア知事懇談会 津南中等校・松之山分校にも言及
知事と市町村長が直接意見を交わす魚沼ブロック懇談会は23日ベルナティオで開き、魚沼エリア5市町長と花角知事が出席し意見交換。懇談は非公開だったが、1時間半の予定が30分余り延長するなど活発なやり取りがあったという。この日は県立津南中等教育学校、県立十日町高校松之山分校の存続要望を求めた。花角知事は「ICT活用で教育が変わっていくのでは。新型コロナでオンライン授業が普及。少人数学級でもICT活用で質の高い教育を実現できるのではないか」と見解。一方で「大勢の中で共同作業する、例えば部活などは小規模校では難しい。そうした社会性を鍛える教育をどうするかはまだまだ議論すべき所はたくさんある」と課題の一端を述べた。
知事と首長の懇談会は3年前から県内5ブロックで継続し行い、県庁職員が同席し傍聴する形を取る。終了後、関口市長は「それぞれの首長が言いたいことを言った。花角さんになりコンスタントに懇談会を開くようになったのは凄い変化。県幹部が出た意見をちゃんとフィードバックしてくれるのは信頼感が高まる仕組み」と評価。懇談では松之山分校と津南中等校の存続について意見したことを明かし「あえて津南町長がいる前で話をさせて貰った。県においても総合教育会議というシステムがあり、知事も教委に物申すことができる立場でもあると確認できた。知事の考えをしっかり聞き、それが教育行政にどう反映されるか興味を持った」と話した。
一方、桑原町長は同日午後に沖ノ原のスマート農業実証実験地を花角知事が視察したことを話し「高齢化や人手不足の問題がある農業。だが津南町には県目標の園芸1億円産地増に向け優良農地があり、魅力ある農業作りへさらに協力をお願いした」とする。津南中等校など中山間地の教育環境維持については「魚沼の地域で頑張りたいと言う子どもたちのため、教育の可能性を残したいと伝えた。医師不足の地域だが、医師を輩出できる質の高い学校教育が実際に行われている。魚沼地域全体の教育力を高めるためにも必要と話した」と要望を含む懇談内容の一端を語った。

密を避けての防災訓練でエコノミー症候群防止体操を行う外丸地区民
外丸地区 「密」を避ける防災訓練
笹沢少年消防クラブや「黄色いハンカチ防災」など妻有地域で先進的な防災活動に取り組んでいる津南町の外丸本村地区(約130世帯)で25日、震度6強の地震発生を想定し新型コロナ対策を重視した防災訓練を実施した。
新型コロナの影響で「密を避ける」など防災訓練も難しさを増しているなか、同地区では防災委員らが避難先の集落センターや旧小学校に避難してきた全員の体温をチェック。「寒気やだるさはありませんか」など18項目に渡る『新型コロナチェック』を実施し、発熱のある模擬対象者は避難者から隔離したほか、地区民が集まった体育館でも密状態を避ける分散避難を行った。
訓練担当の涌井稔章さんは「難しい訓練だったが想定通りにでき、万一の時に生かしたい」と話た。会場では他に少年消防クラブによる心肺蘇生訓練や、避難先で長時間座って足を動かさないことで血液が固まりやすくなるエコノミー症候群の予防体操なども実施した。

縄文村で行った第1回つなんプレーパーク
第1回つなんプレーパーク
津南で思い切り遊ぼう—。自然のなかで子どもたちが思い思いに好きなことを楽しむ時間を作る、第1回「つなんプレーパーク」は先月22日、町なじょもん縄文村などで開催。親子連れなど40人余が参集。ノコギリを使い枝を切る工作、焚き火でのマシュマロ炙りや芋を焼く火遊び、自由に広場を走り回るなどし、子どもが自ら遊びを選び作る環境で秋の一日を過ごした。
企画したのは共に幼い子を育てる江村大輔さん(巻下)とグリフィス恵さん(陣場下)。先駆的な取り組みをしている世田谷・羽根木や新潟市のプレーパークを視察するなか「子どもたちが自分の責任で自由に遊ぶ環境を津南でも作ろう」と2年前から構想。新型コロナ禍で一般参加呼びかけは難しかったため、それぞれの友人知人にSNSを通し連絡し参加を募り初開催。「羽根木プレーパークでは子どもたちは泥だらけになりながら遊んでいた。でも津南では良い環境はあるのに意外と外遊びを楽しむ機会が少ない。子どもたちのため、親のためにも今後も続けたい」と月1回程度の開催を模索する。協力者も随時募る。
≫どうする「核のゴミ」、来月15日講演会
≫新潟県にも防災条例を 小山県議が県政報告会で
≫予約システムを導入 清津峡渓谷トンネル 11月から施行、来年4月実施
≫自主防災、原発事故に備える UPZエリア下条地区で 防災無線で避難訓練、連絡網確認など
≫「山塩」、創業プラン審査でグランプリに
≫サケが来た 飛渡川、地元小学生も
≫新型コロナ対応支援、市観光協会事業
≫名器ベヒシュタイン、段十ろうで利用解放
≫「こんにちは」「你們好」三箇地区・台湾 新型コロナ禍でウェブで交流継続
≫ワクチン摂取料、全村民に助成
≫「口腔ケア大事」村健康増進講演会 オンラインで初実施
≫きら星・伊藤社長が移住戦略講座「ターゲット明確化を」
≫貴重種シロマダラ 秋山郷で偶然発見 夜行性、目撃例少ない
≫地域特性を明確化へ 桑原町長、年度内にWS開く方針
≫「書面なしで譲渡」、不可解さ増す 公社備品問題、村課長級職員 懲戒委で処分方針
≫100キロ過酷レース 苗場山麓ウルトラマラソン、過去最多の300人出場
≫「これはラクで最高」 秋山Goサイクリング、電動アシスト車で巡る
■好評連載
≫<新米ママ子育て日記457>「言葉遣い、いろいろです」
≫<神無月の表情>「おはよう・小中あいさつ運動」(十日町)・「みんなすごいねぇ・第36回町芸能フェス」(津南)
≫<本って最高・高橋しげ子218回>「ルドルフとノラねこブッチー」(斉藤 洋 作・杉浦 範茂 絵・講談社)
≫<野の花 不登校・ひきこもり達へのエール37回 樋口 清司>「自分で決める。焦る必要はない」
≫<とっておきの私の山行>関澤 慶春さん 「南アルプス5泊縦走」
≫<マイふぁみりー>「マイペースのチョコ」水落 友章
≫<小宮山雅志の思い出雑記帳26>「コメツキ虫」
≫<私の名作めぐり・庭野三省282>『啄木歌集(岩波文庫)その③』
ほか
2020年10月24日(土)

