2022年(令和4年)10月
今週の妻有新聞ダイジェスト
厚生労働省で会見する桑原町長、林院長、県・松本部長(写真=桑原悠町長Facebookより)
若手総合診療医育成、町立津南病院で
町独自財源で 常勤医確保へ、外国留学など4年間で5550万円支援策も
新潟県と津南町が連携し、総合診療専門医の育成に取り組む。町立津南病院(45床)で行う県総合診療専門医育成プログラム活用の若手医師に年1千万円余の奨学金支援、さらに海外研修奨学金を1550万円と、4年間で最大5550万円を支援し、若手総合診療医の確保をねらう。さらに総合診療医資格を持つ院長候補の幹部候補も同額の奨学金で募集。全国初の取り組みだ。
27日は厚生労働省で桑原悠町長、町立津南病院・林裕作院長、県福祉保健部・松本春樹部長が記者会見。桑原町長は「高齢化が進む豪雪地帯であり、この中でどのように地域医療を成り立たせていくか、まさに最前線を学べるのがやりがいとなる。林院長の元で病院経営も携わることができるのは大きな魅力と考える」と意義を語る。制度説明会は来月10日にオンライン開催予定だ。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
旧教員住宅を改修した舎寮「藤倉ハウス」(25日)
「雪里留学」、舎寮共同生活
まつのやま学園、「藤倉ハウス」 今月から体験受け入れ、移住希望問合せも
松之山地域は1987年から「山村留学」を受け入れ、2006年まで全国からの176人が学んだ。2014年の校長赴任から松之山はじめ十日町市の教育に関わる久保田智恵美さん。地元の学校への思いを感じ、まつのやま学園実現後、その良さをさらにと取り組むのが『雪里留学』。「松之山特有の雪里の自然や生活から子どもが育つ。学校や家庭だけではなく、地域の人に手や目をかけてもらい人との繋がりを学ぶ。人づくりは地域づくり」とする。
雪里留学は市内からも市外からも入学できる。市外からの児童生徒のために舎寮を開設。布川地区の旧教員住宅を全面改修した『藤倉ハウス』。小学5年から中学3年を対象に定員5人。来月から留学希望者お試し通学の受け入れを始める。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
堤防拡幅で移転する豊高嶋神社(26日、箕作で)
140年ぶりのお引越し
栄村箕作 豊高嶋神社 堤防拡幅で山側に30メートル移動
鎮守様がお引越しです—。信濃川緊急治水プロジェクトによる堤防拡幅により、現在地より約30メートル山側に移動が決まっている栄村箕作地区(47世帯)の鎮守・豊高嶋神社。26日がその移動日。神様のお引越しとあり、参集の80人余の地元住民も興味深そう。木組みと鉄骨の移動台に乗った、約40トンの神社がウインチにより少しずつ動くと、自然と手を合わせる住民の姿も。さらに住民も曳き家を体験。懸命に手漕ぎで神社を引っ張る作業をお手伝い。見学に来ていた園児の「ガンバレー」の声援を受けながら、地域を見守り続ける神社に感謝を込め曳き、約2時間で移動完了。新たに作った建物基礎へのはめ込みは来週行う予定だ。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
約40種類のパンを販売する小林夫妻
料理店名を継ぎパン店開業
龍華・小林さん夫婦 将来は自家製小麦の商品も
パン職人の夫婦二人が『パンの龍華』をきょう29日、十日町市川治(谷内丑)の市営住宅近くにオープン。店舗のすぐ隣にはパン焼き窯が据えてあり、焼き上がりの時間帯はそれぞれ異なるが約40種類のパンを並べる。
店主の小林清人さん(39)は川治生まれで、神奈川本社の製パンと販売を手掛ける会社に勤務して職人歴は19年。神奈川出身の妻の博美さん(32)とは職場で出会った。独立の思いを募らせ、帰郷して実家での起業を決めた。「父はここで中華料理店『味の龍華』を営んでいたが2年前に亡くなった。業種は違っても龍華という名前を継いだことを父は喜んでいるでしょう」と語る。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
