
2022年(令和4年)10月
今週の妻有新聞ダイジェスト

厚生労働省で会見する桑原町長、林院長、県・松本部長(写真=桑原悠町長Facebookより)
若手総合診療医育成、町立津南病院で
町独自財源で 常勤医確保へ、外国留学など4年間で5550万円支援策も
新潟県と津南町が連携し、総合診療専門医の育成に取り組む。町立津南病院(45床)で行う県総合診療専門医育成プログラム活用の若手医師に年1千万円余の奨学金支援、さらに海外研修奨学金を1550万円と、4年間で最大5550万円を支援し、若手総合診療医の確保をねらう。さらに総合診療医資格を持つ院長候補の幹部候補も同額の奨学金で募集。全国初の取り組みだ。
27日は厚生労働省で桑原悠町長、町立津南病院・林裕作院長、県福祉保健部・松本春樹部長が記者会見。桑原町長は「高齢化が進む豪雪地帯であり、この中でどのように地域医療を成り立たせていくか、まさに最前線を学べるのがやりがいとなる。林院長の元で病院経営も携わることができるのは大きな魅力と考える」と意義を語る。制度説明会は来月10日にオンライン開催予定だ。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)

旧教員住宅を改修した舎寮「藤倉ハウス」(25日)
「雪里留学」、舎寮共同生活
まつのやま学園、「藤倉ハウス」 今月から体験受け入れ、移住希望問合せも
松之山地域は1987年から「山村留学」を受け入れ、2006年まで全国からの176人が学んだ。2014年の校長赴任から松之山はじめ十日町市の教育に関わる久保田智恵美さん。地元の学校への思いを感じ、まつのやま学園実現後、その良さをさらにと取り組むのが『雪里留学』。「松之山特有の雪里の自然や生活から子どもが育つ。学校や家庭だけではなく、地域の人に手や目をかけてもらい人との繋がりを学ぶ。人づくりは地域づくり」とする。
雪里留学は市内からも市外からも入学できる。市外からの児童生徒のために舎寮を開設。布川地区の旧教員住宅を全面改修した『藤倉ハウス』。小学5年から中学3年を対象に定員5人。来月から留学希望者お試し通学の受け入れを始める。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)

堤防拡幅で移転する豊高嶋神社(26日、箕作で)
140年ぶりのお引越し
栄村箕作 豊高嶋神社 堤防拡幅で山側に30メートル移動
鎮守様がお引越しです—。信濃川緊急治水プロジェクトによる堤防拡幅により、現在地より約30メートル山側に移動が決まっている栄村箕作地区(47世帯)の鎮守・豊高嶋神社。26日がその移動日。神様のお引越しとあり、参集の80人余の地元住民も興味深そう。木組みと鉄骨の移動台に乗った、約40トンの神社がウインチにより少しずつ動くと、自然と手を合わせる住民の姿も。さらに住民も曳き家を体験。懸命に手漕ぎで神社を引っ張る作業をお手伝い。見学に来ていた園児の「ガンバレー」の声援を受けながら、地域を見守り続ける神社に感謝を込め曳き、約2時間で移動完了。新たに作った建物基礎へのはめ込みは来週行う予定だ。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)

約40種類のパンを販売する小林夫妻
料理店名を継ぎパン店開業
龍華・小林さん夫婦 将来は自家製小麦の商品も
パン職人の夫婦二人が『パンの龍華』をきょう29日、十日町市川治(谷内丑)の市営住宅近くにオープン。店舗のすぐ隣にはパン焼き窯が据えてあり、焼き上がりの時間帯はそれぞれ異なるが約40種類のパンを並べる。
店主の小林清人さん(39)は川治生まれで、神奈川本社の製パンと販売を手掛ける会社に勤務して職人歴は19年。神奈川出身の妻の博美さん(32)とは職場で出会った。独立の思いを募らせ、帰郷して実家での起業を決めた。「父はここで中華料理店『味の龍華』を営んでいたが2年前に亡くなった。業種は違っても龍華という名前を継いだことを父は喜んでいるでしょう」と語る。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)