住民6355署名を提出の佐藤会長(中央)、受け取る藤山局長(左)。21日県庁病院局で
「知事、グランドデザインを」
県立松代病院問題
存続署名6355名提出、関口市長「新たな競技の場を」
国の医療機関再編に上がり、県が進める県立病院再編で地元自治体主体の運営が示されている県立松代病院の県立県営での存続を求め、地元松代・松之山など旧東頚地域が今春から取り組んだ「存続署名6355人」を地元代表者と関口芳史市長は21日、花角知事あての署名簿を県病院局・藤山育郎局長に手渡し、「県立県営での存続を強く求める」と直接要望した。地元まつだい地域振興会・佐藤實会長は「少子高齢化のなか県内屈指の条件不利地域であり、民間医療機関の参入もままならなず、他の医療機関へ行く交通手段もない地域と、利便性の良い他の所とを同じ土俵に上げないで議論してほしい」と切実な地域事情を訴えた。同行の関口市長は「昨年末も訪れたが、市と県の議論が深まったとは到底言えない状況であり、松代病院の問題を含め、圏域の医療と介護の体制をしっかり詰める新たな協議の場が必要と考える」と、新たな県と市との協議の場の必要性を示した。
◇◇◇◇◇
署名運動は4月から始め6月にはまとまっていたが、新コロナ自粛で直接要望を先送りし21日ようやく実現。今回は旧東頚地域7398人(松代2915人・松之山1584人・大島1415人・高柳1222人)に加え仙田地域(542人)の5地区で取り組み、同住民7940人に対し6355署名、80%を超える住民が賛同し、関心の高さを示している。
署名趣旨は「県営から十日町市主体の運営を前提に協議が進むことになり…山間へき地に暮らす私たちにとって、とりわけ高齢者は大きな生活不安を抱く。私たちの血の叫びを県知事に訴え、県立県営での存続を強く訴える」と切実な地域事情を訴える。
署名提出には地元から佐藤会長、松之山自治振興会・樋口一次会長、両会事務局の武田芳夫局長、中島一男局長の4人。市から関口市長、鈴木部長、樋口、福原両支所長。尾身・小山両県議も同席。佐藤会長は「我々が暮らす地は県内屈指の条件不利地域であり、民間の医療機関参入はままならないなか、松代病院は県立県営でなんとしても存続をしてほしい」と繰り返し切実に訴えた。
これに対し上越市出身の藤山局長は「この問題はまだ緒についたばかりであり知事も話している通り、地域の了解がない中での、県の一方的な都合で対処することはあり得ないことであり、皆さんと引き続き様々な議論を重ねながらより良い方向性を探っていきたい」と話した。冒頭5分以降の懇談は非公開となったが、佐藤会長は「局長から明確な回答はなかったが、我々が県庁に持ってきた地域の思いを真摯に受け止めますという言葉が聞かれ、もやもやが少しは取れた思いだ」と取材に答えた。松之山・樋口会長は「今後は県と市とのキャッチボールで検討を進めるという言葉を聞きで、地元の皆さんに報告したい」と話した。
一方、関口市長は昨年末の訪問以降、進展がない点にふれ「県から医療と介護の連関が重要という指摘があったが、昨年末以降、これまでに市と県の議論が深まったとは到底言えない状況である。今回の要望を受けた県の意見と、我々がそれをどう受け止めることができるか、今後キャッチボールの頻度を上げ、議論の熟度を高めていく必要がある。新コロナのせいかどうか、この1年間の議論はほとんど進んでいないというのが事実。ペースアップできると思っている」と話し、「松代病院の問題を含め圏域の医療と介護の体制をしっかり詰めていく、新たな協議の場が必要と考える。知事含め、大きなグランドデザインを県が示すことが必要ではないのか。それが地域住民の第一の安心につながると病院局長にお願いした。知事からお答え頂きたい」と地元行政トップとしての姿勢を示している。

畑に現れたクマ(9月5日、倉俣・大中田で、十日町市提供)