第3回除雪の達人で、熟練の腕前を披露し関心を集めた(22日、ミオンなかさとで)
これぞ達人の技
除雪の達人選手権 大型重機で「書」にも挑戦
世界有数の豪雪地の妻有。機会除雪に担い手確保にと国県や地元自治体、建設業協会らが連携し「第3回ニイガタ除雪の達人選手権2022」を22日、ミオンなかさとで開催。大型重機を自由に操作する高い技術力が親子連れら観衆を引き付け、「妻有除雪職人」の技に魅了された。圧巻はバックホウのショベル部分で筆を挟み、硯の墨を付け書に挑戦するスゴ技。観衆が見守るなか半紙に『除』『雪』の文字を器用に描くと「すごい」と大歓声と拍手。きもの姿で重機操作した桑原善夫さん(59、村山土建)は40年余の大ベテラン。「この10分前に練習を2回しかしていないが、思ったより巧く書けた。除雪は繊細な作業の場面もあり、普段から技術を身に付けるのが大事だね」とにっこり。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
【洋画・版画】 市展賞 「鯉の戯れ」生越清允(下条栄町)
培った技術、表現豊かに
十日町市展「彫刻・現代美術」市展賞は髙橋さん
第54回十日町市美術展(主催・十日町市)の審査が26日行われ、6部門で48点の入賞が決まった。日本画の市展賞・山本令子さん(小千谷市)は前回に続き連続の市展賞。出品者は前回より6人増の173人となった。同展は28〜31日まで越後妻有文化ホール・十日町市中央公民館「段十ろう」で展示される。入場は自由。
(詳細は2022年10月29日号をご覧ください)
2022年10月29日(土)
2022年10月22日(土)
全国平均75種、すでに71種確認
栄村調査・トンボ 起床動植物、里山環境の保全を実証
自然と人里の環境変化や保全状態の指標で、里山の水辺環境のバロメーターである「トンボ」の生態で、全国都道府県平均75種というなか、栄村だけで71種のトンボ生息が確認されていることが明らかになった。今月15日から始まった栄村文化週間の研究発表で公表され、長野県環境保全研究所にも報告され、全国的にもトンボ生息の有数地であることが判明している。
栄村は3年前から「希少動植物調査」に取り組み、専任員2人が全村で地元研究者や地域外の専門家の協力を受けながら調査活動する。今回の確認トンボ71種の中には、国内で成虫のまま越冬するトンボ3種のうち、今回調査の2種と過去確認を含め3種すべてが栄村で確認されている。
今回調査では渡り鳥で「人里の鷹」といわれ、里山の生き物の頂点にたつ猛禽類で絶滅危惧種「サシバ」が志久見地域などで多数確認され、「サシバは人里にいるカエルやヘビなど食し、多数の確認はそれだけ里山環境が保全されている証し」という。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
ホソミイトトンボ(広瀬明彦氏撮影)、ホソミオツネントンボ(広瀬明彦氏撮影)、オツネントンボ(涌井泰二氏撮影)、絶滅危惧種サシバ(涌井泰二氏撮影)
連携する乾医師ときものブレインの岡元社長(右、18日)
みどり繭、アトピーに効果
きものブレイン 医療機関と共同研究、臨床参加者募る
「アトピー性皮膚炎に悩む人たちにみどり繭の効能を」—。7年前からみどり繭の量産を始め、抽出した成分「フラボノイド」から健康効果をいかした化粧品を開発・販売している十日町市のきものブレイン(岡元松男社長、従業員262人)は18日、同社で東京・銀座アイグラッドクリニック(乾雅人院長)と共同で難治性アトピー治療の臨床研究を行うと発表。臨床研究参加者の募集を始めた。岡元社長は「すでに皮膚炎に効果がある声は届いていますが、医師の研究検証を得てアトピー性皮膚炎に悩む患者さんを救っていきたい」と話し、来春には新たな保湿剤の製品化をめざす方針だ。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
