
2023年(令和5年)1月
今週の妻有新聞ダイジェスト
2023年1月28日(土)

「突然すぎる」と行政方針に不信感が募る明石の湯(昨年12月に)
「なぜ」、不信感募る住民、明石の湯問題
市議から疑義続出、芸術祭か憩いの場か 行政から振興会に同意書求める文書
昨年12月の十日町市議会産業建設常任委員会で市は「明石の湯』を今年3月に閉館する方針を突如発表した。閉館後は大地の芸術祭のメイン施設の『越後妻有現代美術館MоnET(モネ)』の展示スペースを1階の『明石の湯』エリアと合わせ2倍に改修するとしている。今月20日、市は改めて市議会産建常任委員会で説明し、「改修費は約1億5000万円だが一般財源からの歳出はない」(産業観光課)とする。だが市議から「市民の憩いの場としての施設を早急になくして良いのか」という疑義が相次いだ。
「突然の閉館方針は、進め方がおかしい」—。今年度末で閉館予定のキナーレ・明石の湯の方針に市民から賛否の声が上がっているなか、市議会議員の1期生有志が23日、市民交流センター・分じろうに十日町地区振興連合会など10地区の振興会長らを招き、『キナーレ温泉棟改修事業に係る地域振興会役員との懇談会』を開いた。振興会役員からは「地元に説明する前に方針を決めるのは筋が違う」と行政姿勢に批判の声が相次いだ。世話役のひとり、滝沢貞親市議は「さまざまな意見を聞くことができ感謝します。今後の議員活動に生かしていきたい」としている。
(詳細は2023年1月28日号をご覧ください)

24日夕から25日朝まで12時間全面通行止になった国道117号(25日朝、栄村道の駅で)
動脈ストップ、「予防的 通行止め」だが
今季最大の寒波に襲われた妻有地域の生活の大動脈である国道117号の県境地域で、24日夕から25日朝まで12時間全面通行止となり、定期便など陸送に大きな影響が出た。12年前の東日本大震災の翌日発生の新潟長野県境地震で栄村地域が全面通行止になったが、雪など気象条件で通行止になったのは初めて。
国道管理する長野県北信建設事務所では「高速もストップ、周辺幹線も危険状態のなか総合的に判断し通行止にした」として、『予防的通行止』の措置としている。24日午後6時〜25日朝6時まで、栄村道の駅〜飯山市道の駅まで全面通行止にした。同措置後、区間を飯山方面に走っていた大型トラック3台が野沢温泉村東大滝地区の坂道で相次いで動けなくなり、結果的に通行止措置が奏功した形になった。
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国道117号線 豪雪・低温、初の国道止め、生活路確保の検証を