津南町沖ノ原に仕掛けたクマ罠(18日、同所には2基設置)
クマ出没、「新世代クマか」
十日町市・津南町・栄村で目撃120件
冬眠期を前にクマ(ツキノワグマ)の出没が多発している。十日町市・津南町・栄村の調べでは8月から今月20日までの3ヵ月余で65件の目撃情報が寄せられ、20日には十日町市中条地域で人が乗った車にクマが向かってきて衝突する事故が発生するなど出没頻度が増している。各市町村では音が出る物の携帯やクマと遭遇した場合の対処法などメールや広報無線など呼びかけている。新潟県鳥獣保護員に20年余在職した前保護員は「里に棲むクマと、奥山に棲み里に出てこないクマがいる。人が暮らす里では食料にありつける学習をして、親が子にそれを伝えている。新世代のクマが育っている」と、人の居住エリアとの距離がなくなっている現実を話している。
今月20日早朝、十日町市中条八幡の旧桂スキー場脇を150㍍ほど入った林道で地元男性がクマを発見。停車した軽自動車にクマが向かってきて衝突し山に逃げ去り男性は無事だったが、現場は民家から3百㍍ほどの場所。この他にもクマと遭遇したケースや国道横断するクマを目撃するなど今月に入り出没が急増。市町村では猟友会の協力を受け危険排除に乗り出し、十日町猟友会(池田富夫会長、85人)、津南町猟友会(大口友一会長、19人)、栄村猟友会(阿部徳太郎会長、24人)が出動要請を受け対応している。
地元自治体推薦で県が認定する新潟県鳥獣保護員は担当エリア決め配置される。20年余り在職し今春3月退任した中山弘氏(67)は、クマの生態や生息地である秋山郷や奥清津地域の実情をよく知る保護員でもある。「木の実が不作と言うが、山に入ると例年並みの木の実がある。出没多発の要因は山の不作というより、里山での生息方法が親から子へ伝えられ、それが冬眠時期を迎えると頻発に里に出るようになっている」と話す。その要因の一つはクマの食料となる農作物、特にスイートコーンの栽培の拡大という。「クマは20㌔先の匂いが分かる。コーンの甘さの匂いは相当離れていてもクマは分かる。母クマが子を連れてコーン畑に行く。それを子グマは学習する。それが代々引き継がれ、山奥でなくても食料を得られる術を知る。里山で生息できる環境を人間が作り出しているともいえる」。
中山氏は、里山で人の暮らしと野生動物の境界をしっかり作ることが必要という。「クマが身を隠す場所を里山近くではなくすこと。草刈りは大変だが一定の広さに草を刈り、そこに電柵を張り、ここから先は立入禁止だと、身をもって分かる措置が必要」と言う。だが、「本当に厄介なのはイノシシ。これは確実に人に向かってくる。クマより始末が悪いし、人への被害が心配だ」とも話す。
■クマ出没状況
十日町市=今月21日時点で目撃31件(昨年33件)。10月だけで9件の目撃。川治や姿、鉢などでは民家近くに出没。実際の目撃ではないが畑に落ちたクリ、未収穫の柿を食べた痕跡や畑に残る足跡を確認。20日は中条八幡地内の林道で車とクマが衝突する事故が発生するなどしている。市では捕獲の罠を1ヵ所に設置している。
津南町=目撃数は28件(昨年23件)。10月だけで10件の連続目撃。沖ノ原や津原などの農地での目撃に加え「国道117号線を横切るクマを見た」の通報が今井や小下里地内であり民家近くに出没の可能性がある。町は捕獲罠(円筒形型)を4ヵ所に設置している。
栄村=目撃数は69件(昨年86件)。国道117号線の森から白鳥間で通行人やドライバーが「斜面を登るクマを見た」など通報が多い。国道沿い住宅の柿を食べた痕跡も見つかり民家近くでの確認もされている。村では捕獲罠を2ヵ所に設置し対応している。
クルミの木に登っているクマ
クマ出没が相次ぐ今年。栄村白鳥地内で夜9時頃、クルミの木に登るクマを地元の月岡健治さんが撮影。「毎年クマが来ているので、一度撮影しようと思って何度も通い、張っていた。ずっと静かにしながらなんとか撮れた。実際に民家近くまでクマが来ているのは事実」とする。(2020年10月12日)
十日町市倉俣甲5290番地付近に出没したクマ
9月4日から6日、ほぼ同一場所に出没したクマ(十日町市産業観光部農林課提供)