日本一に中島さんと保坂さん
十日町小唄優勝大会で熱唱
優勝した中島さん(右)と保坂さん(16日、クロステンで)
『越後名物かずかずあれど 明石ちぢみに雪の肌 来たら離せぬ 味の良さ♪』。「この歌詞から当時の人の明石ちぢみへの思いや自信と誇りが伝わって来ます」と保坂明里さん(14、鐙坂出身、新潟市在住)。16日、クロステンで開催の第41回十日町小唄日本一優勝大会少年少女の部で優勝した保坂さんが、富山県や新潟市から出場の10人を抑え栄冠に輝いた。
一般の部には45人が出場、優勝は5年前にUターンした十日町市中条の中島美穂さん(42)。民謡との出会いは昨年7月。10歳の息子が「三味線を習いたい」と三味線、太鼓、民謡などを教える三清会(佐藤清代表)に入会。送迎で通ううちに「もともと歌が好きだったこともあり、私も習い始めました」。愛知県や富山県からの並みいる強豪を抑え民謡歴1年3ヵ月余で優勝した。「三味線を習う息子といつか共演したいですね」とにっこり。
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
若者拠点整備、「村存続に必須」
横倉村民住宅 単身者向けワンルーム、来春入居めざし着工
人口1600人余、高齢化率54%、2人に1人が65歳以上の栄村に、21年ぶりとなる「村民住宅(家賃定額)」の建設が始まった。単身者向けワンルーム8戸を、横倉農村広場付近に建設する。総事業費は約2億3300万円。完成は今年度中を予定し、来年2〜3月に入居者を募る計画で進めている。宮川幹雄村長(69)は「人口減少対策の一環であり、これまで若い人たちが入る村民住宅はなかった。若者が村に拠点を持たねば子どもも生まれてこない。まず村に住める環境作りはまだまだ必要」と話している。
今年度中の完成をめざす新村民住宅(18日、横倉で)
(詳細は2022年10月22日号をご覧ください)
2022年10月15日(土)
「担い手不足深刻」、危機感を共有
妻有若手経営者と花角知事が懇談
県知事と妻有地域の若手経営者ら車座で意見を交わした。8日、ラポート十日町で花角知事との車座懇談会を行い、十日町商工会議所、県農業士会、十日町市内商工会、十日町織物協同組合の青年部役員ら10人が参加。「建設業従事者の高齢化、担い手不足がある。このままでは災害時など役割が果たせなくなる」や「事業所の若手が減り、青年部員の減少が悩み。住民も減少しており、UIJターンに力を入れて欲しい」などと中山間地域の実情を、今年5月に再選を果たし2期目を迎えている花角英世知事(64)に直接伝えた。移住定住促進に関して花角知事は「UIJターン、住み続ける仕組み作りはもう少し突っ込んでやりたい所。県も力を入れる」と現在首都圏の大学40校余と連携し、県内出身大学生に地域情報をSNS・LINEで繋がり伝える取組みを紹介した。水沢や川西青年部が行っている地元中学に赴き、職業体験の場を提供する出前ハローワーク活動に関心を示し「面白い。県教委でも早い段階で職を意識させるキャリア教育が大事という意識になってきている」と活動を評価した。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
花角知事と地元商工会青年部員らが直接意見を交わす車座懇談会(8日、ラポートで)
藤ノ木浩子氏、小山大志県議、尾身孝昭県議
来春県議選、前哨戦が本格化
小山氏報告会、尾身氏29日、藤ノ木氏地区巡り
来春4月の春の統一地方選。自民現職で7期の尾身孝昭氏(69)、同現職で1期の小山大志氏(44)は再選めざし活動を本格化。一方、前回選出馬の共産・藤ノ木浩子氏(62)が再出馬を表明している。自民現職の議席確保か、野党共闘めざした再挑戦が実るか、さらには前回選同様に4人の立候補者が乱立するか、今後の動向に関心が集まる。小山氏は8日に花角英世知事や自民県連会長・衆院の高鳥修一氏らを招いた県政報告会で、前回の無所属から自民公認での出馬予定を表明。尾身氏は今月29日に花角知事や衆参議員を迎え県政報告会を開き、8選めざす活動を本格化。一方、今月3日に出馬表明した藤ノ木氏は各地区でのあいさつ回りなどの活動を始めている。