百話余りを掲載の「妻有今昔物語」
年中行事、人の暮らし記録
駒形覐著「妻有今昔物語」出版
地域の伝統行事や年中行事などを通じて人の暮らしを調査研究し記録する新潟県民俗学会長を長年務めた駒形覐氏(96・五泉市村松)が妻有新聞に連載「雪国今昔物語」の百話をまとめた『妻有今昔物語』を出版した。日本民俗学会評議委員など歴任し現在は日本民俗学会名誉会員の駒形氏。十日町高教諭時代の昭和30年代から地域の民俗調査に取り組み、十日町市や中魚沼地域の集落を歩き、住民と語り、聞き取りや写真で記録するなど「ありのままの人の暮し」を調査記録し多くの調査報告書や著書を発刊している。『妻有今昔物語』は昭和30年代から60年代頃の地域の年中行事、当時の人の暮らしを駒形氏撮影の写真と共に語り調で解説し、「あの日、あの時」がよみがえる人の暮らしが伝わる一冊になっている。
駒形氏は「本を読んだ方から、民俗が伝承されていくことの大切さを改めて知ったと声を頂いた。当時の暮らしと今では雲泥の差だが、忘れてはならないものがあるのではないか」と同著出版への思いを話している。
▼「妻有今昔物語」(妻有新聞社発刊)A5版、239ページ、1冊1600円(税込)。限定300部、問合せは妻有新聞社TEL025-765-2215、Fax025-765-5106。
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サルナシを手にする藍匠の柳社長
世界の味に十日町産サルナシ
栄養価が高く注目されているサルナシの全国サミットが、ことし10月に十日町市で開かれるのを前に、十日町で栽培する藍匠(柳幸雄社長、魚沼山菜農園)のサルナシが、世界的に名高いミシュラン三ツ星レストランが京都で開くポップアップ(PU)レストランの食材に選ばれた。
PUレストランはホテルや空き店舗などを活用し期間限定でオープンするレストランのことで、十日町産サルナシは3月15日〜5月20日に京都のホテルで開かれるミシュラン三ツ星のPUレストランでの食材に使用される。「世界ベストレストラン50」で第1位に5度も輝いたシェフが調理を担当。ランチとディナーを提供するとしている。
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ジビエ講習会でカモシカの毛皮を興味深そうに触る子どもたち(23日、栄小で)
動物との共生、『ジビエ』で学ぶ
ビーストキャプター 2年目の講習会と特別給食提供
子どもたちにジビエ(野生鳥獣肉)を食べて貰い、里山維持による人間と野生鳥獣の共生を考えようと、2年目のジビエ講習会は23日、栄小学校(齊藤隆校長、45人)と栄中学(倉田誠一校長、14人)で実施。狩猟や鳥獣肉加工を手がける村内白鳥のビーストキャプター合同会社・月岡健治さんと阿部浩子さんの両代表、NPO信州ツキノワグマ研究会・浜口あかり事務局長が両校を訪ね、野生鳥獣の生態解説や本物の毛皮、頭骨など持ち込み解説。「里山と山の境界がなくなり、今は家の近くにもクマなど来ます。農地を荒らしてはいけない。動物の命を頂き、供養するのも生き物と共生する一つの方法」などと語った。
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Tシャツ、クロモジ精油も
苗場山麓GP 第2回認定商品、10商品エントリー
2回目の再審査をクリアし、さらなる地域特性PRが求められている苗場山麓ジオパーク(GP)。地域住民や企業も一体となった活動が求められるなか、同GP振興協議会・商品開発部会(石沢一男部会長)が取り組む認定商品「大地のたからもの」の第2回審査会は25日、町総合センターで開催。新たに10商品がエントリー。今回は初めてカモシカやコーツキ・スッポンなど民具をあしらった独自Tシャツ、地元産クロモジを使った芳香蒸留水など、飲食物以外の日常使用商品が出品されるなど、苗場山麓商品が広がりを見せている。
認定基準は、出品商品のストーリー性を重視。地質・地形の要素使用、川・火山・雪に育まれた自然などを象徴した商品であるかなどで判定。認定商品化をめざし商品ラベルを開発した事業所もあり、少しずつ『苗場山麓GP』を活用する動きが出ている。審査員は同部会員が務め結果は事務局でまとめ、認定式は来月上旬、栄村役場で開催する。
第2回苗場山麓GP認定商品に10エントリーが
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2023年1月21日(土)