農福観連携で町内宿泊者に贈る新米を詰める作業を共同で行った(9日、すみれ工房)
津南町 コメ農家と女将、農福観連携で
新米をプレゼントします|。新型コロナウイルスにより打撃を受けている旅館女将と農家が再びコラボレーションPRを始めた。『コメ農家×女将 また会いにこらっしゃい』プロジェクトが今月4日からスタート。コメ生産農家や集出荷業者らが新米の津南産魚沼コシヒカリを無償提供。町内旅館宿泊者全員に2百㌘(2合)の新米を贈る。袋詰めは就業支援B型施設・すみれ工房(福原吉重施設長)で実施。『農福観』の連携で事業に当たる。プロジェクトは来月末まで行う。
年々コメ消費が減少傾向にあるなか、新型コロナによる飲食業停滞もあり、コメ農家も厳しい状況。「観光客に津南産コシヒカリの美味しさを知って貰いファンを増やそう」と初企画。新米期と紅葉期を迎え、GoToトラベルによる来町者が増加傾向にあるなかで津南産米を積極アピールする。農家は現在16個人団体が協力。各30〜60㌔の新米を提供。さらに協力者を求めている。生産農家と旅館女将のコラボはユリに続き第2弾だ。
同プロジェクトは宿泊者への新米配布に加え、同封の用紙にあるQRコードでアンケートを回答すると最大60㌔の新米が貰える「コメ1年分プレゼントキャンペーン」、宿泊者を飲食店や小売店に誘導する「スタンプラリー」(11月7日〜12月27日)、津南PR動画「コメ農家×女将プロモーションビデオ撮影」など実施。県「消費喚起・需要拡大プロジェクト」事業補助金3百万円、町補助金100万円の計4百万円で行う。
農家と旅館女将らは9日にすみれ工房を訪れ、袋詰め作業に協力。貼り付けるコメ型のシールには津南の田園風景を載せ『こいぶみ—あなたに、また、逢えますように』の女将からのメッセージを記載。JA津南町・稲作生産改善組合の樋口貴幸組合長(43)は「コメ消費が年々落ち込むなかどうPRすればいいかを考えていた。自分たち農家はなかなか宣伝活動に手が回らないが、旅館の方ならできる。旨い水で作る津南のコメファンになる人が増えてほしい」。一方、旅館も国施策もあり来客が増加傾向にあるなか、次に繋がる魅力発信の契機として期待。旅館雪国の女将のひとり、風巻志穂さん(41)は「こうして津南米をアピールするチャンスができて嬉しい。うちは今年リニューアルし20周年でもあり、このプレゼントと合わせながら津南PRしたい」と話した。

「薬湯山塩」試作品(撮影・大塚眞)

松之山温泉水を使い塩造する「まつのやま塩倉」メンバーら(撮影・大塚眞)

まつのやま塩倉を伴走支援、事業化サポートしているastoの大塚眞さん(右)
まつのやま塩倉 松之山温泉水で塩造、asatoが支援
約1200万年前の化石海水が温泉となった「松之山温泉」で作った塩を商品化する動きが進んでいる。30〜40代のUIターン者が連携、プロジェクト名を「まつのやま塩倉」と名付け、年内に法人化し、塩販売開始をめざす。塩造事業は十日町市のシェアアトリエasto(滝沢梢主宰)のサポートを受けNIKO(にいがた産業創造機構)のチャレンジ応援事業に採択。同応援事業の採択は県内3件のみで、今後の取り組みに関心が高まっている。
地殻変動で原始海水が地下3千㍍に封じられ、現代に湧き出ている「ジオプレッシャー型温泉」の松之山温泉。塩分濃度は高く、物資不足の戦中戦後は温泉を煮詰め実際に塩造を行っていた。松之山黒倉の嶋村彰さん(41)はこの歴史を知り、温泉で塩造りしぬか釜で炊いたコメと一緒に朝ごはんに食べるキャンプ企画を3年前から継続。「商品化するといい」と好評を受け模索するなか、今年3月に十日町市で開いた起業イベントに参加。自家製釜と自然エネルギーを活用したプランは最優秀賞に選出。同イベントを通じ仲間が増え、事業化を本格化。農家、土建業、レストランスタッフなど多様な職業の6人が集い検討。源泉は兎口のものを使い、同所に3段式の塩釜を先月設置。塩は『薬湯山塩』と命名。刺々しさはなくまろやかな味が特徴。試験製造を続け、燃料は地域の廃材や間伐材を貰い受け使っている。
取り組みは国連採択のSDGs(持続可能な開発目標)を意識。地域にある材料を使い、地域の燃料で作り商品化し地域循環する仕組みを模索。現在は化石海水温泉を使った塩の物語などブランディング、資金調達方法など検討中。「マイクロプラスチックなどの海洋汚染の問題で海の塩も危なくなって来ている。日本三大薬湯の化石海水温泉で作る安心安全で美味しい薬湯山塩、という物語ある商品にこだわりながら作りたい。将来は収益の一部を地域の森林整備などの環境保全にも当てたい」と意欲。すでに妻有ビールから『塩ビールにできないか』と言う依頼があり、都内レストランも関心を寄せている。
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まつのやま塩倉の活動を初期からサポートしているのが「asto」。市内本町2丁目にシェアオフィスを展開、昨年10月には十日町市で唯一の県認定のスタートアップ支援拠点として活動。起業支援、シェアオフィス貸出、資金確保のアドバイスや補助事業の申請相談など、起業をめざす個人・団体を支えている。Astoメンター(仕事上の助言者)の大塚眞さん(29)は「まつのやま塩倉のNICO認定は県内わずか3件のうち一つ。当初から伴走支援を続けていたので嬉しい。これからも活動をサポートしていく」と笑顔。採択を受け、販路開拓や資金調達、クラウドファンディングでの支援呼びかけなどのサポートを進める。なおastoはクラウドファンディング・CAMPFIREの公式パートナー認証を受けている。