第3回除雪の達人で、熟練の腕前を披露し関心を集めた(22日、ミオンなかさとで)
これぞ達人の技
除雪の達人選手権 大型重機で「書」にも挑戦
世界有数の豪雪地の妻有。機会除雪に担い手確保にと国県や地元自治体、建設業協会らが連携し「第3回ニイガタ除雪の達人選手権2022」を22日、ミオンなかさとで開催。大型重機を自由に操作する高い技術力が親子連れら観衆を引き付け、「妻有除雪職人」の技に魅了された。圧巻はバックホウのショベル部分で筆を挟み、硯の墨を付け書に挑戦するスゴ技。観衆が見守るなか半紙に『除』『雪』の文字を器用に描くと「すごい」と大歓声と拍手。きもの姿で重機操作した桑原善夫さん(59、村山土建)は40年余の大ベテラン。「この10分前に練習を2回しかしていないが、思ったより巧く書けた。除雪は繊細な作業の場面もあり、普段から技術を身に付けるのが大事だね」とにっこり。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)

【洋画・版画】 市展賞 「鯉の戯れ」生越清允(下条栄町)
培った技術、表現豊かに
十日町市展「彫刻・現代美術」市展賞は髙橋さん
第54回十日町市美術展(主催・十日町市)の審査が26日行われ、6部門で48点の入賞が決まった。日本画の市展賞・山本令子さん(小千谷市)は前回に続き連続の市展賞。出品者は前回より6人増の173人となった。同展は28〜31日まで越後妻有文化ホール・十日町市中央公民館「段十ろう」で展示される。入場は自由。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
2022年10月29日(土)
2022年10月22日(土)




全国平均75種、すでに71種確認
栄村調査・トンボ 起床動植物、里山環境の保全を実証
自然と人里の環境変化や保全状態の指標で、里山の水辺環境のバロメーターである「トンボ」の生態で、全国都道府県平均75種というなか、栄村だけで71種のトンボ生息が確認されていることが明らかになった。今月15日から始まった栄村文化週間の研究発表で公表され、長野県環境保全研究所にも報告され、全国的にもトンボ生息の有数地であることが判明している。
栄村は3年前から「希少動植物調査」に取り組み、専任員2人が全村で地元研究者や地域外の専門家の協力を受けながら調査活動する。今回の確認トンボ71種の中には、国内で成虫のまま越冬するトンボ3種のうち、今回調査の2種と過去確認を含め3種すべてが栄村で確認されている。
今回調査では渡り鳥で「人里の鷹」といわれ、里山の生き物の頂点にたつ猛禽類で絶滅危惧種「サシバ」が志久見地域などで多数確認され、「サシバは人里にいるカエルやヘビなど食し、多数の確認はそれだけ里山環境が保全されている証し」という。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
ホソミイトトンボ(広瀬明彦氏撮影)、ホソミオツネントンボ(広瀬明彦氏撮影)、オツネントンボ(涌井泰二氏撮影)、絶滅危惧種サシバ(涌井泰二氏撮影)

連携する乾医師ときものブレインの岡元社長(右、18日)
みどり繭、アトピーに効果
きものブレイン 医療機関と共同研究、臨床参加者募る
「アトピー性皮膚炎に悩む人たちにみどり繭の効能を」—。7年前からみどり繭の量産を始め、抽出した成分「フラボノイド」から健康効果をいかした化粧品を開発・販売している十日町市のきものブレイン(岡元松男社長、従業員262人)は18日、同社で東京・銀座アイグラッドクリニック(乾雅人院長)と共同で難治性アトピー治療の臨床研究を行うと発表。臨床研究参加者の募集を始めた。岡元社長は「すでに皮膚炎に効果がある声は届いていますが、医師の研究検証を得てアトピー性皮膚炎に悩む患者さんを救っていきたい」と話し、来春には新たな保湿剤の製品化をめざす方針だ。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
日本一に中島さんと保坂さん
十日町小唄優勝大会で熱唱
優勝した中島さん(右)と保坂さん(16日、クロステンで)
『越後名物かずかずあれど 明石ちぢみに雪の肌 来たら離せぬ 味の良さ♪』。「この歌詞から当時の人の明石ちぢみへの思いや自信と誇りが伝わって来ます」と保坂明里さん(14、鐙坂出身、新潟市在住)。16日、クロステンで開催の第41回十日町小唄日本一優勝大会少年少女の部で優勝した保坂さんが、富山県や新潟市から出場の10人を抑え栄冠に輝いた。
一般の部には45人が出場、優勝は5年前にUターンした十日町市中条の中島美穂さん(42)。民謡との出会いは昨年7月。10歳の息子が「三味線を習いたい」と三味線、太鼓、民謡などを教える三清会(佐藤清代表)に入会。送迎で通ううちに「もともと歌が好きだったこともあり、私も習い始めました」。愛知県や富山県からの並みいる強豪を抑え民謡歴1年3ヵ月余で優勝した。「三味線を習う息子といつか共演したいですね」とにっこり。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)