小山氏は8日、妻有地域の若手経営者と花角知事の車座懇談会、さらに自身の県政報告会をラポートで相次ぎ開いた。会場には花角知事、高鳥修一氏、7月の選挙で自民議席奪還を果たした参院・小林一大氏、十日町市・津南町両首長らが参集。この中で小山氏は「次の任期も勝負させて頂いて、この地の発展のために尽力しなければいけないと改めて覚悟した次第。自民党の公認を頂いて、地域のために今やれることを仲間の皆さんと共に、掲げた政策を形にするのが最善の地域発展に繋がる」と自民県連に公認申請している。公認発表は今月末頃になる見込みだ。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
県総文で最優秀賞、来夏、鹿児島・全国大会へ
十日町高校写真文の金澤天音さん
県総文で最優秀賞を受賞した金澤天音さんの作品『絶賛仕事中』
第 36 回新潟県高等学校総合文化祭・写真専門部展個人部門で十日町高校写真部の金澤天音部長(2年)が最優秀賞を獲得。来年7月〜7月、鹿児島県で行われる全国高校総合文化祭(総文)に金澤さんの作品『絶賛仕事中』が出品される。
作品は県内49校から3188点が寄せられた。1次審査を経て100点に絞られ、6日に県民会館で2次審査を実施。2人の審査員が50点ずつ審査し2点の最優秀賞を選んだ。金澤さんはキュウリ畑で作業する祖父の明るい表情を捉えた。審査員は「祖父の表情を自然で生き生きと切り取っている。身近な関係性だからこそ見せてくれる祖父の姿が印象的。農作物の生命力を感じ、それを支える祖父の存在が圧倒的」と評価した。
金澤さんは「嬉しいという言葉しかありません。私はおじいちゃんっ子だったので祖父も喜んでくれました」と笑顔を見せた。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
サケ生態学習でJR東・宮中取水ダムで説明を受ける飛渡第一小児童(11日)
全校11人、自然たっぷり、住民総ぐるみ教育
十日町市飛渡第一小、小規模校の良さ 飛渡川でサケ生態調査
十日町市で最も児童数が少ない十日町市立飛渡第一小学校(近藤博道校長)。1年生3人、2年3人、4年2人、5年2人、6年1人の全校11人。だが小規模校ならではのフットワークの良さ、自然環境など地区内の財産を活かした「ふるさと学習」に力を入れ、自分たちが住む地域をより深く知る活動を続けている。昨年は家電メーカーのパナソニック主催「キッド・ウィットネス・ニュース(kwn)」日本コンテストで地域学習の様子を写した作品が最優秀賞に次ぐパナソニック社員賞を初挑戦で獲得するなど関心を集める。今期も自作野菜の地域直売所販売、水田作り、さらにサケ生態学習や稚魚育成などに取り組む。住民の協力を経て地域に入り子どもたちが実践する活動が注目を集めている。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
未来づくりを語る富井代表(中央)と日下部さん(左)、木内さん(9日、上野で)
次世代の電池開発、研究者と連携し
NGOこめ 小型高性能カーボン電池、特許技術者が協力
発電所も送電線も不要になる小型高性能カーボン(炭素)電池。実用化されれば冷蔵庫やエアコンなどの家電、自動車、コンバインなどの農耕車両さえも電池で動かす可能性を持つ。その原料となるナノカーボンを地下資源ではなく、環境にやさしく安価な植物由来の資源(山の不要材等)で作り、地域環境を保全し、地球温暖化に対処しようと活動を続ける十日町市上野のNGOこめ(富井冨士子代表)。