中条小2年・小山さんの模型県知事賞「すてきはっ見!つまりの里山植物マップ」
県発明工夫・模型展、11賞獲得
第84回新潟県発明工夫展・第69回新潟県模型展結果はこのほど発表。模型では県知事賞に小山ひかりさん(中条小2)「すてきはっ見! つまありの里山しょくぶつマップ」の選出を始め、上意賞を十日町市の児童生徒で独占。全15賞のうち11賞を獲得。学校賞でも千手小が県知事賞、水沢小が県教育長賞となるなど、模型展での高評価が目立った。
一方、発明工夫展では学校賞は水沢小が県知事賞、県発明協会長賞が津南小、西小が県教育長賞と妻有勢が独占。個人入賞でも全15賞のうち6賞に妻有の子どもたちが選ばれている。
妻有地域の入賞者は次の通り。
【発明工夫展】◎個人▼県教育長賞=「簡単長ぐつ洗いブラシ」(植木葉月、水沢小5)▼県工業技術総合研究所長賞=「ぬれないカサ」(津端蓮、津南小4)▼日本弁理士協会長奨励賞=「かたむかない物干し」(髙橋隼太、川治小5)▼新潟日報社賞=「車でラクラクおきがえカーテン」(小山愛心、津南小2)▼NST賞=「おしゃれなはたけシート」(山崎結衣、水沢小2)▼UX新潟テレビ21賞=「種植えやすーい」(齋藤煌、川西中2)▼エフエムラジオ新潟賞=「かんたんミルクあげ機」(小磯悠真、西小3)◎学校賞▼県知事賞=水沢小▼県発明協会長賞=津南小▼県教育長賞=西小
【模型展】◎個人▼県知事賞=「すてきはっ見! つまりの里山植物マップ」(小山ひかり、中条小2)▼県発明協会会長賞=「ダンボール製火焔型土器」(髙橋姫蘭、千手小6)▼県教育長賞=「日本遺産『十日町スト—リー』」(石澤正義、水沢小4)▼県工業技術総合研究所長賞=「松代の芸術!『だっぴする家』」(若井謙成、松代小5)▼日本弁理士会会長奨励賞=「ぼくの海」(南雲海里、西小4)▼発明協会会長賞奨励賞=「秋の縄文」(小川史桜、貝野小6)▼日本放送協会新潟放送局長賞=「芯ライオン」(石沢暖、千手小4)▼BSN新潟放送賞=「オオオニバスと二千年ハス」(樋口礼衣、水沢小4)▼NST賞=「木の公園とヘリコプター」(小海楽空、吉田小6)▼TeNYテレビ新潟賞=「不思議なビーズの木」(水落まお、鐙島小3)▼UXテレビ新潟21賞=「ぬけがら君のスイーツランド」(植木詩乃、鐙島小4)◎学校賞▼県知事賞=千手小▼県教育長賞=水沢小
≫PCR検査センター設置 十日町市 「かかりつけ医」紹介、高齢者対応も
≫大規模改修に補助 農産物ネット支援も 28日市議会臨時会で
≫サケ「もっと知りたい」飛渡第一小学校、中魚沼漁協や宮中ダム巡る
≫火星土星が見える 川西で星空観察会
≫六日町IC接続、一日も早く 十日町自民市議の会、市長要望会
≫障がい者雇用、就職面接会を ハローワーク十日町
≫コロナ禍で歌声響かす 中学生が手話や手作りマスクで
≫励ましと感動、サクランボの縁 青森・山田さんと松代小学校
≫名ケ山で稲刈り体験 国際調理製菓専門学生が
≫最高のジオサイト紹介 津南小みゆき学習会、初の学年分散開催で3年生43人
≫希少動植物知って ギフチョウなどパネル紹介
≫3年ぶりタスキ 第35回新潟日報杯争奪津南町駅伝大会
≫活け花に映える津南ユリ雪美人
≫「心の拠り所に」見玉不動尊 新参道で開眼法要
≫将来の人材を まちの産業発見塾、支援学校生徒も初参加
≫十日町ロータリークラブ入会式 カネコ商会・金子義勝さん、奉仕活動に意欲
≫野焼きで土器 笹山遺跡で縄文カレッジ
■好評連載
≫<新米ママ子育て日記456>「まだ半袖半ズボンです」
≫<神無月の表情>「黄色の花街道・秋の風になびく」(十日町)・「仮装って楽しい・第9回ハロウィンウォーク」(津南)
≫<本って最高・高橋しげ子217回>「ライオンになるには」(エド・ヴィアー 作・きたむらさとし訳・BL出版)
≫<野の花 不登校・ひきこもり達へのエール36回 樋口 清司>「中学時代毎回百点のC男のこと」
≫<とっておきの私の山行>市村 信明さん 「妙高山、コロナ禍の山旅②」
≫<マイふぁみりー>「仲良しのリンとラン」村山 昌江
≫<ドクター栄美子のこころとからだの学校11>「自分を傷つける生き物は人間だけかも」「自分の中にある『多様性』を認めて」
≫<私の名作めぐり・庭野三省282>『啄木歌集(岩波文庫)その②』「啄木体験」、亡母と故郷の山へ山菜採りに
ほか
2020年10月17日(土)

昨年10月13日朝7時35分、信濃川橋左岸から撮影。手前の堤防を越流し、一帯が水面と化した。同所一帯の道路は通行止となった(津南町建設課提供)