説明資料で本紙作成
事業費620億円、予算確保課題
地域高規格道・十日町道路、設計ルート決まる
地域高規格道・十日町道路の設計ルートが決まった。物流・救急搬送など「命の道」の十日町道路は妻有住民にとっては待ち望んでいた道路。総事業費620億円、その財源確保が最大課題。昨年4月24日、ベルナティオでのルート中心点の杭打ち式で参院・佐藤信秋氏(元国交省道路局長)は「『10年で通してくれるよな』と水落敏栄さんから言われている」と出席の国交省幹部に促した。実現の最大課題は財源確保だ。
妻有エリアでは初の自動車専用道路となる高規格道「十日町道路」の設計ルートが昨年末、地元に示され、今月19日の十日町インター設置予定の小黒沢地区はじめ月内に地元3会場(大黒沢、伊達、新宮)で住民説明会を開き、3月以降には六箇・八箇、吉田地区で沿線住民説明会を開き、計画実現に向け取り組みが本格化する。すでに開通している八箇峠道路からのルートは、国道117号、JR飯山線が隣接する伊達地区を超えた先に十日町インターを設置し、信濃川を渡河し、吉田地区に入り、国道253号・北鐙坂までの全長10・8キロ。総事業費は概算620億円を見込む。ただ地元要望が出ている吉田地区のインター設置によってはさらに事業費が増える。3月に予定される吉田地区での地元説明会に関心が集まる。
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江戸時代から300年続く奇祭・むこ投げで宙を飛ぶ新郎(15日、松之山温泉で)
やっかみ7割、祝い3割、婿舞う
婿殿は空を舞う—。十日町市松之山で3百年余前から続く奇祭「むこ投げ」。温泉街の恒例行事として毎年15日、鎮守・薬師堂で行い、伝統を今に繋いでいる。今年は一般公募で埼玉県在住でよく松之山にスキーに来ていた佐藤亜武さん(27)と彩希さん(26)、十日町市在住の志賀義明さん(29)と春香さん(29、松之山三桶出身)、魚沼市在住の田口諒さん(24)と聖子さん(23、松之山三桶出身)の3組が参加。着物姿の婿殿は、薬師堂で担ぎ上げられ高さ約5㍍下に勢いよく転がり雪まみれとなり、そのまま崖下で待つ愛する妻の元に転がり落ち、手洗い祝福を受けた。久しぶりの15日が日曜となった影響で、会場は250人余のカメラマンや見学者などでびっしり埋まった。
(詳細は2023年1月21日号をご覧ください)
奇才「むこ投げ・すみ塗り」 3組が松之山温泉薬師堂から雪中に

新特産品「おひさまラスク」考案の南雲心結さん
中学生企画、製菓店が実現
栄中学・松屋 「おひさまラスク」、特産トマト素材に
栄中学(倉田誠一校長、14人)は、総合学習の一環で地域の課題を知り課題解決を模索する「さかえふるさと塾」に全学年取り組む。南雲さんは1年生の時、栄村はトマト生産がかつて盛んだったが現在は減少していることを知った。「トマトを使った商品を作れば、もっと生産が増えて村も元気になるかも」と考えた。
2年時から同塾の時間を使い、新商品の試作を開始。最初はドライトマトを作ろうとしたが水分量が多くうまくいかず断念するなど失敗を繰り返した。ただ諦めなかった。
3年生になり同校にパンを提供している松屋・福原歩専務(39)に依頼し、アドバイザーになって貰った。その中で生まれた案が手軽に食べられるラスクと、村で作られている加工品である『おひさまケチャップ』の組み合わせ。南雲さんの発案を受け福原専務は同店スタッフと試行錯誤を繰り返しながら完成させ、新商品『おひさまラスク』として販売を決めた。トマトをあしらったシールには『長野県栄村のトマト使用 栄中学校×松屋』と記載している。
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モネの中央広場で作品「particles-粒子たち‐」を展開する作家・加藤ユウさん(14日)
雪と光景、魅せる反射アート
大地の芸術祭「SNOWART」 里山現代美術館モネ新作4点、ライトアップも
「雪を活かし、 美しく、楽しく」魅せる—。大地の芸術祭の里2023冬SNOWART(スノワート)が14日にスタート。拠点の越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)では、企画展「越後妻有 雪の様相Ⅰ」がスタート。冬は真っ白な雪原に替わる中央ゾーンと館内に4組の作家(加藤ユウ、小松宏誠、本郷芳哉、持田敦子)が新作アートを展開。雪と光の反射性などを意識した、晴れても降っても吹雪いても楽しめる作品が展開。さらに冬の遊び場として、会期中の土日は十日町市無形民俗文化財「新水のハネッケェーシ」体験もでき、雪国の地域文化を知る貴重な場に。大地の芸術祭通年化構想があるなか、「雪国」をどうアートでアピールするかに改めて関心が集まっている。
(詳細は2023年1月21日号をご覧ください)
2023年1月14日(土)