若者拠点整備、「村存続に必須」
横倉村民住宅 単身者向けワンルーム、来春入居めざし着工
人口1600人余、高齢化率54%、2人に1人が65歳以上の栄村に、21年ぶりとなる「村民住宅(家賃定額)」の建設が始まった。単身者向けワンルーム8戸を、横倉農村広場付近に建設する。総事業費は約2億3300万円。完成は今年度中を予定し、来年2〜3月に入居者を募る計画で進めている。宮川幹雄村長(69)は「人口減少対策の一環であり、これまで若い人たちが入る村民住宅はなかった。若者が村に拠点を持たねば子どもも生まれてこない。まず村に住める環境作りはまだまだ必要」と話している。
今年度中の完成をめざす新村民住宅(18日、横倉で)
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
2022年10月15日(土)

「担い手不足深刻」、危機感を共有
妻有若手経営者と花角知事が懇談
県知事と妻有地域の若手経営者ら車座で意見を交わした。8日、ラポート十日町で花角知事との車座懇談会を行い、十日町商工会議所、県農業士会、十日町市内商工会、十日町織物協同組合の青年部役員ら10人が参加。「建設業従事者の高齢化、担い手不足がある。このままでは災害時など役割が果たせなくなる」や「事業所の若手が減り、青年部員の減少が悩み。住民も減少しており、UIJターンに力を入れて欲しい」などと中山間地域の実情を、今年5月に再選を果たし2期目を迎えている花角英世知事(64)に直接伝えた。移住定住促進に関して花角知事は「UIJターン、住み続ける仕組み作りはもう少し突っ込んでやりたい所。県も力を入れる」と現在首都圏の大学40校余と連携し、県内出身大学生に地域情報をSNS・LINEで繋がり伝える取組みを紹介した。水沢や川西青年部が行っている地元中学に赴き、職業体験の場を提供する出前ハローワーク活動に関心を示し「面白い。県教委でも早い段階で職を意識させるキャリア教育が大事という意識になってきている」と活動を評価した。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
花角知事と地元商工会青年部員らが直接意見を交わす車座懇談会(8日、ラポートで)