同じ場所から写した1年後の現場。増水の規模が分かる(10月13日午後12時12分)
過去最多の大増水 台風19号被害から1年
流域で緊急プロジェクト進む
昨年10月13日の台風19号による信濃川大増水は過去最多の流量となり、上流の長野市・飯山市は甚大な被害を受け、県境地域の栄村、津南町、十日町市でも増水被害を受けた。国と長野・新潟両県は「千曲川・信濃川緊急治水対策プロジェクト」に5年計画で取り組み、災害復旧を先行させ、津南町地域では流域8地区で復旧工事が進む。
信濃川が大きく蛇行するJR飯山線・津南駅の地域「押付・小島・巻下」地区の堤防は老朽化で以前から改修の必要性が出ていたが、昨年19号台風による大増水で大きく損傷し、同地の堤防1・6㌔の全面改修が緊急プロジェクトの事業に認定されている。これに先立ち、災害復旧を先行させ、約7・5億円で堤防復旧に取り組み、来年の増水期までに完成の予定だ。
昨年の大増水は、西大滝ダムで毎秒8872㌧(東京電力数値)の過去最多の流量を記録。し、流域では同様に最多の流量となり、下流域も「こんなに増水した信濃川は見たことがない」と住民がいうほどの大増水となった。津南駅前の信濃川橋は、橋げた近くまで水位があがり、堤防を越流し、稲刈りが終わった田は一面水没。この増水で堤防は大きく損傷し、急ピッチで堤防の復旧事業が進んでいる。地元住民は「以前から堤防が古くなって、危ないと言っていた。昨年の増水でやっと全面改修できる。やはり国直轄を一日でも早く実現してほしい」の声が上がる。

赤羽大臣(右から4人目)に直接要望する5市町村長(13日、大臣室で、飯山市提供)
「中抜け」、早急に直轄に
流域5市町村長、赤羽大臣に要望
昨年10月13日の台風19号被害は、千曲川・信濃川で大きな被害が発生し、特に上流の長野市や飯山市では甚大な損害を受け、いまも仮設住宅で不便な暮らしを余儀なくされる住民がいる。この19号被害で河川整備の必要性が高まるなか、台風被害からちょうど1年の今月13日、千曲川・信濃川の長野・新潟両県境で国直轄から抜ける流域5市町村で作る直轄河川編入協議会は、同区間の国直轄編入を求め赤羽一嘉大臣に5市町村長揃って直接要望した。同協議会首長全員での直接陳情は初めてで、「台風19号被害により、従来とは状況が違う事態となり、早急なる国直轄編入による治水対策を求めたい」と強く要望した。
千曲川・信濃川(飯山・中里間)直轄河川編入連絡協議会は1994年・平成6年設立し、上流から長野県の飯山市・野沢温泉村・栄村、新潟県の津南町、十日町市の5市町村で結成。国直轄に入らない、いわゆる「中抜け」区間は、飯山市湯滝橋から十日町市宮中取水ダムまでの39・65㌔。13日の直接要望には協議会長の飯山市・足立正則市長、十日町市・関口芳史市長、津南町・桑原悠町長、栄村・宮川幹雄村長、野沢温泉村・富井敏雄村長の5人が揃って、赤羽大臣に直接要望書を手渡した。会長の足立飯山市長が、台風19号被害により従来の河川状況とは違う事態が表出している深刻さを話し、「(中抜けは)全国的にもまれなケースであり、上流から下流までバランスを取りながら流域一体となった事業推進のためにも一貫した河川整備の推進が必要で、国の直轄管理区間への編入をお願いしたい」と要望書を手渡した。
同協議会事務局(飯山市)などによると、赤羽大臣からは編入に対し具体的な言及はなかったが、「国交省の人員体制の課題などもある」など、河川管理現場の職員配置の課題などを上げていたという。同協議会では「台風19号被害で河川整備と河川管理の重要性が増しており、ますます国直轄管理の重要性が高まっている」と今後も要望活動を継続する方針だ。

町のハザードマップを見ながら住む地域の危険個所を確認する津南中学生(8日)
洪水や水害「わたしの家は大丈夫?」
津南中学で防災学習 県土木部が『マイタイムライン』作成講座
「私の家は水害とか大丈夫なのかな」と子どもたちが意見を交わし合っている。千曲川・信濃川が氾濫した令和元年東日本台風の発生から1年が過ぎた。県土木部河川管理課などを講師に、津南中学(関谷郷志校長)1年生48人が風水害に備え前もって自分の取るべき行動を整理、具体的な一人ひとりの避難行動計画を立てる『マイ・タイムライン』の作成に向け取り組んでいる。教室は今月8、15、22日の3回行い、緊急時に自分はどう動けばよいかを学ぶ。一人ひとりの防災力アップをめざす、新たな取り組みだ。
初回は生徒が住んでいる地区ごとの8グループに分かれ、町発行の土砂災害や洪水ハザードマップを確認。自分たちの住む地域に起こり得る浸水危険個所、避難場所の確認、発生時には高齢者の逃げ遅れの危険性があること、自宅からの避難場所を確認などを改めて学んだ。樋口はなさんは「住んでいる地区のハザードマップは初めてみました。マイ・タイムラインができたら家族にも見せたいです」と仲間と共に熱心にマップを見つめていた。
◎
県は昨年の東日本台風では小規模河川も氾濫する事態発生を受け、日常から住民が危険個所を把握、自主避難方法を考える必要性があるとし、県内全域で防災学習を学校カリキュラムに取り入れようと模索。そのモデルケースに台風被害が大きかった津南町にマイ・タイムライン作り教室開催を打診。町や学校側も了承し、初めての取り組みがスタート。県土木部では津南町ともう1自治体で講座を開き、防災教材整備や児童生徒への指導方法などを確立を模索する。同部河川管理課・河川海岸維持係長の近藤宏樹副参事は「ハザードマップは意外と見る機会が少ないもの。マイ・タイムライン作成を学校の防災教育に取り入れることで、家族と災害発生時にどう動くかなどの話が生まれるきっかけになれば」とねらいを話す。
町内では下足滝や押付、巻下地区などが大きく被災した昨秋の台風被害を受け、町では書き込みができる独自のマイ・タイムライン用紙を今年5月に製作。地域事情に合わせ、水害だけでなく土砂災害にも意識を向ける内容とした。津南中学で行う講座でも同用紙を使用。町総務課では「まだ周知は進めていないが、マイ・タイムライン作成で危険個所を知り自分がどう避難するか考える良いきっかけになる。活用を考えたい」とする。マイ・タイムライン用紙や各種ハザードマップは町ホームページからダウンロードできる。