カーボン電池を製造するには1次処理工程として世界的陶芸家で無煙薪炭窯の特許を持つ日下部正和さん(福島)の窯で約1300度で焼く超高温炭を作り、2次処理工程で太陽光炭素化炉の国際特許所持者の木内鶴彦さん(長野)の炉で約2300度に熱するとナノカーボンができる。富井代表は日下部さんと木内さんの賛同と協力を得て、十日町をカーボンの生産拠点とする新たな基幹産業作りの構想を立ち上げた。カーボンは強くて軽く弾性があり、繊維化したカーボンは航空機や車両などの素材にも適している。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
近く架け替え工事が着工する百合居橋(前方緑の橋)。手前下流100メートルに新橋(ブルーシート付近)を建設。箕作〜月岡820㍍の護岸・堤防整備を約40億円規模で3年ほどで事業に取り組む(12日、月岡高台より)
百合居橋架け替え着工、水害から3年
栄村・千曲川 緊急プロジェクト40億円規模、堤防・護岸整備
2019年10月12、13日の台風19号による千曲川(信濃川)の過去最大増水で流域に大きな被害を出た水害から13日で3年が経過した。被害を受けた流域のひとつ栄村では国と長野・新潟両県が上下流で取り組む「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」で堤防嵩上げや護岸整備、橋梁架け替えなどに取り組んでいる。
2020年に緊急事業化された緊急治水対策プロジェクトは、栄村工区は「箕作〜月岡」の護岸延長820メートル。堤防に添って走る県道改良、さらに対岸への生活道の要所・百合居橋の架け替えを同事業で行う。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
良品計画と津南町連携「ウェルネスミーティング」で車座談義する参加者(2日)
森林と食でリフレッシュ
良品計画と津南町 「ウェルネス」、協働企画で
世界の「株式会社良品計画」と連携協定を先月結んだ津南町。里山の自然と暮らしを活用した町民の幸福追求や次世代リーダー育成を盛り込むなか、第一弾協働企画「ウェルネスミーティング2022」は1、2日に開催。関東圏や上越市などから20人余が参加。森林セラピー基地・樽田ブナ林の散策、開設27年目の無印良品津南キャンプ場で泊まり夕飯や朝飯は郷土素材や伝統食をベースにした食提供、さらに町民を交えて車座での健康談義など行い、心と体を癒す1泊2日のリラックスタイムを過ごした。
(詳細は2022年10月15日号をご覧ください)
2022年10月8日(土)
サケが来た
宮中取水ダム・西大滝ダム 遡上低調気味
信濃川のJR東日本・宮中取水ダム魚道で先月11日からサケ遡上調査開始後、初遡上は先月29日にようやくオス1匹と大幅に遅れ、今月に入ってから3日3匹、4日4匹、5日9匹と増え、5日現在17匹(オス14匹、メス3匹)となっている。温暖化などの影響で全国的に遡上数は減少しており、中魚漁協では「ようやく水温が20度を下回ってきた。これからが遡上の本番。いっぱい戻ってきてほしい」と期待している。
サケ遡上調査は朝、昼、夕方の1日3回、JR東が独自に個体数のみの調査を続け、今年は9月11日〜11月10日まで2ヵ月間実施する。例年だと9月中旬になると連日、遡上が確認されていたが、今シーズンは10月に入ってようやく戻ってきた。同漁協では2016年から毎年サケの稚魚約50万匹を放流。2015年に1514匹と調査最高を記録したが、その後は半減。昨年の遡上数は330匹だった。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
ようやくサケが遡上(5日、宮中ダム魚道調査トラップで)
進む堤防改修、さらに大増水心配も
2019信濃川水害から3年 信濃川水系緊急プロジェクト、津南8工区で
過去最多の大増水で堤防を越流し集落が浸水(2019年10月13日、津南町押付、十日町地域振興局提供)・堤防嵩上げで整備が進む津南町押付の護岸(4日、右が信濃川)