藤ノ木浩子氏、小山大志県議、尾身孝昭県議
来春県議選、前哨戦が本格化
小山氏報告会、尾身氏29日、藤ノ木氏地区巡り
来春4月の春の統一地方選。自民現職で7期の尾身孝昭氏(69)、同現職で1期の小山大志氏(44)は再選めざし活動を本格化。一方、前回選出馬の共産・藤ノ木浩子氏(62)が再出馬を表明している。自民現職の議席確保か、野党共闘めざした再挑戦が実るか、さらには前回選同様に4人の立候補者が乱立するか、今後の動向に関心が集まる。小山氏は8日に花角英世知事や自民県連会長・衆院の高鳥修一氏らを招いた県政報告会で、前回の無所属から自民公認での出馬予定を表明。尾身氏は今月29日に花角知事や衆参議員を迎え県政報告会を開き、8選めざす活動を本格化。一方、今月3日に出馬表明した藤ノ木氏は各地区でのあいさつ回りなどの活動を始めている。
小山氏は8日、妻有地域の若手経営者と花角知事の車座懇談会、さらに自身の県政報告会をラポートで相次ぎ開いた。会場には花角知事、高鳥修一氏、7月の選挙で自民議席奪還を果たした参院・小林一大氏、十日町市・津南町両首長らが参集。この中で小山氏は「次の任期も勝負させて頂いて、この地の発展のために尽力しなければいけないと改めて覚悟した次第。自民党の公認を頂いて、地域のために今やれることを仲間の皆さんと共に、掲げた政策を形にするのが最善の地域発展に繋がる」と自民県連に公認申請している。公認発表は今月末頃になる見込みだ。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
県総文で最優秀賞、来夏、鹿児島・全国大会へ
十日町高校写真文の金澤天音さん
県総文で最優秀賞を受賞した金澤天音さんの作品『絶賛仕事中』
第 36 回新潟県高等学校総合文化祭・写真専門部展個人部門で十日町高校写真部の金澤天音部長(2年)が最優秀賞を獲得。来年7月〜7月、鹿児島県で行われる全国高校総合文化祭(総文)に金澤さんの作品『絶賛仕事中』が出品される。
作品は県内49校から3188点が寄せられた。1次審査を経て100点に絞られ、6日に県民会館で2次審査を実施。2人の審査員が50点ずつ審査し2点の最優秀賞を選んだ。金澤さんはキュウリ畑で作業する祖父の明るい表情を捉えた。審査員は「祖父の表情を自然で生き生きと切り取っている。身近な関係性だからこそ見せてくれる祖父の姿が印象的。農作物の生命力を感じ、それを支える祖父の存在が圧倒的」と評価した。
金澤さんは「嬉しいという言葉しかありません。私はおじいちゃんっ子だったので祖父も喜んでくれました」と笑顔を見せた。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)


サケ生態学習でJR東・宮中取水ダムで説明を受ける飛渡第一小児童(11日)
全校11人、自然たっぷり、住民総ぐるみ教育
十日町市飛渡第一小、小規模校の良さ 飛渡川でサケ生態調査
十日町市で最も児童数が少ない十日町市立飛渡第一小学校(近藤博道校長)。1年生3人、2年3人、4年2人、5年2人、6年1人の全校11人。だが小規模校ならではのフットワークの良さ、自然環境など地区内の財産を活かした「ふるさと学習」に力を入れ、自分たちが住む地域をより深く知る活動を続けている。昨年は家電メーカーのパナソニック主催「キッド・ウィットネス・ニュース(kwn)」日本コンテストで地域学習の様子を写した作品が最優秀賞に次ぐパナソニック社員賞を初挑戦で獲得するなど関心を集める。今期も自作野菜の地域直売所販売、水田作り、さらにサケ生態学習や稚魚育成などに取り組む。住民の協力を経て地域に入り子どもたちが実践する活動が注目を集めている。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)

未来づくりを語る富井代表(中央)と日下部さん(左)、木内さん(9日、上野で)
次世代の電池開発、研究者と連携し
NGOこめ 小型高性能カーボン電池、特許技術者が協力
発電所も送電線も不要になる小型高性能カーボン(炭素)電池。実用化されれば冷蔵庫やエアコンなどの家電、自動車、コンバインなどの農耕車両さえも電池で動かす可能性を持つ。その原料となるナノカーボンを地下資源ではなく、環境にやさしく安価な植物由来の資源(山の不要材等)で作り、地域環境を保全し、地球温暖化に対処しようと活動を続ける十日町市上野のNGOこめ(富井冨士子代表)。
カーボン電池を製造するには1次処理工程として世界的陶芸家で無煙薪炭窯の特許を持つ日下部正和さん(福島)の窯で約1300度で焼く超高温炭を作り、2次処理工程で太陽光炭素化炉の国際特許所持者の木内鶴彦さん(長野)の炉で約2300度に熱するとナノカーボンができる。富井代表は日下部さんと木内さんの賛同と協力を得て、十日町をカーボンの生産拠点とする新たな基幹産業作りの構想を立ち上げた。カーボンは強くて軽く弾性があり、繊維化したカーボンは航空機や車両などの素材にも適している。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)

近く架け替え工事が着工する百合居橋(前方緑の橋)。手前下流100メートルに新橋(ブルーシート付近)を建設。箕作〜月岡820㍍の護岸・堤防整備を約40億円規模で3年ほどで事業に取り組む(12日、月岡高台より)