Lsub作品「心を静める物−Still Life jects」(Photo by NAKAMURA Osamu)

香港とオンラインでオープニングを開催(10日、香港ハウスで)
初のリモート製作、芸術祭
香港ハウスで実証、北川氏「次につながる」
新コロナウイルス感染状況の中で開く来年夏の第8回大地の芸術祭。感染拡大や収束状況により外国からアーティストが来訪できない場合も想定されるが、今月10日開会の「2020秋・大地の芸術祭」は、その実証の場にもなっている。秋展のオープニングを10日、前回展で誕生した『香港ハウス』(津南町)で開き、芸術祭としては初めて「リモート製作」に取り組み、香港アーティストとのリモートで完成した作品『心を静める物』が披露された。大地の芸術祭・北川フラム総合ディレクターは「相当なる手間がかかったが、作品が完成したことは一つの実証として、次につながる」とリモート作品製作への自信を見せる。
前回展で設置の香港ハウスは、香港政府が支援した国内でも稀な施設で、ハウスそのものが作品でもあり、アーティストが宿泊しながら作品製作するレジデンスハウスでもある。今回作品は『心を静める物〜Still Life Objects』。香港アーティスト4人グループ「Lsub」は、心を静める様々な人のルーティーンを取材し、作品化した。香港ハウスの空間に浮かぶ『紙破りの人生』は、取材した香港の人が、裁判所に通うことで色鮮やかな傍聴券を数多く持っていたことに着想。「裁判で涙を流す。その涙のtears(涙)と、その傍聴券をやぶる(tear)行為に変える、つまり感情を行動に転嫁させる」行為を作品化。tears(涙)、やぶる(tear)を関連付けた。2階から見える色鮮やかな破り紙が空間を漂う様は、香港の心象表現になっている。
オープニングには北川総合ディレクター、桑原悠町長らが出席。香港とオンラインでつなぎ、アーティストやワークショップ協力の東京芸大ともつなぎ、新コロナ時代の芸術祭のあり方の一端を示していた。
大地の芸術祭・北川フラム総合ディレクターは、来年の第8回展について「今後感染状況がどうなるか不明だが、心配は心配だが、普通通りに開ける準備は進める。ただ我々が決められることではないので国の方針に従うしかない。作品概要の発表は11月の予定だが、具体的な事は本番近くにしたい。できるだけ変更をしないで済むように」と話す。東京五輪は「あまり関係ないと思うが、外国から来られるのかどうかは、大きな違いになるだろう。今回の初のリモート作品製作は、相当なる手間がかかったが、一つの実証になった。こうした作品製作ができたことは、次への取り組みにつながる」と初のリモート作品製作で来年の感触をつかんだようだ。

発刊した中手集落史「萬日記覚帳」。
地域づくりの中手、集落史を刊行
「萬日記覚帳」、ふるさとの愛唱歌もCDで
景観復活活動で十日町市指定文化財に認定された『中手の黒滝』や県の名水に指定された『松苧清水』の商品化など地域活性化に取り組み、さらに大地の芸術祭への参加や交流コンサートなど様々な地域づくり活動で、あしたのまち・くらし活動・深奥奨励賞(あしたの日本を創る協会主催)を受賞した中手地域づくり会(江村元吉会長)。このほど中手集落の歴史を1冊にまとめた『萬(よろず)日記覚帳』(A4版・207頁)を発刊した。ムラの成立ちから変遷、信仰、構成と運営、限界への危機と地域づくりなど9章で編成。同会員による思い出集も載せている。
中手集落は現在、高齢世帯を中心に6軒8人が住み、通い農家は3軒。かつて昭和37年に32軒数えた集落も、高度成長に伴う過疎の波に洗われ現在は「限界集落」。最後の小学生が小学校を卒業して31年になる。そこでふるさと・中手を何とか活性化したいと出身者で北鐙坂に住む江村久さんらが『諦めない、行動は何かを生む』をスローガンに5年前、中手地域づくり会を設立して「幻の黒滝の復活」など様々な事業を展開。今回は吉田地域自治振興会とタイアップし集落史編さんにも取り組み作成した。著書には、山間地農業で苦労しながらもたくましく生きる住民の姿も描かれ、またふるさとの愛唱歌をと製作した『愛しの中っ手』のCDも付けた。
同会は65人の会員だったが、こうした活動で支援の輪が広がり現在、120人余りに増えているという。同地域づくり会の江村会長は「会員が増えありがたい。この集落史により数百年に渡る先人の生き様が現生につながれ、これを語り継いで賑わいのある中手集落になることが夢」とし、顧問の水落昭作さんは「資料のほとんどは事務局の江村久さんが収集され、感謝申し上げたい。この自然豊かな中手集落を、永遠の宝物として見守り続けたい」と序文を寄せている。