2019年10月13日の台風19号による千曲川・信濃川の大増水で、流域一帯で発生した大洪水から今月13日で3年が経過する。上流から中流、下流域まで広範囲で被害が発生し、国と長野県、新潟県は「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」を立ち上げ、台風19号規模の増水に耐えうる堤防や護岸改修を5年間で取り組む事業と、さらに改修に取り組む8年間の事業に取り組んでいる。5年間の緊急プロジェクトは、千曲川上流域と信濃川中流域で同時進行し、津南町では8工区で堤防嵩上げや護岸改修が進む。十日町市流域は緊急プロジェクト事業はない。このうち緊急災害復旧関連事業は5工区で進み全体事業費は約60億円。すでに完工した工区もあり、住民主導で当初の堤防改修計画を見直した津南町下足滝工区は先月着工し、来年6月には完工の見通しだ。上流域の千曲川流域が整備され、遊水池など整備される一方で護岸整備により下流への出水時間と流量・流速が増すため、19号を上回る大増水時での下流域への影響が懸念されている。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
「定数減」で12月議会提案へ
津南町議会 有権者アンケート「現状多い」多数
議員定数は削減、報酬は現状維持で提案へ—。津南町議会定数等特別委員会(津端眞一委員長・6人)は、来月4日の町議会全員協議会で議員定数(現在14人)を削減、議員報酬は現状維持とする提案を出す方針を明らかにした。定数削減数に関して津端委員長は「定数12人とするか、10人とするかはまだ決まっていない。今月中に特別委を開き、委員会の意思を決定したい」とする。一方、議員報酬は「住民アンケートの結果を考えると上げるのは難しい。議員報酬の議論は次期議会で検討して欲しい」と見解を話した。11月の全協で議会意見をまとめ、12月議会で議員発議により定数削減案を提出する予定だ。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
第2期協定書に調印した関口市長と新潟大の牛木学長(写真・十日町市提供)
出向くケア・医療で「十日町モデル」
第2期寄付講座、在宅介護の体制構築
十日町版「地域医療計画」の策定を—。高齢者世帯が増加し、「医療過疎」ともいわれる豪雪山間地を抱える十日町市は、3年前に新潟大大学院と連携して取り組んできた第1期の『十日町いきいきエイジング講座』が先月末で終了。これまでの実績を踏まえ、第2期として3年間の更新協定を4日、新潟大で締結した。『出向くケアと医療』を主軸に、高齢化社会と人口減少に対応した医療と介護の提供体制の構築をめざす方針だ。
第2期では1期同様、寄付講座として実施。十日町市医療福祉総合センターを拠点に、特任教授で今春から十日町市医療技監に就いている菖蒲川由郷氏と特任助教・白倉悠企氏がこれまで通り駐在し、第1期で実施した訪問看護ステーション『おむすび』の将来的なビジョン策定など、『十日町モデル』となる妻有地域の医療・介護連携の体制強化、プラットフォームづくりに取り組む。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
「きもの発信を」と清津峡渓谷トンネルでプレイベントを実施(右から5人目が河田さん、5日)
清津峡できもの魅力発信
レンタル「kcda」河田千穂さん
「きものの魅力を発信したい」と、意欲ある女性のチャレンジが始まる。十日町市に暮らし5年目の河田千穂さん(29、長岡市出身)。きものを身近なおしゃれとして楽しむ環境をと、新たな事業「十日町着物レンタルkcda(クダ)」を立ち上げ。国内外から来訪者がある人気スポット・清津峡の元民宿の一角を借り、来場者が気軽にきものを借りて着られる事業をスタート。今月8〜29日までの火・水・土日の午前8時〜午後4時に受付ける。「きものが有名な十日町。でも着る機会が少ないと感じていて。高貴なおしゃれとして楽しめる機会を作りたい」と意欲を話す。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