24日の龍神太鼓30周年記念公演のOB・OG合同演奏に向け練習を重ねている(9日)

龍神太鼓が始まる前年に作られた児童製作の版画と文集。文化祭で特別展示する
25日文化祭で演奏、OB・OG合同発表も
枯れることない湧水により、多彩な龍神伝説が残る津南町の名水百選「龍ヶ窪」。その伝説をイメージし創られた『龍神太鼓』は芦ヶ崎小(丸山浩市校長、46人)児童と住民により地域の宝として受け継がれ、今年30周年の節目を迎えている。今月25日の文化祭では30周年記念事業として、龍神太鼓の第一章『誕生の章』と第2章『雄飛の章』の2曲を4〜6年生24人が披露。さらにかつて龍神太鼓に取り組んだOB・OGらと現役児童とのコラボレーション演奏も行う。新型コロナウイルスの影響で広く来場は呼びかけてはいないが、記念すべき日に向け練習に励んでいる。
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龍神太鼓には地域の指導者はおらず赴任教諭が指導に当たっており、一番の師匠は実は『先輩たち』。リズムの取り方、音の合わせ方など5・6年生が後輩にコツを伝え郷土の文化を繋ぎ、子どもたち一人ひとりが次代を育てる伝承者なのが特徴。ただ長年に渡り独自アレンジが続いて来たため初期の楽譜とは若干異なる部分も生まれているが、30周年の今年は原点回帰の意味を込め、原曲に寄り添った演奏をする予定だ。今年度取り組む4〜6年生24人をまとめる部長の6年・戸田路琉さんは「龍神太鼓があるおかげで、ふつうは体験できないいろんな太鼓を叩けて良かったと思っています。習うことでリズム感も付いたと感じています。文化祭ではみんなが最後まで音が合うようにしたい」と意欲を話す。
龍神太鼓の初披露は平成3年(1991)の文化祭。当時の児童数は百人余、4〜6年までの希望者が和太鼓クラブに参加。第一期生は11人。その始まりの世代が親となり、OB・OG合同演奏会に出演する。長男が4年生の阿部千里さん(40、岡)。自身が小学6年生時に取り組んだリズムを思い出しながら、時には現役の息子の指導を受けて練習に汗を流している。「30年もたつと細かい所が変わっていて、いざやろうとすると難しい。だけど少しずつ思い出して来ています。こうして親子で龍神太鼓を叩ける日が来るなんて思いませんでした。二度とない機会ですね」と本番を楽しみにしている。
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龍神太鼓の始まりは平成2年(1990)。児童の健やかな成長とふるさとを愛する契機にと、名水百選・龍ヶ窪伝説にちなんだ和太鼓創設を山岸和平校長(当時)が構想。名称は公募し『龍神太鼓』に決定。その前段階として地域住民に伝説を聞き取りまとめた文集『名水百選 龍ヶ窪に伝わるお話』、児童が伝説を元に作った版画集『龍王由来記』を製作。翌3年に作曲・指導を県和太鼓連盟会長だった半間正氏(十日町大太鼓元会長、先月29日死去)に依頼。「龍神のお迎え」「龍ヶ窪の木出し」「龍神の教え」の3部からなる『龍神太鼓』が作られた。平成5年(1993)には創立120周年を記念し、新たな曲『雄飛の章』を金子順爾氏(新潟市)に依頼。第1章、第2章からなる現在の形に。地元の龍神太鼓育成会の支援を受けながら、芦ヶ崎小独自の文化活動として現在に至る。
文化祭当日は全ての元となった文集や版画集、さらに歴代のはっぴも展示予定。丸山校長は「子どもたちが先生となり、下の世代に伝え続けている太鼓。小規模校ならではの活動でもある。ここでしか経験できないことを子どもたちは学んでいる」と話している。
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≫わずか3時間の犯行 特殊詐欺、巧妙手口でキャッシュカード盗む
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≫会期1ヶ月延長で 栄村総合文化祭 17日から、動画上映も
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≫新成人限定切手、町と議会にも贈る 郵便局物販サービス
≫建物火災が連続発生 中条新田、美咲町
≫着物産業の発展を 十日町織物組合が茂十郎招魂祭開く
■好評連載
≫<新米ママ子育て日記455>「優しく逞しく」
≫<神無月の表情>「楽しいな・水沢でこどもまつり」(十日町)・「紅葉期の苗場山・かつて「幕山」の名称も」(津南)
≫<本って最高・高橋しげ子216回>「サンドイッチクラブ」(長江 優子 作・岩波書店)
≫<野の花 不登校・ひきこもり達へのエール35回 樋口 清司>「子たちが見る理不尽な教員たち」
≫<とっておきの私の山行>市村 信明さん 「妙高山、コロナ禍の山旅」
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≫<小宮山雅志の思い出雑記帳25>「仔猫の恩返し(下)」
≫<私の名作めぐり・庭野三省281>『啄木歌集(岩波文庫)その①』啄木こそ、元祖「望郷」のトップバッター
ほか
2020年10月10日(土)