18年ぶり町直営施設で開所した「まちなかオープンスペースだんだん」(1日、大割野で)
どう活用交流拠点、「しかけ」課題
津南町大割野 まちなかOSだんだん開所
18年ぶりの津南町直営施設として今月1日、町中心街の大割野に開所した「まちなかオープンスペース(OS)」(愛称・だんだん)。ITC活用の「テレワーク施設」としての活用を第一とし、同所を登記地とする県外からの進出企業誘致、さらには誰でも集える住民交流の場とし町活性化の拠点となるのをめざす。開館後の週末では部活帰りでバス待ちの県立津南中等教育学校生の利用、パソコン持ち込みで仕事する一般者もいたが、まだ来訪者は少ない。1〜3日の3日間の利用者は172人、うち小中高生91人と、学生が半分以上を占める。今後どう交流拠点化を進めるかが課題だ。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
「幸せプロジェクト」の第一弾のコメ収穫祭に来町した小林幸子さん(2日、津南原高原で)
「越後情話米」で農業振興
歌手・小林幸子さんプロジェクト
「後継者不足の農業。私が発信することで若い人たちが農業に関心を持つきっかけとなり、農業は楽しいという形を作っていければ」。新潟出身の歌手・小林幸子さん(68)が、故郷の農業活性化にと今年スタートした「幸せプロジェクト」。その第一弾として、津南町で魚沼産コシヒカリを約2ヘクタールで栽培。自身の楽曲『越後情話』の名を冠しプライベートブランド化し、ネット販売など通し新潟県農業の全国アピールを図る。
(詳細は2022年10月8日号をご覧ください)
2022年10月1日(土)
来春県議選、与野党対決スタート
自民現職2人、藤ノ木氏3日表明、小山県議8日、尾身県議29日県政報告会
2023年春の統一地方選で実施される新潟県議選が早くも前哨戦から対決ムードだ。自民現職で7期の尾身孝昭氏(69)、自民1期の小山大志氏(44)は再選にむけ取り組みを始めている。2期をめざす小山氏は今月8日、花角知事が来賓出席し県政報告会と妻有地域の若手経営者との車座対話を開くなど、半年後に迫る改選に向け、本格的な取り組みをスタートする。尾身氏は今月29日、花角知事や衆参院議員を迎え県政報告会を開き、8選にむけ取り組みを本格化する。一方、前回初出馬の共産・藤ノ木浩子氏(62)は来週3日、十日町市の越後妻有文化ホールで出馬会見を開き再出馬を表明する。前回選で取り組み善戦した野党共闘選挙に取り組む方針だ。さらに前回初出馬の島田英里子氏(55)の動向にも関心が集まり、自民現職2人に野党共闘の対決の構図で、4年前の前回と同じ顔ぶれでの県議選が予想される。自民県連の県議選1次公認を今月末までに発表する予定だ。
(詳細は2022年10月1日号をご覧ください)
藤ノ木浩子氏、小山大志県議、尾身孝昭県議
新検討会に期待感 中学校再編見直しで
市民委員募集、14日まで
中学校再編の見直しを行う十日町市。今月に「十日町市立中学校のあり方検討委員会(仮称)」が発足予定。「1学年2学級以上」を前提に一度出された旧市町村を超える統合案が改めてどう判断されるか関心が集まるなか、同検討委の市民公募委員募集が始まっている。募集人数は2人程度。募集要項によると、新たな検討委会議は『今年10月〜令和6年(2024)3月までに15回程度の開催』予定となっており、答申が出るのは2年後となることが明らかになっている。さらに『未就学児の保護者と、それ以外の一般市民の両方から応募があった場合、未就学児の保護者を優先的に選考』とあり、中学統廃合が子どもに直接影響する世代の考えを優先する方針を示している。
(詳細は2022年10月1日号をご覧ください)
表彰を受ける生徒ら(先月28日、越後妻有文化ホールで)
『生きている人の数だけ普通がある』
県高校定時制通信制生徒・生活体験発表 十高・藤木優月さん、最高賞
「みなさんは誰かに『普通はこうだよね?』と言われたことがありますか?」。第68回新潟県高等学校定時制通信制生徒生活体験発表会上・中越地区大会が先月28日、越後妻有文化ホールで開かれ、最高賞に選ばれたのは、十日町高校定時制4年生の藤木優月さん。言葉をかみしめるように語った。
最高賞受賞に藤木さんは「思った以上に落ち着いて話せました。ありがたいし光栄、嬉しいです」と笑顔。藤木さんの母、美幸さんは「これまで紆余曲折ありましたが発表を聞いてここまで育ったかと感じました」。近く専門学校を受験する娘に「やりたいことを見つけられてよかった、これからも寄り添っていきます」と娘の背中をそっと押す。
(詳細は2022年10月1日号をご覧ください)
1日に津南町大割野で開所の「まちなかオープンスペース」(28日の内覧会で)
きょう1日オープン、利用状況に関心
津南町 まちなかOS「だんだん」、商店街に
久しぶりに津南町直営の公共施設がきょう1日オープンする。町の中心・大割野商店街の「まちなかオープンスペース(OS)」(愛称だんだん)。ICTで時間を有効活用し仕事ができる「テレワーク施設」をメインとし、さらに誰でも自由に滞在できる交流スペースを置くまちなかOS。1日午前10時に桑原町長や設計担当者らでテープカットを行った後利用できる。今後、町内外からどういう利用があるかに関心が集まる。
無料で使える交流スペースは河岸段丘イメージの段丘ボックスが並び、イスやテーブルにしたり、子どもたちの遊具としての利用が可能。さらにパソコンなど持ち込み座って仕事や勉強ができるコンセント付コワーキングスペースも設置。さらに旧書店の趣きを残す書架も設置。一区画月額5百円で貸出し、パンフレット設置や展示本棚として活用できる。同OSは町職員を派遣で管理運営。開館は午前10時〜午後7時半。火・水曜定休となる。
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第4回苗場山麓GP研究コンクールで最優秀賞の髙橋ももさん「わたしが見たささばみね」
光る感性、最優秀賞に津南小3年・髙橋ももさん
第4回苗場山麓GP研究コンクール
津南町と栄村で取り組み、認定8年目の日本ジオパーク(GP)・苗場山麓の研究や関心増をと、第4回「研究コンクール」の審査は先月20日に実施。応募44点・参加児童生徒127人(前年応募23点・参加125人)の中から入賞10点を決定。最優秀賞の苗場山麓GP振興協議会長賞に、津南小3年の髙橋ももさん「わたしが見た『ささばみね』」を選出。髙橋さんは、約9千年前の縄文時代に大崩落があった地形が残る笹葉峰(標高970メートルを実際に歩き、現地の写真と絵で崩落地形を紹介。『小学3年ながら現地を調査し、しっかり地形の様子を描いている。これからの研究も楽しみ』と高評価を得た。応募作品は今月6日まで町なじょもん、8〜19日は栄村役場で展示する。
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十二社改築90周年神事で奏楽を行う「そぉやん会」メンバー
90年目の奏楽、次代に
卯之木秋季祭礼 ウクライナカラーのカサボコも
津南町の秋季祭礼の最後は彼岸の中日23日に行われる。卯之木地区(68世帯)は、鎮守の十二社が今年改築90周年。節目を記念し8年前の平成26年(2014)以来、久しぶりに前夜に花火大会を実施。翌朝は十二社内で行う神事に併せ3年ぶりに奏楽演奏を行い、五穀豊穣を祈った。煌めくオレンジ色の衣装に身を包み笛や太鼓を奏でるのは、地元若手グループ「そぉやん会」(山岸純助会長)。現在15人余で伝統を引き継ぐ。この日は過去最年少となる13歳の宮澤空良さん(津南中等1年)が奏楽デビュー。「お父さんに進められてやりたいと思いました。笛を吹いたり、専用の衣装を着てみたかったんです。これからも参加できるといいな」と息を合わせ雅な音を社殿に響かせていた。
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